カリフラワーのトーレンのレシピ

Cauliflower thoran

カリフラワーのココナッツ炒め蒸しです。基本的に南インド屋では、ポリヤルの呼称で通そうと思っていたのですが、カリフラワーのポリヤル、というと、このレシピのようにココナッツ多めのものはあまり一般的ではない気がするので、ケララ州のトーレンthoranと呼びます。厳密な区別は難しいのですが、ココナッツの入らないポリヤルはあっても、ココナッツの入らないトーレンはなかなか無いと思います。既に紹介しているキャベツのポリヤルとほぼ同じレシピです。

動画を作りましたのでご覧ください。ただ炒めて蒸しているだけの動画です。

 

材料と手順

(5人分)

●カリフラワー——300g(1.5cm角くらいに切り分ける)

●サラダ油——大さじ1

●マスタードシード——小さじ1/2

●玉ねぎ——1/8個(みじん切り)

●青唐辛子——1/2本(みじん切り)

●カレーリーフ——10枚程度

●コリアンダーパウダー——小さじ1/2

●塩——小さじ1

●ココナッツシュレッド——1/4cup

1.鍋にサラダ油を熱し、油が温まったら弱火にする。マスターシードを入れ、ぱちぱちと弾けたらウラドダルを加え、ウラドダルが軽く色づいたら、玉ねぎと青唐辛子、カレーリーフを加え、さっと炒める。ヒング、コリアンダーパウダー、塩を加えたら、またさっとかき混ぜて、カリフラワーを入れて、弱火のまま5分ほど炒める。カリフラワーに火が通りにくいようであれば、水を大さじ1程度回し入れ、蓋をして蒸し焼きにする。

2.カリフラワーが柔らかくなってきたらココナッツシュレッドを入れ、かき混ぜたら火を止める。

花の部分にも勇気をもって包丁を入れます

玉ねぎと青唐辛子で温度を下げて、塩とコリアンダーパウダーを入れる

水は入れないで済むなら入れないほうが良い

ココナッツを入れたら火を止める

カリフラワーのトーレンのポイント

・コツは、弱火で炒めることです。もどかしいとは思いますが、とにかく火を強めてはいけません。いわゆる野菜炒めでなく、静かに火を通した味を目指します。カリフラワーがぶよぶよになるほどは火を通さず、すこしサクサクとした歯ごたえが残るようにします。冷凍のカリフラワーはおすすめしません。

・カリフラワーを入れる前に塩を入れるのは、こうした方が味がなじみやすいからです。

・動画では水を入れていますが、こうすると、出来上がりが水っぽくなりやすいので気をつけてください。水を入れないでも作れるのであれば、入れないほうが良いです。出来上がって底に水がたまるようだとおいしさが減じるので、出来上がりは、しっとりしつつ、ぱらっとなるようにします。お手持ちのカリフラワーとよく相談してください。

・塩味は、あまり強くつけずに、カリフラワーの味を感じられるようにします。

・カリフラワーの切り方が大きいと、もそもそして食べにくくなります。小さめに切ります。1.5cmの角切りと書きましたが、実際はカリフラワーを真四角に切るのは難しいです。一番長い辺が1.5cmになるくらいのイメージで、ざくざく切ってください。無理に房分けするのでなく、花の部分にも包丁を入れてしまいます。房分けにすると、とても手間がかかるのと、食感が均一じゃなくなります。ただ、崩れやすいので、包丁は研いでおいたほうが良いです。

・ココナッツは、細かいココナッツファインをつかっても良いのですが、見た目と、口に入れた時のぽそぽそ感が好きではないので、細長いココナッツシュレッドを使います。

・ココナッツを入れた後に火を入れすぎると、ココナッツの風味が落ちるので、ココナッツを入れたら火を止めます。

・おいしいカリフラワーをつかわないと、おいしくなりません。当たり前なのですが大切です。

こういう作り方もあります

・ターメリックを入れてすこし黄色くする方が一般的かもしれません。小さじ1/4くらい入れても良いと思います。また、玉ねぎ、青唐辛子、マスタードシード、ウラドダル、カレーリーフ、は必須ではありませんが、全部抜いてしまうと、さすがに味気ないです。クミンや、生姜のみじん切りを少し入れても良いです。

・カリフラワーの切り方は色々です。もっと大きく切っても良いですが、個人的には、あまり好きではありません。それならいっそ、ゴビ65にしたいです。もっと細かく、砕くくらいの細かさにした方が、手で食べる分には食べやすいかもしれません。

・コリアンダーパウダーを入れるのは、ケララの風の真似でして、入れなくても良いです。

・ポリヤル、というと、もっとココナッツを減らすか、ココナッツを入れずに、チリパウダーやほかのスパイスも入れて、ちょっと色づくくらいに炒めるようなイメージです。カリフラワーを強く炒めると、ちょっと田舎くさい味になるので好きではないのですが、気になる方はお試しください。

・カリフラワーを、砕くように細かく刻んで、黄色くすると、インドっぽくなる気もします。こんな風になります。

どうやって食べるか・どのように提供するか

・ミールスの一品として食べるのが一番だと思います。歯触りがよく、味も、ほかの邪魔をしない淡いものですので、あっさりめのミールスにはぴったりです。食べられない方はいないのではないか、と思いましたが、残される方もごくわずかいらっしゃいました。白っぽくてココナッツが入っているだけで駄目、という方だと思います。それはもう、仕方がないですね。

・あっさりしてココナッツの優しい味がするミールスに好適ですが、そうでなく、もっときつい味付けのミールスに、バランスを取るためにこういう優しい味のトーレンがあるのも良いと思います。ちょっと日本人的発想かもしれませんが、良いと思います。

・カリフラワーは、キャベツに比べると、かなり原価が高いです。お店で出すにはちょっと辛いのですが、キャベツよりはやはりありがたみがあるので、お勧めです。飲食店でなく、原価を気にしなくてよい場面なら、なおさらお勧めです。


こういう炒め物っぽいものをひとつと、ダルなどの汁気のあるものをひとつ、

それからご飯、というのが、もっとも簡素なミールスです。

他にもある炒め物っぽいものを紹介します。

キャベツのポリヤル

キャベツのポリヤル

キャベツのココナッツ炒めです。トーレンと呼んでも良いと思います。

安くて簡単で美味しいのでお勧めです。日本のミールスでは定番です。

インゲンのポリヤル

ポリヤルは、大体どんな野菜でも作れます。インゲンは、色も良いしおいしいです。

冷凍野菜でもおいしく作れるので、飲食店としても有難いです。

ミックスポリヤル

ミックスポリヤルのレシピ

ポリヤルは、複数種類の野菜を混ぜて作っても良いです。

インスタ映えするのでお勧めです。とにかく細かく切るのがポイントです、

ポテトロースト

ポテトとスパイスを、強く炒めたものです。ぜひおいしいメークインを使ってください。

ポテトポリヤル、と言っても良いのですが、それよりも、ガッと炒めるイメージです。