ハリームを作ったのでざっくりレシピにします。
ハリームと言うのは、肉・豆・小麦・大麦、スパイス、をドロドロになるまで煮込んだ、蕎麦がきのような見た目のものです。ムスリム料理です。詳しくはwikipediaをどうぞ。
インド料理には簡単に作れるものが多いのですが、パヤ、ニハリ、そして今回のハリーム、などのガチガチの肉料理となると話が別です。3つとも、いかにもムスリムのおやじたちが好きそうなものです。煮込みに煮込んでover nightなこともあります。スパイスもいろいろなものを使いますし、圧力鍋が二つあると作りやすいですし、そもそも牛肉の塊を買ってくるのってハードルが高いですよね。つまり面倒な料理ということで、これを作ろうというもの好きは細かい分量なんて気にしないと思うので、ざっくりとレシピにします。以前エッセイも書きましたのでどうぞ。料理教室もやっています。
今回紹介する製法では、ハリームはこのようにして出来上がります。
繊維状になった肉 + ドロドロになった豆類 + スパイス +玉ねぎニンニク生姜 + 塩 = ハリーム
全ての材料が調理され、すべて混ぜ合わさってドロドロになっていれば、それはハリームです。なので、「玉ねぎニンニク生姜」を、肉と一緒に調理しても良いし、豆類と一緒に調理しても良いし、別鍋で炒めて混ぜ合わせたって良いのです。スパイスにも同じことが言えます。もちろん、すべてをひとつの大鍋で調理してもよいです。そういう意味では、適当に作っても大丈夫な料理です。
まずは牛肉の塊を買ってきます。今回は多分モモだと思いますが自信はありません。マトンでもオッケーです。1kg買ってきてください。
それから前の日の晩に、豆と麦を水に浸けておきます。分量は適当で大丈夫です。水に浸けるとかなりふくらむので、大きめの容器に、たっぷり水を入れてください。
チャナダル1/2cup
ムングダル1/4cup
マスールダル1/2cup
ウラドダル1/4cup
精白していない大麦1/2cup
米を入れたり他のダルを入れても良いです
調理開始です。
肉を5㎝角くらいに切っておきます。この時に、大きく切りすぎると煮崩れなくて苦労するので、私のように格好つけて大きく切ってはいけません。ただ、3cm以下にすると、繊維感が薄れすぎるかもしれません。脂や筋は取り除かなくて大丈夫です。骨があったら一緒に煮込みましょう。
ニンニクと生姜を潰しておきます。ミキサーでもオッケーです。ニンニクは6かけ、生姜はそれと同量くらいです。この日は同時にベジビリヤニも作ったので、倍量くらいを準備しています。
圧力鍋にサラダ油大さじ3くらいを熱して、ニンニク生姜を炒めます。香りが出てきたら刻んだ青唐辛子2本分も加えます。そこに肉を入れて、ざっと混ぜます。
水を入れ、作っておいたフライドオニオンを入れます。あ、今回は魔法のフライドオニオンをつかったので楽でした。最初に玉ねぎ1個を薄切りにして炒めても良いです。
蓋をして強火にかけて、圧力がかかったら弱火にします。40分も煮込めばよいはずです。
こういう風になります。
これを、木べらなどをつかってほぐしていきます。二本で、こすり合わせるようにすると良いと思います。
根気よくほぐしていって、繊維一本一本がバラバラになるのが目標です。肉は水を吸いますので、最終的にこうなります。
……え?気持ち悪い?
奇遇ですね。僕も丁度そう思っていたところです。
さて、ここまでやったら肉は放置しておいて、次は水に浸けておいた豆と麦を煮てドロドロにしましょう。圧力鍋が複数個ある方は同時進行が良いですね。
三倍量くらいの水を入れ、火にかけます。一度灰汁をとったら、サラダ油をひとたらしいれて、蓋をします。圧力がかかったら弱火にして、40分くらい煮込むと良いと思います。するとこうなります。
灰色のドロドロのものが出来上がります。今回は、一度目でうまく煮崩れなかったので、ミキサーに流しいれ、ブンブン回して煮崩したことにしました。バイタミックスは耐熱なのでおすすめです。
次に、全粒粉、インドでいうアタ―を3/4cup、鍋に入れ、水600mlで溶きます。
これを火にかけて、火を通します。15分ほど根気よくかき混ぜて、しっかり火を通します。ここで怠け心が出ると、粉っぽい出来になってしまいます。水が足りなくなったら、適宜足していきます。
火が通ったら、それを豆と麦のドロドロに、どばっと入れます。
このドロドロのところに、スパイスと塩を加えます。
●ターメリック小さじ1/2
●チリパウダー小さじ1
●コリアンダーパウダー小さじ1
さらに、適当に作ったマサラも加えます。
●クミンシード大さじ1
●コリアンダーシード大さじ1
●ブラックペッパー 大さじ1/2
●フェネグリーク 小さじ1
●シナモン 3cm
●ブラウンカルダモン 2個
●カルダモン 小さじ1
●クローブ小さじ1
●カロンジ 小さじ1
●フェンネルシード 小さじ1/2
こんなかんじのスパイスを入れましたが、適当で大丈夫です。あるものを入れてください。それと、塩も適当に入れておいてください。ハリームそのままでも食べられるよう、あまり塩は強くし過ぎない方が良いと思います。
スパイスと塩を入れたら、5分ほど煮込みながら良くかき混ぜて、なじませます。
色が黒っぽくなっていますね。
さて、これで役者が揃いました。これと先ほどの肉のようなものを合わせれば、ハリームになります。
馴染むように、ここからさらに10分ほど煮込みます。肉がバラバラになるよう、良くかき混ぜながら煮込みます。
溶かしたギーかバターをかけて、生姜の千切り、コリアンダーリーフ、青唐辛子の輪切りで飾ります。レモンを絞るのを忘れずに。
あ、この写真では、青唐辛子が入っていませんね。すみません。
なんだか良くわからないけど、ねっちょりして肉っぽいものが出来上がれば、それで大体成功です。そう、それがハリームです。それほどスパイシーではないはずです。
ナン、ロティあたりと食べることが多いのだと思います。ご飯にかけることもあった気がします。そのまま食べてもおいしいです。ねっちょりしているので、インディアンリエットとして、うす切りのバゲットにのせて食べても良いと思います。
おさらいですが、
繊維状になった肉 + ドロドロになった豆類 + スパイス +玉ねぎニンニク生姜 + 塩 = ハリーム
ということなので、お手持ちの道具と相談して、最適な方法をお探しください。おすすめの方法としては、まず、大鍋と大きな棒を二本用意して、鍋にすべての材料をぶちこみます。薪で火を焚いておきます。体の丈夫な男を四人雇って、二交代制で12時間ほどかき混ぜながら煮込むと良いと思います。
つかった材料をまとめておきます。
●牛肉——1kg
●チャナダル——1/2cup
●ムングダル——1/4cup
●マスールダル——1/2cup
●ウラドダル——1/4cup
●精白していない大麦——1/2cup
●玉ねぎ——1個
●ニンニク——6かけ
●生姜——ニンニクと同量
●青唐辛子——2本
●クミンシード——大さじ1
●コリアンダーシード——大さじ1
●ブラックペッパー——大さじ1/2
●フェネグリーク——小さじ1
●シナモン——3cm
●ブラウンカルダモン——2個
●カルダモン——小さじ1
●クローブ——小さじ1
●カロンジ——小さじ1
●フェンネルシード——小さじ1/2
●塩——いわゆるsalt to taste
なにかわからないことがあればご相談ください。僕もよくわかっていませんので一緒に考えましょう。
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