ぱぱっと豪華!?冷蔵庫にあるものだけで作れる、南インドのヘルシーミールス!
特集ページは26Pから!
お客様を家にお招きしてミールスを作りました。ティーヤルをご所望だったので、それに合わせてケララっぽいミールスにしました。冷蔵庫に青バナナが冷凍してある、というのが一般的ではないと思いますが、今回で、やはりあると便利ということがわかったので、「あ、ミールス食べたいな」と思い立つような、特殊な嗜好の方はぜひ常備してください。料理教室もやっています。
解説のようなもの
Vendakaya theeyal
オクラの焦がしココナッツカレーです。レシピがあります。
集合写真だともっと黒っぽいですが、こちらの写真の方が実際の色に近いです。
冷凍のオクラが常備してあるので、いつでも作れます。生の方がおいしいこともありますが、冷凍の方がおいしいこともあります。
このレシピでは玉ねぎ抜きで作っているのですが、やっぱり少しは玉ねぎを入れたほうがおいしい気がしてきたので、玉ねぎをほんの少し加えています。
強めに乾煎りしたココナッツ、ブラックペッパー、ホールチリ、カレーリーフ、軽く炒めた玉ねぎちょっぴり、を滑らかなペーストにします。オクラを軽く炒めたら、ペーストを入れ、ターメリック、チリパウダー、塩、タマリンドペースト、を加えてすこし煮込みます。最後にマスタードシードとホールチリをテンパリングして出来上がりです。
あまり酸味は強くつけない方が好きなのですが、ちょっと入れすぎました。いつも使っているスプーンより大きいものでタマリンドを入れたので、感覚が違ったのだと思います。
Chapakaya thoran
青バナナのトーレンです。ポリヤルと似ています。キャベツのポリヤルを参考にご覧ください。
青バナナをひと箱買って、皮をむきそれぞれラップでくるみ、さらにジップロックに入れて冷凍してあります。冷凍しても、意外と味が落ちませんでした。便利です。
青バナナは8mm角くらいに切り、下茹でをします。茹ですぎると煮崩れるので気をつけてください。マスタードシードとカレーリーフをテンパリングして、ターメリックをほんのひとつまみ入れます。玉ねぎのみじん切り、青唐辛子のみじん切り、生姜のみじん切り、塩、を加えて、さっと炒めます。茹でた青バナナを入れて、さっと炒めたら、粗めに挽いたココナッツ少しを加えて出来上がりです。
じゃが芋に似ていますが、じゃが芋ほど甘くなく、独特の食感です。ほんの少し酸味もあります。じゃが芋で代替できなくもないですが、こちらのほうが、よりミールスには合うと思います。
すこしくせのある味なので、生姜をほんのすこし加えました。トーレンに生姜を入れると、ちょっと和食っぽい味になる気がします。
Kumbalanga pulissery
冬瓜のプリセリです。レシピがあります。
冬瓜は、棚にごろごろたくさん転がっています。いつでも使えます。
レシピではヨーグルトを加えてから煮こまないことになっているのですが、今回はしゃばしゃばになって酸味が出るくらいに火を入れました。レシピはあくまで、南インド屋で提供していた味で、今回の方が、本来のプリセリに近いと思います。
日本人のお客様は、インド人ほど大量の米を食べないため、あまり粘度を下げると、プレートがびしゃびしゃになってしまいます。そのため、南インド屋の店舗では、全体的に粘度は高めに作っていました。その制限がなくなれば、火を入れてしゃばっとさせ、同時に酸味も立ってくるプリセリにしたくなります。
それで、南インド屋のレシピは日本人の味覚に寄せた味か、と言われると微妙なところです。完全に現地の味か、と言われると、そんなことはないと思います。日本人の味覚に寄せている、と言うよりは、日本人の食べ方に寄せている、の方が近いような気がします。日本で食べておいしい味と、インドで食べておいしい味も違いそうな気もしますしね。
Coconut chutney
ココナッツのチャトニです。レシピがあります。
レシピをより簡略化したものです。ココナッツ、青唐辛子、生姜、塩、をミキサーにかけて出来上がりです。テンパリングもしません。
ココナッツシュレッドは常備してあります。家にあるものだけでもてなそう、というときには、このような、常備してあるもので見た目の品数を簡単に増やせるチャトニは、とても役に立ちます。見た目が華やかになります。味としても華やかになりますし、とてもお勧めです。
Inji thayir
生姜とヨーグルトのチャトニです。レシピがあります。今日は調子が良いですね。
ヨーグルトと生姜なら、冷蔵庫に眠っていそうではありませんか?生姜を刻んでヨーグルトで敢えて、塩味をつけるだけです。これで立派な一品です。味としても、生姜の味がきりっとして、ミールスが豊かになります。たぶんアーユルヴェーダ的にも良いと思います。よくわかりませんが。
余談ですが、先日、風邪をひきそうな人に、大量のすりおろし生姜をつかった、蜂蜜生姜ドリンクをつくってあげました。多めに作って自分でも一緒に飲んだところ、体に異変が起きました。生姜の体を温める力はすごいようで、フットサルをした後で体が温まっていたこともあり、体に熱がこもって頭がくらくらし、ちょっと立っていられないほどでした。熱い風呂にながく浸かって、湯あたりしたようなかんじでした。生姜おそるべし、です。風邪が引きそうだった人は、丁度よく体が温まり、快方に向かいました。僕の方が具合が悪くなりました。
盛りつけると、このようになりました。サンバルとラッサムもつくりました。冷蔵庫に茄子が一本あったので、茄子と冬瓜のサンバルにしました。
ケララの風を意識した盛り付けです。ダルがないのが残念です。
効率よく作るために
・品数は多めですが、意外とぱっと作れるメニューです。ティーヤルがすこし手間がかかるので、トゥールダルを煮ながら、隣でココナッツの乾煎りをして、はやめにティーヤルのペーストを作ってしまうと良いと思います。
・圧力鍋はサンバルのトゥールダルにしか使いません。
・冬瓜も青バナナもオクラも、切りやすい野菜です。そこまで小さく刻む必要もないので、調理の合間に、ぱぱっと切ってしまえばよいと思います。これまでのように、ダルを煮ながら野菜を先に全部切ってしまわなくても大丈夫です。順番としては、まずは青バナナを切って、下茹でし、それからプリセリとサンバルの冬瓜、それからオクラが良いと思います。
・チャトニは出来立てが良いので、カレーが全部仕上がってから、ふたつのチャトニをまとめてつくるのが良いと思います。どちらもあっという間に出来上がります。
・大体こんな順番で仕上げると良いと思います。
先に作って良いもの
青バナナのトーレン
オクラのティーヤル
出来立てが良いもの
冬瓜のプリセリ
サンバル
ラッサム
ココナッツチャトニ
ヨーグルトと生姜のチャトニ
作った感想
・まさか冷蔵庫の中にあるものだけで作ったとは思われないミールスになったと思います。はじめ、キャベツのトーレンにしようかと思ったのですが、青バナナの方が、味としても食感としても、相性が良かったと思います。
・最近、Sree sabareesが続いたからか、全体的に酸味が強くなってしまいました。もうすこし柔らかい味に仕上げたほうが、ケララっぽいかなとは思います。
・人参とキャベツもあったので、それらをトーレンにしたり、オクラをパチャディにしたり、冬瓜のトーレンにもできます。アヴィアルも作れそうです。こうしてみると、日持ちする材料でけっこう作れるものですね。
同シリーズの記事です。
vol.1「チェンナイにある、すこし現代的できれいな店で出てくるミールスをイメージしたもの」