ミールスの実践vol.7「マドゥライのSree sabareesに行きたい」

こんなものを作りました。Sree sabareesに行きたいです。

マドゥライにあるSree sabareesという店のミールスが気になります。Trip adviserで一位になっている有名店らしく、客でごった返している写真がアップされています。おいしそうなミールスです。行ってみたいです。

行きたいなら行けよ!すぐ行けよ!という声が聞こえそうです。そうですよね、呼ばれたら行こうと思っています。

今回は、行ったこともないSree sabareesのミールスを自分で再現してみようという趣向です。言うまでもなく、完全な再現は出来ないですし、よしんば近い味になったとしても、僕自身がそれを判定することはできる訳もないので、写真などを穴が開くほど見て、それらしいものを作ってみよう、という試みなのです。

もし実際に食べたことがある方で、我こそはという方はご一報ください。ぜひ食べに来てください。

それでは、作ったものの解説の前に、Sree sabareesのミールスを分析していきます。ねちねちいきます。相変わらず誰が喜ぶのかわからない記事になりそうです。

Sree sabareesのミールスの構成

大体、こんなかんじのミールスのようです。写真を引っ張ってくると文句を言われそうなので、適当な図にします。できれば、「sree sabarees 」で検索してみてください。「マドゥライ ミールス」で検索すると渡辺玲さんの記事が出てきます。

繰り返しますが、私はインドに行ったことはないですし、もちろんsree sabareesに行ったこともありません。行ったこともないくせに何を言う!というお怒りはごもっともです。まあまあ、怒らないで怒らないで。

・流れとしては、ご飯にサンバルをかけてもらってそれを混ぜ込み、おかず123とともに食べ進みます。それから、vathal kuzhambu、mor kuzhambuが運ばれて来て、味が広がっていき、どんどん食べていきます。そして最後にカードとラッサムが来て、締めのようです。配置については、時によって色々ですし、あとから追加されるものも一緒に書いているので、参考程度に考えてください。

・お米はおそらくポンニライスです。

・おかずは、3つのときと4つの時があるようです。基本は3つで、4つのときもある、という表現が正しいかもしれません。追加注文の可能性もあります。どなたか電話して訊いてみてください。

・おかず1はポリヤルのことが多いです。おかず2もポリヤルで、ポリヤルが二種類のこともあるみたいで、そういうときは、おかずは四つになることが多そうです。つかう材料は、キャベツ、人参、インゲン、平べったいインゲン、ミックス、ビーツ、ポテト、赤ピーマン、緑ピーマン、などです。堅茹でにしたチャナダルやムングダルが入っていることもあります。ポテト以外はココナッツ入りだと思います。おそらく、地味な味のポリヤルです。

・おかず2とおかず3は、クートゥと、トマト玉ねぎっぽいカレー(渡辺玲さんいうところのマサラ)が多いです。おかず1→ポリヤル、おかず2→クートゥ、おかず3→トマト玉ねぎカレー、というのが定番のようです。

・トマト玉ねぎのカレーと言うのは、赤くてねっとりしてトマトっぽいもので、chettinadっぽいクートゥと言えないこともないですし、パチャディ、という表記がされていることもありますが、何とも言えません。オクラが一番多く、茄子もあります。ここは、ミックスにはしなさそうです。味は強め、にんにくが効いているとの噂もあります。チェティナッドっぽいというかなんと言うか。地理的にもchettinadに近いみたいですね。

・クートゥは、冬瓜やBottle gourdっぽいもの、ポテト、インゲン、キーライ(青菜)、南瓜、トマト(?)、茄子、などのようです。アヴィアルっぽく見えるものもあります。クートゥでも、チャナダルをつかったもの、白っぽいミルククートゥpaal kootu(牛乳をつかったクートゥです。そんなのあるんだ!)、赤っぽいrasavanjiのようなもの、茶色っぽいpuli kootuのようなものなど、多彩です。masyalやkadayalのこともあるみたいです。

・おかず3の位置に、玉ねぎのパチャディ、ヨーグルト和えのようなものが出てくることもあるようで、これはちょっと手抜き感があるので、足りなくなったときのピンチヒッターではないかと邪推します。

・サンバルの具はいろいろと変わる模様です。おかずに使わない野菜をサンバルにしているのだと思われます。茄子、オクラ、インゲン、大根、ズッキーニ(?)、人参、瓜系、などのようです。ドラムスティックは見当たりませんでした。具は多めでごろごろ入っているイメージです。まあ、閉店間際に行ったら具無しかもしれませんが。

・サンバルは、ありがちなトマト強めの赤っぽいのではなく、黄色から茶色くらいの色です。トマトも玉ねぎも入っていますが、そこまで強くない、粘度はわりと低め、と思われますが、時によって違いそうです。酸味はどうでしょう。食べてみないとわかりません。すごく酸っぱい、ということはなさそうです。おそらく、わりにふつうっぽいサンバルではないかと想像します。

・カードチリというのは、唐辛子をヨーグルトやスパイスで漬け込んでから干して、さらにそれを揚げたものです。手間がかかりますね。日本国内の店では見たことがありません。ただ、いつもカードチリという訳ではなさそうで、何かよくわからない黒っぽい揚げ物が出てくることもあるみたいです。それすら出てこないこともありそうです。このあたりはよくわかりません。

・vathal kuzhambuというのは、干し野菜を使ったタマリンド強めのグレイビーのことで、おそらくは、turkeyberry(日本語でアメリカイヌホウズキ)か何かが使われているのだろうと思いますが、ちょっと断定はできません。mor kuzhambuは、ヨーグルトカレーのことで、茄子が入っていたとの記述がありました。どちらのkuzhambuも、具ではなくグレイビーを楽しむためのものだと思われます。サンバルメインで食べ進んで、ここでがらっと味が変わるのだと思います。日本でもそういう提供をしてみたいです。人件費がかかってしょうがない。

・ラッサムに関しては情報が少ないのでなんとも言えません。しゃばっとして、トマトが入っているらしいですし、レモンラッサムのこともあるようで、時によって違うのかもしれません。すくなくとも、トマトピューレの入った濃厚系ではなさそうです。

・色々な味がするミールスなのだと思います。メリハリ、と言えるかもしれません。全部似たような味でおいしい、というケララの風Ⅱ的なミールスでなく、ひとつひとつ食べてもしっかりおいしいような、ある意味日本人にもうけそうな味のように思えます。玉ねぎもちゃんと入っていて、食べやすそうです。やっぱり、どこかチェティナッド的なのでしょうか。ここを褒める日本人が多いところを見ると、まあ、そういうことなんですね。アジアハンター小林さんの投稿で知った、チェンナイにあるkasivinayaga messの方が、もっと素っ気ない味なのだと思います。もちろん行ったことはありません。

作ったものの解説のようなもの

Carrot poriyal

人参のポリヤルです。近いレシピはこちらです。

人参をしっかり火が通るまで下茹でし、マスタードとヒングで炒めて、ココナッツをすこしだけ入れました。インゲンも彩程度に加えてあります。塩は、わりにしっかりめにしました。

かなり小さく切ったつもりなのですが、もっと小さく切っても良かったです。また、堅茹でにしたムングダルを入れて、もっと散らかったかんじにした方が見た目としてよさそうです。それと、ココナッツです。ココナッツシュレッドを軽くミキサーにかけて使っているのですが、これだと、細かくなりすぎます。なので、包丁で刻んだほうが、インドっぽい見た目になるかもしれません。

Okra curry

オクラのカレーです。名前を付けるのが難しいです。以前紹介した、オクラのマサラに近いです。

マスタードシードをテンパリングしてから、玉ねぎとトマトをさっといため、石臼でつぶしたニンニクを加えて香りを出します。ターメリックちょっぴり、チリパウダー、パプリカパウダー、塩、を加えてさっと混ぜ、細かく切ったオクラを投入します。とにかく細かく切ります。水とタマリンドすこしを入れて蓋をして、かなりしっかしと、くたくたになるまで煮込みます。最後にふたを開けて適当に水を飛ばします。途中でちょっとトマトピューレも入れました。

タマリンドを入れるかどうかはわかりませんが、入れたほうがおいしいので入れました。はっきりとした、わかりやすいおいしさです。見た目としてはかなり実物に近いです。味も、たぶん似ています。

Poosanikai kootu

冬瓜のクートゥです。

冬瓜と硬めにゆでたチャナダルを、ココナッツペーストで和えたものです。味としてはおいしく出来ているのですが、Sree sabareesとはかなり違ったと思います。

まずは、冬瓜の切り方が大きかったです。これの半分から1/3くらいの大きさに刻んでも良かったです。また、玉ねぎとトマトも加えるべきで、スパイスも、マスタードだけでなくクミンも入れていると思います。それに、煮込み方も足りませんね。チャナダルも量が多いです。全体的に、要改善です。

Vathal kuzhambu

干し野菜vathalのkuzhambuです。タマリンドが効いています。vathalなんてないので、ドライトマトと茄子の皮を入れました。

ウラドダル、トゥールダル、生米、コリアンダー、クミン、ブラックペッパー、フェネグリーク、ホールチリを軽く乾煎りして粉末にします。ダルと米の粉末でとろみをつけるので、ちょっと多めにします。

マスタードシードとカレーリーフをテンパリングして、タマリンドペースト、水、塩、キビ糖(ジャグリー)、作っておいた粉末、パウリカパウダーを加えます。刻んだドライトマトすこしと茄子の皮を入れて、とろみがつくまで煮込みます。酸味、辛み、甘み、を強めにします。

仕入れたタマリンドの色が薄かったので、いまひとつ黒っぽくなりませんでしたが、出来ればもっと黒くした方がそれらしいです。味としては、ちゃんとおいしかったです。イメージとしては、サンバルのグレイビーを純化して尖らせたような味で、これをご飯にかけてしまうと、サンバルでは物足りなくなりそうです。

mor kuzhambu

ヨーグルトカレーです。このレシピに近いです。

具は冬瓜にしましたが、正直言って、具無しでも大丈夫です。ちょっととろみが残るような出来にします。

Sambar

茄子のサンバルにしました。レシピはこれに近いです。 塩と酸味を、レシピよりは強くしてあります。ごはんに合う感じです。

Sree sabarees のものと、かなり違います。本当は玉ねぎとトマトを入れるべきなのですが、好きじゃないので、入れませんでした。また、具材も何種類か入っている方がそれっぽいです。

 

盛りつけるとこんなかんじです。

やはりバナナの葉でないと、見た目は似ませんね。そのうち芭蕉を仕入れてみようと思います。手前の白いのはヨーグルトです。また、ラッサムは作りませんでした。

 

効率よく作るために

・圧力鍋を使うのは、サンバルのトゥールダルだけです。今回は、野菜を細かく切るのが大切なので、焦らないように、トゥールダルを煮ながら、すべての野菜を切ってしまった方が良いかもしれません

・vathal kuzhambu用の粉末を作ったり、クートゥのペーストを作ったり、オクラを長めに煮込んだりで、効率よく作っても、けっこう時間がかかります。お店を再現するのだから当たり前ですよね。時間に余裕をもって作ってください。

・今回は、味の落ちやすいものが少ないので、つくる順番はそれほど気にしなくて大丈夫です。大体このような順番で仕上げると良いと思います。mor kuzhambuが一番鮮度が落ちやすいです。

先に作って良いもの

オクラのカレー

vathal kuzhambu

人参のポリヤル

冬瓜のクートゥ

出来立てが良いもの

サンバル

mor kuzhamb

 

作った感想

・おいしいミールスです。最初サンバルで食べ進み、あとでvathal kuzhambuとmor kuzhambuを足す、という食べ方は、くせになりそうです。また、オクラのカレーも、南インド屋に比べるとちょっと濃いめの味が、外食らしくて良いです。逆に言うと、食べて安心する味、というよりは、気持ちが高揚する外食の味なのだと思います。好き好きですね。個人的には、これくらいなら、許容範囲内です。

・vathal kuzhambuは、粉末さえつくっておけば簡単ですし、オクラのカレーは、日持ちがしそうです。工夫して運用すれば、楽に作れるかもしれません。

・細かいところをもっとSree sabareesに近づけていきたいと思います。とくにクートゥはまだまだです。

・ごはんをたくさん食べるのが前提のミールスです。ご飯はおおめに準備しましょう。


 

 

同シリーズの記事もあります

vol.1「チェンナイにある、すこし現代的できれいな店で出てくるミールスをイメージしたもの」

vol.2「ケララの定番ぽいもの」

vol.3「豆をたくさん食べたい」

vol.4「青バナナが届いた。食べよう」

vol.5「夏の終わりの夏野菜ミールス」

vol.6「夏野菜の別バージョン」

Pocket

SNSでもご購読できます。

コメント

コメントを残す

*