chepa vepudu
魚にスパイスをつけて焼いたものです。chepa vepuduはアーンドラ州の言語であるtelugu語です。英語ならspicy fish fryくらいの表現になると思います。meen varuthathuやmeen varuvalも似たような料理で、どちらかと言うと、chepa vepuduの方が使うスパイスの種類が多いとは思いますが、厳密な区別は難しそうです。要は魚にスパイスをつけて焼いたものなので、インド全土で食べられていそうな気もします。鰆seer fishやヒラマサking fish、ティラピアtilapiaなどが使われるようですが、詳細は不明です。どなたかインドの魚事情に詳しい方、教えてください。
動画を作りましたのでご覧ください。
材料と手順
(3切れ分)
●鮭——3切れ
●ミックススパイス用
○グリーンカルダモン——小さじ1/2
○クローブ——小さじ1/2
○砕いたシナモン——小さじ1/2
○クミンシード——小さじ1/2
○ブラックペッパー小さじ1/2
○フェンネルシード——小さじ1/4
●ターメリック——小さじ1/2
●チリパウダー——小さじ1/2
●パプリカパウダー——小さじ1
●塩——小さじ1
●レモン汁——大さじ4
①スパイスを軽く乾煎りし、冷めたらミキサーなどで粉末にする。ボールに、鮭以外の材料をすべて入れ、良くかき混ぜてペースト状にする。ぽろぽろになるようだったら、水を少し足す。鮭を入れて、崩さないように気をつけながら、鮭全体に満遍なくすり込んで、20分ほど置いておく。
②フライパンにサラダ油大さじ2程度を熱して、ペーストが落ちないように、皮の面を下にして、静かに鮭を並べる。片面が焼けたら、慎重に裏返して、両面を焼く。焼きあがったら、レモンや刻んだパクチーをかけても良い。

温める程度でOK

皮の面にも、しっかり塗りつける

皮の面を下にする

見た目重視
鮭のスパイス焼きのポイント
・基本的には、鮭にスパイスをつけて焼いた味です。レモンをすこし強めにしてあります。日本の焼き魚ほどには塩を強くしません。
・魚はどうしても臭みがあるので、きっちりスパイシーにします。
・色は、すこし赤っぽいほうがおいしそうに見えるので、パプリカパウダーをつかいます。カシミールチリでも良いです。
・鮭は、ある程度脂が乗っているほうがおいしいです。ここでは、銀鮭をつかいました。紅鮭は、いまひとつです。
・焦ってひっくり返すと身が崩れるので、ある程度しっかり火を通して、固まってからひっくり返してください。
・魚は、筒切りのほうが、インドらしさが出ます。
こういう作り方もあります
・スパイスの種類ですが、もっと華やかにしたい場合は、色々とお好みで足してください。クローブとシナモンを増やすのもおいしいです。また、この部分をガラムマサラで代用しても大丈夫です。ターメリックとチリパウダーだけでも作れます。
・ステンレス鍋を使っているので、油は大さじ2となっていますが、テフロン加工の鍋やセラミック鍋を使う場合は、小さじ2か大さじ1くらいでも焼けます。
・一緒にカレーリーフを焼いても良いです。初めにテンパリングして、そこに鮭を並べます。
・パプリカパウダーがない場合は、チリパウダーを小さじ1にしてください。辛くなりますが、色味は大切です。
・ニンニクと生姜をおろしたものを加えても良いです。入れるほうが一般的かもしれません。
・使う魚は、なんでも良いと思います。塩鮭を使う場合は、塩の量を、小さじ1/2にしてください。塩を全く入れないで作ると味が決まらないのでご注意ください。
・焼く時間は、つかう魚の種類と厚さによるとしか言えません。生鮭であれば、ある程度は焼きすぎても固くなりませんが、塩鮭を使う場合は、火を通しすぎるとばさばさになっておいしくありません。最後に余熱で火を通すくらいの気持ちで焼いてください。ここでは厚めの生鮭だったので、両面3分ずつくらいでした。薄めの塩鮭の場合、片面2分、もう片面を30秒くらいでよいと思います。
どうやって食べるか・どのように提供するか
・ただの焼き魚に飽きた方、ムニエルという料理に今一つ納得できない方におすすめです。材料も手に入りやすいものばかりなので、ぜひ作ってみてください。和食にはさすがに合いませんが、無国籍な食卓に置く分には、何の問題もありません。たぶん、東南アジアでも喜ばれる味です。
・ミールスにつけて、焼き魚ミールスにすると、豊かな気分になります。インドの食堂っぽいですね。
・レストランで出すには素朴なメニューですので、ダバインディアで出すにはちょっと抵抗がありますが、酒を飲ませる系のインド料理店なら、主力としてもいけると思います。玉ねぎのスライスや、パクチー、レモンなどで飾りましょう。個人的には、フィッシュカレーや、バナナの葉の包み焼よりも、こちらのほうが魚をおいしく食べられると思います。
・2017年6月現在、魚の値段が上がっていますので、原価には気をつけてください。ただ、ある程度良い魚を使わないと、どうしたっておいしくない、素材勝負の料理でもあるのが悩ましいです。普段のミールスに、追加料金で魚をつける、というのがインド式で定番みたいなので、それを真似しても良いと思います。一度マリネしてしまうと、その日のうちに使い切ったほうが良いです。もし酒を出す店であれば、スパイスミックスさえ作っておけば、凍ったままマリネして、20分後に焼いて出すことはできます。そうするとロスが出にくいかもしれません。
ミールスを豪華にするものとして、二つ紹介します。
インドの平焼きのオムレツです。ベジミールスで物足りないときに、これをつけると、非常に満足度が上がります。ベジタリアンだけど卵は食べてもOK系のインド人にも、とても喜ばれます。
インド版、玉ねぎのかき揚げのようなものです。フリッターのほうが近いかもしれません。
粉を使って油で揚げているので、ベジミールスに追加すると、こちらも満足感があります。インド人はパコラ好き、というイメージがあります。