ミールスの実践 vol4「青バナナが届いた。食べよう」

こんなものをつくりました。青バナナが届いたのです。

ケララの料理は青バナナをけっこう使います

ふつうにスーパーで売っている黄色いバナナとはちょっと違う、甘くないバナナがあります。青バナナ、調理用バナナ、プランテン、plantain、などと呼ばれています。インド以外でも、アフリカや中南米では良く食べられるイメージです。東京の一部では売られているそうですが、基本的に日本では入手しにくいです。黄色いバナナも青い時は調理用に使えるはずなので、エチレンガスを振りかけて黄色くさせる前に売ってくれれば、喜ぶ人は多いと思うのですが、どうなのでしょうか。むしろ熟成させる時間がいらないので、青バナナで売った方が楽だと思います。

さて、楽天で青バナナを買って、それが届いたので、ミールスに仕立てました。

解説のようなもの

Nenthrakkaya kalan

青バナナのカーランです。nenthrakkayaで青バナナを指すようです。レシピはまだありません。

ココナッツとヨーグルトを使い、すこしスパイシーに仕上げます。カーランはパチャディなどよりも水分を少なくして、ねっちりとした仕上がりにすることが多いようです。手元の本には、冷蔵庫に入れないでも一週間もつ、と書かれていますが、本当なのでしょうか。

おそらく、kalanというと、青バナナやヤム芋を使ったものが多いと思います。マンゴーで作ったり、先日はキウイで作ったりもしました。ケララの風Ⅱでは、茄子で作ったりトマトで作ったりしていますね。

作り方としては、ココナッツを、とても滑らかにして作るらしいのですが、調理途中でココナッツを足したくなり、急いでペーストにして足したため、滑らかさがいま一つです。

青バナナは、敢えて言うなら里芋に似ていて、とくに味の強いものではないので、このカーランは、とくに印象に残るような味にはなりません。でもおいしいです。一週間はもたなさそうな気がしました。

Avial

アヴィアルです。レシピはこちらです。

今回は、青バナナ、冬瓜、キュウリ、人参、いんげん、を使い、酸味は、ヨーグルトでなくタマリンドでつけました。なので、色が黒ずんでいます。キュウリを使ったのは初めてなのですが、緑っぽい味がして、なかなか良かったです。皮は剥いて使いました。ヨーグルトも玉ねぎも入らず、青唐辛子も減らしたので、かなり地味な味になりました。ラーメンの後に食べたら、舌になにも感じないような味です。……ん?なんか繊維っぽいものが口に入ったな。

青バナナのねっちり感がとても良いです。じゃが芋で代用することが多いですが、じゃが芋ではこの柔らかさを出すのが難しいです。柔らかくすると煮崩れてしまいます。敢えて言うなら、インカの目覚めなどを使うと、近いかもしれません。

アヴィアルには、色々な野菜が使えるみたいです。キャベツやトマト、青菜は使わないと思いますが、ズッキーニ、大根、南瓜、茄子、オクラ、なんかを使えるはずです。でんぷん質のものか、瓜っぽいものが良いのでしょうか。あとは、食べたことはありませんが、ドラムスティックは人気があるようです。

Kootukari

クートゥカリです。レシピがあります。ただ、このレシピがいま一つなので、今度作り直します。

ゆるめのポテトサラダくらいの、ぽてっとしたかんじに仕上げました。焦がしココナッツは、乾煎りしたものを最後に混ぜ込んで香りを強くし、更にすこしキビ糖(ジャグリー)を入れて、甘みを加えました。もくもくしていておいしいです。

じゃが芋でなく青バナナを使うことで、一体感が生まれました。じゃが芋は角が立つんですね。これははっきりと、青バナナの方が合うと思いました。

Cabbage thoran

キャベツのトーレンです。似ているレシピはこちらです。

トーレン、というとケララのもので、ポリヤルと似ています。短めの千切りのように切って、ウラドダル、ヒング、コリアンダーパウダー、青唐辛子は入れず、より優しい味にしました。

既に紹介しているレシピは、お店で出していたもののため、やはりすこしだけ日本人の口に合うような作り方にしておりまして(日本仕様ということではありません)、今回の作り方だと、もっと地味で、「え?これで終わり?」というような味です。大好きです。ただ、きもち塩を強めにしています。他のものがぼんやりした塩分のため、ひとつくらい味のするものにしようと考えました。

Inji thair

生姜とヨーグルトのチャトニです。レシピがあります。

このぼんやり味ミールスには、こういうものが必要です。生姜のみじん切りとヨーグルトを混ぜて、ちょっと塩を入れたものです。おいしいです。

Varutharacha sambar

焦がしココナッツ入りのサンバルです。基本のレシピはこちらです。冬瓜、茄子、オクラ、人参、を入れました。ケララっぽいミールスというと、色々と野菜が入るイメージです。

先ほども書きましたが、他がぼんやりしているので、サンバルは塩をすこし強めにして、これだけでご飯が食べられるようにしました。

Rasam

ラッサムです。基本のレシピはこちらです。変なラッサムのレシピを読みたい方はこちらです。

前回のラッサムより、さらにトゥールダルを減らして、きりっと塩を強くしました。ケララの風を意識しています。

 

盛りつけました。右下の物は、マンゴーピックルです。RAJのものです。

効率よく作るために

・圧力鍋は、クートゥカリの皮付きひよこ豆と、サンバルのトゥールダルにつかいます。はじめに皮付きひよこ豆を煮て、それを煮汁に浸しておいて置き、すぐにトゥールダルを煮ます。

・今回は、ココナッツペーストを何度も作るので、ミキサーがボトルネックになりそうです。豆を煮ている間に、すぐにカーランとアヴィアル用のペーストを作ってしまっても良いと思います。挽き方が違うので一緒にはできません。

・アヴィアルは、使う具材が多く、ひとつひとつ下茹でしていると、とても時間がかかります。出来れば、ひと鍋で、順に投入していって仕上げましょう。青バナナ、冬瓜、人参、インゲン、キュウリ、が入っています。時間がかかる順に並べると、人参、青バナナ、インゲン、冬瓜、キュウリ、です。冬瓜は本来柔らかくするのに時間がかかりますが、アヴィアルにするときは硬めの方がおいしいと思います。青バナナも人参も、すこしくらい煮過ぎても大丈夫なので、インゲンを入れるまでは、多少放っておいても失敗はしません。

・味の落ちやすいものは、最後に仕上げると良いと思います。大体、このような順番で仕上がれば良いと思います。目安ですので、厳密なのものではありません。

先に作って良いもの

・トーレン

・カーラン

・クートゥカリ

出来立てが良いもの

・アヴィアル

・ラッサム

・サンバル

・生姜とヨーグルトのチャトニ

 

作った感想

・喉が詰まります。メニュー構成はちゃんと考えましょう。カーランでなく、パチャディにすると良いかもしれません。青バナナを使いたい、という下心のせいですね。

・青バナナはおいしいです。普通のバナナより二回りくらい大きいのが10本で2500円くらいでした。今回、一本を使いました。これを高いとみるか安いとみるかは微妙です。東京ではもっと安く手に入るのでしょうか。

個人的には青バナナの食感が好きなので、手に入りやすいなら使いたいです。お店で出すなら、今回のようにすべてを青バナナにするのでなく、見た目としてもわかりやすいアヴィアルだけにつかうと良いかもしれません。「青バナナを使っています」と書かれていると喜ぶ人は、一定数いると思います。青バナナのカーランは、とくにsadyaの定番のようなので、onamのときの特別メニューに出したいですね。原価のことは後で考えましょう。

・こうしてココナッツのものを揃えてみると、焦がしココナッツのクートゥカリには、甘みを加えたくなります。南インド屋の店舗では、あまりココナッツだらけにはしなかったので、甘みを加えなくても十分個性が出たのですね。やはり、提供する場によって、求められる味は細かく変わってくると思います。皆さま、食べる人の顔を見て加減してください。いきなり彼氏にこんなもの出してはいけません。南インド屋は彼ご飯ではありません。

・アヴィアルやトーレンも今回は地味な味でした。こちらのコラムに詳しく書いたのですが、「外食の特別感は保ちつつ、週5で食べられる日常食としてのバランスをとる」というのが南インド屋の店舗でのテーマだったので、いまこのように、思いっきり地味な味を作れて楽しいです。


同シリーズの記事はこちらです

vol.1「チェンナイにある、すこし現代的できれいな店で出てくるミールスをイメージしたもの」

vol.2「ケララの定番っぽいもの」

vol.3「豆をたくさん食べたい」

 

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