Chicken pulao
チキンの炊き込みご飯のようなものです。プラオpulao、とは、おおよそピラフのことです。詳しいことははっきりしないようですが、ビリヤニと似たような食べ物と考えて間違いではありません。ざっくり言うと、pilaf→pulao→biryaniの順番です。なんの順番かは深く考えないでください。
この料理は、まったく南インドではないのですが、おいしいので紹介します。
動画はありません。すみません。
材料と手順
(4人分)
●バスマティライス——2cup
(ざっと洗って水に浸しておく)
●チキンレッグ——4本
●水——800ml
●塩——小さじ2.5
●ブラウンカルダモン——4粒
●シナモン——4cm
●ブラックペッパー——小さじ1
●コリアンダーシード——小さじ1
●ベイリーフ——1枚
●クローブ——小さじ1
●青唐辛子——2本
●生姜——うす切り2枚
——ここまでが最初に茹でる材料——
●サラダ油——大さじ6
●玉ねぎ——中1個
(繊維に対して直角にうす切り)
●ニンニク——6かけ
(つぶすか刻むか、ミキサーでペーストにする)
●生姜——3cm
(つぶすか刻むか、ミキサーでペーストにする)
①チキンレッグをスパイスと一緒に茹でる。チキン、水、塩、スパイス類、をすべて鍋に入れ火にかける。沸騰したら火を弱め、10分ほど煮たら火を消す。10分ほどおいて粗熱が取れたらチキンを取り出し、皮をはぐ。茹で汁はスパイス類を取り除き、800mlを量っておく。
②別の鍋にサラダ油を熱し、玉ねぎを入れる。強火で揚げるように炒めて、茶色く焦げ色がついたらニンニクと生姜を入れ、ざっとかき混ぜたらチキンを入れる。そのまま強火で3分ほど炒めたら、量っておいた茹で汁を入れ、続けてバスマティライスも入れる。強火のまま、ときどき静かにかき混ぜて、水の大半を米が吸って上からは水が見えなくなったら蓋をする。限界まで弱めた火で、水分が飛ぶまで15分ほど炊く。
③ふたを開けて、もし硬ければお湯を差すか、残っている茹で汁を上から振りかけて蒸しなおす。この時点でぱらっとしているようだと、温度が下がったときに硬く感じるので、この時点では、すこし柔らかいくらいで丁度よくなる。炊きあがり直後は米が柔らかいので、ふたを開けて15分ほどおいて冷ましてからかき混ぜる。
チキンプラオのポイント
・味のしみた米とチキンを、黙々と楽しむ料理です。
・ブラウンカルダモンの香りが中心です。全体的に、突き抜けた香りや爽やかな香りでなく、薬っぽいおとなしい香りを目指しています。なので、ブラウンカルダモンは、出来れば手に入れて欲しいです。とはいえ、あるものだけでつくってもおいしいです。
・難しいところと言えば、米の炊き方くらいです。べちゃっとならず、かたくもならないようにします。強火で煮る時間が短いと、水っぽくなってしまいます。強火で煮ていくと、水分の少なくなった表面に、ぽつぽつと穴が開きますので、こうなったら、鍋をゆすって、底の方だけが水っぽくならないよう気を付けつつ、底が焦げない程度に水分を減らします。日本米でも強火で余計な水分を吸わせてから弱火にしますよね。そういうかんじです。
・玉ねぎの炒め方は、ある程度しっかり色を付けたほうが好みです。その色で、全体が茶色っぽく仕上がります。
こういう作り方もあります
・スパイスの組み合わせは色々です。カルダモン、クミン、フェンネル、キャラウェイ、チリパウダー、などなど。青唐辛子は、香りが欲しかったので入れましたが、入れなくても良いです。
・玉ねぎを炒めるときに、ギーを大さじ1程度入れるとおいしくなります。
・トマトやヨーグルトを入れることもできます。とくにヨーグルトは、入れない方がプラオらしい味になる気がしますが、お好みでどうぞ。
・このレシピでは一度チキンを茹でていますが、ひと鍋で作ることもできます。スパイス類をテンパリングして、玉ねぎとニンニク生姜を炒め、チキンを入れて炒めて、水を入れ、しばらく煮込んでから米を入れて炊けばそれでも作れます。お好みのつくりかたでどうぞ。
・渡辺玲さんのブログで、バスマティライスじゃなくても、日本米でもジャスミンライスでも、と書かれていますが、やはりバスマティライスがおいしいかと思います。
・チキンは、骨付きでなく、ひらいたもも肉を使っても良いです。もし手に入るなら、丸鶏をばらしたものをつかってください。ハラルショップでは必ず売っています。
どのように食べるか・どのように提供するか
・食卓の主役になります。きっとフランス人にも喜ばれそうです。platとして出しましょう。
・ライタを添えるのが定番のようです。ほかのカレーをかけて食べても良いみたいです。
・ビリヤニよりおいしいような気がしますし、辛くないので誰でも食べられるので、人気が出そうなものですが、いまひとつ日本では盛り上がりません。スパイシーなビリヤニが人気だからでしょうか。たしかに、メニューにビリヤニとプラオがあって、プラオを選ぶのは、よっぽどマニアックな人か、インド人やアラブ人ですよね。そのうち、あれ?ビリヤニってあんまりスパイス入らない方がおいしくない?と考える人が増えるようになったときは、プラオの人気が上がるかもしれません。個人的には、プラオの方が好みに近いです。
・作るのは難しくないですし、手間もそれほどかからないので、インド料理店以外でも使えると思います。ただ、強烈なバスマティライスの匂いがするので、そのあたりは考えないといけません。ちなみに、冷めたのを温めなおしてもおいしいです。その点では、ビリヤニより優れています。