インド人の好きなものは?と尋ねられると、少し迷ってこのカレーを挙げます。
インド人、と一言では括れないくらいに大きく複雑な国ですが、それでもインド人は、このカレーが好きです。玉ねぎも食べないベジタリアンから、肉大好きなムスリムまで、とても喜ばれます。(すべてのムスリムが肉好き、という訳ではありませんが。)
もちろんインド人だけでなく、日本人の口にも合います。
それでは、まずは見た目と文章でイメージを膨らませていきましょう。
ダールってどんな味?
まろやかで優しい味です。煮崩したムーングダルの優しい甘みがベースとなります。塩味は、濃くはつけません。ご飯に合わせる塩味、というよりは、そのままでするする食べられる塩味にします。
アクセントとして、クミンとホールチリ、それに青唐辛子の香りがします。辛みはほとんどありません。
色は、ムングダルにターメリックが加わり、薄黄色になります。真っ黄色になるくらいでは、ターメリックが多すぎます。
粘度は、サンバルよりやや高めです。ご飯の上にとどまって落ちないくらいにします。ただし、あくまで液状です。固形に近くなると、ご飯には合わなくなります。あくまで、トロトロ、です。
と、このようなイメージを持って調理をすると、成功しやすいかと思います。
材料と手順
(5人分)
●ムーングダル——–1cup
(洗ってから、1時間ほど水に浸す)
●水——–1.5リットル
●ターメリック——–小さじ1/4
●トマト——–大さじ1(細かい角切り)
●青唐辛子——–1本(みじん切り)
●塩——–小さじ1.5
●ギーorバター——–小さじ2
●テンパリング用
○サラダ油——–大さじ1
○クミン——–小さじ1/2
○ホールチリ——–3本
1深鍋に、水につけたムーングダル、水、ターメリックを入れ、強火にかけて良くかき混ぜる。沸騰したら弱火にして、30分煮込む。この段階で黄色みが足りなければターメリックを足す。トマト、青唐辛子、を加えて、さらに弱火で20分煮込む。
2ポタージュ状になったところで、塩、ギーを加えて良くかき混ぜ、火を止める。
3テンパリングをする。小鍋にサラダ油を熱し、クミンを入れる。軽く色づいて来たらホールチリを入れて火を止める。余熱でホールチリが色づいたら、ジャッと鍋に加える。塩味と粘度を見て、足りなければ塩や水を足す。
TIPS
・これは豆カレー全般に言えることですが、時間がたつと豆が水を吸います。また、温度が下がると、粘度が高くなります。なので、手順3の段階ではゆるくても、食べることにはちょうど良いくらいになります。
・ムーングダルは、とても水を吸います。鍋の形状や豆の質で、水が足りなくなることがあります。途中で水を足すときには、必ずお湯を差してください。冷水だと、びっくり水になって、豆が煮えなくなってしまいます。
・このカレーで失敗しやすい点は、噴きこぼす、焦がす、冷水を差す、です。先に灰汁をとってしまい、トマトと青唐辛子を足すときに鍋に戻す手もあります。焦げるのを防ぐには、一番は、底の厚い鍋を使うことです。煮ている途中で粘度が高くなりすぎないように気をつけてください。
・ターメリックは、最後に入れると粉っぽくなり苦いので、入れた後はよく煮込む必要があります。なので、手順2以降では、足さないようにしてください。
・あれば最後にパクチーを刻んで入れるとおいしいです。ダールには、ぜひパクチーを入れてください。