Bagara baingan
ハイデラバードの名物料理です。bainganがナスを指します。bagaraが、tenperedとか、tadkaとかと同じような意味らしく、スパイシーとか香しいとか、そんなかんじですね。また、bagaraを、baghara、bagareyと書くこともあるようなのですが、詳しくないのでわかりません。英語で表記しようとすると、spicy eggplant curryとか、savoury eggplant curryとか、rich eggplant curryでしょうか。きっと英語圏の方にも、bagara bainganのほうが通じるような気がします。
ビリヤニと食べるのが定番のようです。ビリヤニにバガラベインガンがついてくるなんて、贅沢ですね。
それでは、まずは動画でイメージを掴んでください。
材料と手順
(4人分)
●ナス——5本
(表面に5本くらい、縦に薄く切れ目を入れ、三つに切り分ける)
●サラダ油——1/2cup
●ペースト用
〇玉ねぎ——1/3個(薄切り)
〇ニンニク——3かけ(みじん切り)
〇生姜——ニンニクと同量(みじん切り)
〇ピーナッツ——大さじ4
〇ポピーシード——大さじ1
〇白ごま——大さじ3
〇ココナッツシュレッド——大さじ2
〇クミンシード——小さじ1/2
〇フェネグリーク——小さじ1/6
〇シナモン——砕いたもの小さじ1/4
〇水——1cup
●ターメリック——小さじ1/6
●チリパウダー——小さじ1
●コリアンダーパウダー小さじ1/2
●塩——小さじ2
●タマリンドペースト——大さじ2.5
●水——1.5cup

縦にうすく切れ目を入れてから

3つに切り分ける
①鍋にサラダ油を熱して、切ったナスを入れる。途中で水を少し入れて(分量外)蒸し焼きにすると火が早く通る。崩れないように気を付けながら、時々ひっくり返して、全体がしんなりするまで火を通す。火が通ったら、ナスをいったんボールか何かに移しておく。鍋の中に油がたくさん残っているようだったら、小さじ2程度を残して、あとは捨てる。
②同じ鍋で、玉ねぎ、ニンニク生姜をしんなりするまで炒める。ミキサーに、炒めた玉ねぎニンニク生姜と、残りのペースト用の材料をすべて入れて、少し粗さが残る程度のペーストにする。滑らかになる、一歩手前くらいにする。
③同じ鍋に、出来上がったペーストを戻し、塩、ターメリック、チリパウダー、コリアンダパウダー、タマリンドペースト、水、を入れ火にかける。パウダースパイスがなじむまで良くかき混ぜながら3分ほど煮たたせてから、焼いたナスを入れる。ナスが崩れないように注意しながら、弱火で5分ほど煮込む。味見して、足りなければ塩とタマリンドペーストを足す。

ナスを焼いた鍋で、そのまましんなりするまで炒める

かなり粘度の高いペーストになります
バガラベインガンのポイント
・油を吸った柔らかいナスと、濃厚なペーストが合わさり、それをタマリンドと辛味で引き締める味です。塩味も、ある程度きっちりつけないと味がぼやけてしまいます。
・粘度は様々ですが、このレシピでは、とろっとナスにまとわりつくくらいの粘度にします。
・色は、赤みがかった黄土色、というかんじです。材料の配合で色は変わってきます。
こんな作り方もあります
・本来は、丸っこくて小さいナスを使うのですが、日本では手に入らないので、普通のナスを切って使います。漬物に使うような小茄子で作ってみたこともあるのですが、今一つでした。一応、そのナスに近づけるように、普通のナスを三等分の幅に切って使っています。
・つかうスパイスに関しては、本当にいろいろです。マスタード、フェネグリーク、カロンジ、キャラウェイ、カルダモン、クローブ、フェンネル、なんでもありですね。ターメリック、チリパウダー、コリアンダーパウダーだけで作ることもできます。お好みでどうぞ。このレシピでは、ちょっぴりシナモンを入れることで、華やかな味にしています。
このレシピでは、グレイビーはある程度ゆるくなります。もっと、ねっちりとしたグレイビーにしたいときは、煮込む段階で入れる水を加減してください。水を1cupにしたら、塩は小さじ1.5タマリンドペーストは大さじ2くらいにして、味を調整してください。
・このレシピでは、ナッツ類を乾煎りしていません。なぜかというと、ゴマを乾煎りして使うと、中華味になるからです。それと、生のピーナッツをペーストにした、ちょっと緑っぽい味が好きだから、ということでもあります。
・このレシピでは、ピーナッツ、ポピーシード、ゴマ、ココナッツの4つを入れていますが、必ずしもすべてが入るわけではありません。ピーナッツは必ず入れたほうが良いような気もしますが、ピーナッツ抜きのものも存在すると思います。それぞれの組み合わせ手で味が変わりますので、試してみてください。ポピーシードを入れないほうが、もしかしたら一般的かもしれません。
・トマトを入れるレシピもあります。邪道なんじゃないかなあ、とは思いますが、きっとおいしいと思います。
・このレシピでは、玉ねぎはペーストにしていますが、ペーストにせず、みじん切りにしたのを炒めて使ったり、ペーストに入れて、さらにみじん切りの玉ねぎを炒めて入れることもあります。
・ペーストの滑らかさに関しては、いろいろです。ある程度滑らかなほうが、リッチな味が強調されてこの料理らしいとは思うのですが、もっと粗さを残したペーストにして、安食堂風にするのも手です。赤い油を浮かせたい方は、ペーストを粗めにしないと、ペーストに油がしみこまれて浮いてこないので、気をつけてください。また、赤くするためにカシミールチリを使う人もいるみたいです
・辛味に関しては、このレシピはある程度の辛さがありますが、もっとチリパウダーを減らして、辛味を抑えてもよいです。逆に、チリパウダーを小さじ2くらいまで増やしてもっと辛くしても、おいしいです。また、酸味に関しては、リッチなテイストを壊さない程度に増やしてもよいと思います。
・日本ではインドのナスが手に入らないから「bagara baingan」は作れない!という店もあるそうです。そうですよね、文字通りの拘りですよね。日本のナスでも十分においしいので、安心してください。
どうやって食べるか
・ビリヤニや、bagara khana、pulaoのような、味付きのご飯と食べるのが、いちばん人気のある食べ方のようです。普通の、白いご飯でも十分おいしいです。ロティやパラタなどの、小麦粉系にも合うと思います。
・いわゆるミールスの一品として出すには、味が濃厚すぎます。ただ、とてもおいしくて人気のあるカレーなので、南インド屋では、日替わりのカレーとしてたまに出していました。あんまりほかのものとは混ぜないで食べてね、というメッセージでした。本来のミールスの楽しみとは離れてしまうのですが、外食の楽しさが詰まったカレーなので、経営判断としてミールスに出すのはOKだと思います。いわゆるスパイスカレーにも、合うと思います。原価は高いのでお気をつけて。
バガラベインガンはハイデラバード名物です。
ということで、ハイデラバード出身の知り合いのインド人が喜びそうなレシピなどを紹介します。
ハイデラバード名物であるビリヤニのレシピです。おそらく東京の各店で食べられるものより、あっさりしています。あんなにスパイシーなものは、ハイデラバードでは、そんなにないんじゃないかなあ、と思います。
上記のビリヤニは、カッチビリヤニ、という種類のビリヤニです。その、カッチビリヤニをおいしく作るにはどうしたらよいか、ということを、長々と語っています。
辛くて酸っぱくてしょっぱくてオイリーな、野菜のカレーです。ハイデラバード出身のインド人が、これがハイデラバード風だ、と言っていたので、ハイデラバード風なのだと思います。
オクラのマサラは、インド全域で喜ばれそうなイメージです。これに、もっと大量のタマリンドやレモン汁を入れれば、
khatti bhindiという、すっぱいオクラになるので、そうなるとアーンドラっぽくなってきます。