本場のビリヤニを作ってみましょう。
それではまず、火をおこします。火を使える庭はありますよね?そして、赤くおこした炭を蓋の上に載せて、両火で炊くのです。もしくは、ガスオーブンと、オーブンにそのまま突っ込める蓋つきの大鍋が必要です。
無い方は、一緒に南インド屋のレシピで作りましょう。
素敵な環境をお持ちの方以外は、このタイプのビリヤニを突き詰めていくと、必ずどこかで設備の限界が来ます。ああ、コンロが大口なら、大鍋があれば、炭火なら、ダッチオーブンなら……と、きりがありません。
あきらめて、一緒に南インド屋のレシピで作りましょう。
業務用の設備のない、日本の一般家庭で再現するなら、これがおそらくベストです。
このレシピは6人分以上を作るときのレシピです。4人分までなら、こちらのレシピをご参照ください。
それでは、まずは見た目と文章でイメージを膨らませていきましょう。
ラムビリヤニってどんな味?
見た目としては、米の一粒一粒が、のびのびしていれば、成功です。水っぽくなったり、べちゃっとしたり、硬かったりしてはいけません。米の食感は、日本米とは違い、ふわ、ぱらっとしています。
米、グレイビー、サフランの、三色が斑になっています。
バスマティライスと、華やかなスパイスが香ります。他の南インド屋の料理とは、一線を画します。
肉にはしっかりと塩味がついており、米には薄く塩味がつきます。
材料と手順
肉をマリネする→米を茹でる→肉と米を一緒に炊く、という手順です。
最後の工程は、ふた鍋に分けて炊きます。
(6人分)
1.フライドオニオンを作る。気合を入れた薄切りにする。もしくはスライサーを使う。180℃程度の油で、薄く色づくまで揚げる。余熱と酸化で色づくので、丁度よいきつね色まで揚げてしまうと、黒こげになる。
●玉ねぎ——1/4個
2.スパイスミックスを作る。下記のスパイスをすべてミキサーに入れ、粉砕する。
●グリーンカルダモン——小さじ1●ブラウンカルダモン——1粒●クローブ——小さじ1●ブラックペッパー——小さじ1●クミン——小さじ1/2●シナモン——3cm(厚いカシアの場合、ほんのひとかけで十分です)●スターアニス——1粒●ナツメグorメース——小さじ1/2
3.マリネ用ペーストを作る。下記の材料をすべてミキサーに入れ、ペーストにする。
●1のフライドオニオン●青唐辛子——3本●ニンニク——8かけ●生姜——3cm●ヨーグルト——1cup●塩——小さじ3●レモン汁——小さじ1●ケウラウォーター——小さじ1
4.出来たペーストと、工程2で作ったスパイスミックス、下記パウダースパイス、ギーを混ぜ合わせ、そこにラム肉を投入してなじませる。常温で2時間放置、もしくは冷蔵庫で一晩おく。マリネしたラム肉を、大きくて深さのある鍋の、鍋底に敷き詰める。
●ギー——大さじ1●ターメリック——小さじ1/2●コリアンダーパウダー——小さじ1●チリパウダー——小さじ1●ラム肉—–1kg(できれば骨付き)
5.米を茹でる。まずは米をざっと洗い、40分間水につける。
鍋に3Lの湯を沸かし、下記のスパイス、塩、サラダ油、を入れる。スパイス風味の塩味のお湯が出来上がる。そのお湯を1cup取り、鍋底に広げたラム肉にかける。
米を茹で、三回に分けて取り出す。ザルで掬い取ると良い。
①2分間茹でた、ほとんど生の米1cupを肉の上に重ねる
②4分後、つまり計6分間茹でた、五分茹での米を①の上に重ね、塩、カルダモン、サラダ油を上から振りかける。掬い取る量は、鍋に残った米の半分。
③もう一つの鍋に、アルミホイルとクッキングシートを敷いておく。その上に、計8分間茹でた、8分茹での米を置き、上から、塩、カルダモン、サラダ油、サフラン、を振りかける。
●バスマティライス——6cup●塩——大さじ1●カルダモン——5粒●クローブ——5粒●シナモン——5cmを6本●ベイリーフ——3枚●サラダ油——大さじ1
(米の上に振りかける用)
●塩——小さじ2●カルダモン——6粒(塩と合わせてミキサーで粉砕する)●サラダ油——大さじ1●サフラン——ひとつまみ(大さじ1の湯に浸しておく)
6.鍋を火にかける。火加減は下記の通り。
①肉入りの鍋
→強火で5分ほど熱し、鍋全体がよく温まり水蒸気が出るようになったら、中弱火で30分間炊く。火を止めて、20分ほど蒸らす。
②サフランをかけた米の鍋
→ごく弱火で、30分間炊く。火を止めて、20分ほど蒸らす。
7.盛り付ける。二通りの盛り付け方があるので、お好みでどうぞ。
①肉入りの米を下に敷き、その上に、サフラン付きの米を重ねる。
②二つを混ぜてしまい、適当に盛りつける。
TIPS
・どうしてこんな面倒な作り方をするのか、という尤もな疑問には、別項を設けますので、お待ちください。
・ガス台の上に鉄板かフライパンを置き、その上に肉入りの鍋を置いて炊くと、火が遠くなり焦げにくいです。あればそうしてください。
・ヨーグルトサラダのライタをかけながら食べるとおいしいです。ヨーグルトに、刻んだキュウリ、トマト、玉ねぎ、を入れて、適当に塩とレモン汁で調味します。
・ラム肉は、できれば骨付きのものが良いです。香りが良くなります。