kiwi kuzhambu
コランブ、とは書きましたが、実際の発音は違うみたいですね。タミルの言葉です。綴りもいろいろで僕の手には負えません。コランブと言うと、ちょっとシャバっとしたカレーのことです。酸味があることも多いと思います。なんというか、語の意味が広すぎるので、これがコランブだ!と断言するのは、見切り発車上等の南インド屋でもさすがにためらいます。
青マンゴーのクザンブ mangai kuzhambuをイメージしています。たしか誰かが青マンゴーの代わりにキウイ、と言っていた気がして探したところ、sunvalleyhotelのシェフが同じことを仰っていました。インドに行ったことがない人間よりも信憑性がありますね。
動画を作りましたのでご覧ください。
材料と手順
(4人分)
●ゴールデンキウイ——大き目のを2個
(縦長になるように、16等分にする)
●ミックススパイス用(全て乾煎りして粉末にする)
○チャナダル——小さじ1/2
○ウラドダル——小さじ1/2
○トゥールダル——小さじ1/2
○フェネグリーク——小さじ1/4
○クミンシード——小さじ1/4
○コリアンダーシード——小さじ1/4
○生米——小さじ1/2
○ホールチリ——3本
●サラダ油——大さじ1
●マスタードシード——小さじ1/2
●カレーリーフ——10枚程度
●ターメリック——小さじ1/6
●水——200ml
●タマリンドペースト——小さじ2
●塩——小さじ1/2弱
①スパイスミックスを作る。ダル類を鍋に入れ乾煎りして、軽く色づいたら取り出す。次にフェネグリークを入れ、色づいたら取り出す。クミン、コリアンダーを鍋に入れ、香りが出てきたら生米、ホールチリを入れ、火を止める。余熱で乾煎りしてから取り出す。すべてのスパイス類をまとめてミキサーなどで粉末にする。
②鍋にサラダ油を熱し、マスタードシードを入れる。8割くらい弾けたらカレーリーフとターメリックを入れ、ざっと混ぜてカレーリーフに火を通す。水、タマリンドペースト、塩、スパイスミックスを入れて良くかき混ぜる。沸いたら弱火にして、とろみが出るまで3分ほど煮こみ、切ったキウイを入れる。ひと煮立ちさせたら火を止め、味を見て足りなければ塩を足す。
キウイのコランブのポイント
・これまでの南インド屋の味とは、ちょっと毛色が違います。しっかりスパイシーで、舌がひりひりするくらいです。かなりとがった味です。スパイス、キウイ、タマリンドの味を受け止めるのは、挽いた豆類だけで、うまみ控えめです。突き放すような味です。
・粘度ですが、しゃばっとしつつも、とろみがあります。
・色は、黄色っぽい赤茶色になります。
・一番強い味は酸味と辛みで、その次に塩味が来ます。一番先に塩を感じるようだと、塩が多いです。
・できればフレッシュカレーリーフが欲しいカレーです。
こういう作り方もあります
・スパイスミックスの作り方ですが、油でいためて、少量の水と一緒にミキサーでペーストにする方法もあります。そちらのほうが一般的な気もしますが、ある程度ミキサーの性能が高くないと難しいので、今回は粉末にするレシピにしました。お好みでどうぞ。ペーストにする場合は、後で足す水の量を加減してください。
・玉ねぎ、トマト、ニンニク、を入れることもできます。ミキサーにかけてペーストにしても良いし、このレシピでいうとカレーリーフの後に入れて形を残しても良いです。おそらく、たまねぎやトマトを入れるほうが、現代では一般的だとは思います。
・ダル類は、三種類を組み合わせるのはすこし珍しい作り方かもしれません。お好きなダルひとつだけでも良いです。また、生米も、入れなくても良いです。これらを減らすと、よりあっさりします。
・ジャグリーや砂糖を入れて甘みを加えても良いです。
・スパイス類の組み合わせは色々です。お好みでどうぞ。
・タマリンドも、酸っぱいのが苦手な方は入れなくても良いです、と言いたいところですが、酸っぱいのが苦手な方はそもそもこの料理には手を出さない方が良いかもしれません。
どうやって食べるか
・ミールスの中の一品として食べるのが良いと思います。バナナリーフの上に直置きしたら流れてしまうので、カトリに入れることをお勧めします。ダルとかポリヤルとかは地味な味にして、こういう派手な味なものがひとつくらいあると、面白いと思います。僕の祖母は、カバンだけ派手にする取り合わせが好きですが、それとおなじ要領です。
・スパイスカレー界隈には、うまみが薄いので人気がないかもしれません。
このコランブはすこし辛いので、スパイシーなものが好きな方が喜びそうなレシピなどを
紹介します。ちなみに僕は、スパイシーなものは少し苦手です。
ハイデラバードっぽいベジコルマです。辛くてしょっぱくて酸っぱく仕上げます。
パンで食べるカレーです。嗜好の食べ物です。コーラなどを飲みたくなります。
南インドを代表するカレーのひとつです。スパイシーか、と訊かれたらちょっと困りますが、まあまあスパイシーです。
南インド屋もっともスパイシーなのは、このチャイかもしれません。
現地の物よりスパイシーで、おそらく多少ジャパナイズされた味ですが、
インド人も、インドで飲むよりおいしいと言っていたので、たぶんおいしいです。