Okra mor kuzhambu
オクラのモールコザンブです。タミルっぽい料理です。タミル語だとオクラはvendakkaiですね。パチャディとも似ていますが、こちらの方がスパイシーにつくることが多そうです。
mor もしくはmoruというとバターミルクを指すのですが、日本ではなかなか手に入らないので、無脂肪ヨーグルトを使います。レシピを漁ってみると、普通のヨーグルトを使うことも多く、あまりこだわる必要はありませんが、無脂肪ヨーグルトをつかったほうが、きりっとした味になります。
動画を作りましたのでご覧ください。
材料と手順
(5人分)
○オクラ——20本(5mmの薄切り)
○ココナッツペースト用
●クミンシード——小さじ1
●コリアンダーシード——小さじ1
●青唐辛子——2本
●ホールチリ——2本
●トゥールダル——小さじ1
●生米——小さじ1
●ココナッツシュレッド——1/2cup
○無脂肪ヨーグルト——1.5cup
○ターメリック——小さじ1/4
○塩——小さじ1
水——2cup
●テンパリング用
○マスタードシード——小さじ1/2
○ホールチリ——3本
○カレーリーフ——10枚程度
○サラダ油——小さじ2
①ココナッツペーストの材料を80℃くらいのお湯1cupに15分間くらい浸けてから、ミキサーで滑らかなペーストにする
②フライパンに多めのサラダ油(分量外)を熱して、オクラが茶色くなるまで揚げ焼きにする。
③鍋にココナッツペースト、ターメリック、塩を入れて火にかけ、ターメリックがなじむようよくかき混ぜる。沸騰したら火を弱め3分間ほど煮込む。弱火のまま無脂肪ヨーグルトを加えて良くかき混ぜる。沸騰させるとヨーグルトが分離してしまうので気をつけながら、グレイビーがさらさらして酸味が出るくらいに温める。焼き揚げにしたオクラを入れて、弱火で2分間ほど煮込む。
④テンパリングをする。別の鍋にサラダ油を熱し、マスタードシードを入れる。半分くらい弾けたらホールチリを入れ、それからカレーリーフを入れて火を止める。ざっとかき混ぜたら、コザンブの入っている鍋にじゃっとかけける。味を見て足りなければ塩を足す。
オクラのモールクランブのポイント
・するすると喉に入る程度の粘度のグレイビーに、具としてオクラが浮いている、というような料理です。なので、塩味、辛み、酸味が、どれも強すぎないほうが良いです。半端な味になったな、と思ったら成功です。
・温度によって粘度はかなり変わってきますが、温まった状態で、シャバシャバほんの一歩手前くらいの粘度です。
・スパイシーさは色々調整ができますが、このレシピではあまりスパイシーになりません。
・色は、クリーム色くらいになります。
こういう作り方もあります
・ヨーグルトと水2cupをあらかじめ合わせておいても良いです。そのほうが混ざりやすいかもしれません。
・ターメリックをもっと多くして、黄色っぽい見た目にしても良いです。
・ヨーグルトは無脂肪の方が望ましいですが、普通のヨーグルトでも作れます。ビヒダスの無脂肪を使っていますが、もし酸味が足りない場合は、レモン汁を小さじ1/2程度入れるとよいです。酸味が全くないヨーグルトだと、味が決まりません。
・オクラの切り方は色々です。また、焼き揚げにせず、少なめの油で焼いたり、オーブンで焼く人もいるみたいです。また、火の通し方も、ある程度しっかり焼くのが一般的な気もしますが、もっと緑色を残すようにしても良いです。ただ、オクラとヨーグルトの組み合わせは、しっかり焼かないとちょっと気持ち悪い気がするので、お気を付けください。
・スパイスの量や種類は、色々です。ペーストに、なにかダルを入れるのが普通だとは思いますが、入れなくても良いですし、生米は入れなくても良いです。スパイスも、手元の本では、これの2倍以上入れるものもあるので、あとはお好みで調整してください。ダルは、ここではトゥールダルを入れましたが、チャナダルでもよいですし、両方入れても良いです。お好みでどうぞ。
どうやって食べるか・どのように提供するか
・ミールスの一品としてどうぞ。ご飯にかけて食べるのですが、プーリという揚げパンにも合うと個人的には思います。
・ミールスの構成としては、簡単なミールスであれば、メインを張れると思います。これとご飯とポリヤルでも一食になりそうです。ただ、お店で出すにはちょっとそれでは物足りないので、サンバルがあって、ポリヤル的なものがあって、さらにそこに何か付け加えるときに、こういうモールコザンブが良いと思います。
・なにをどうやったって、ふつうの和食の食卓に取り入れるのは難しい食べ物です。おいしさも、日本人には受け入れにくいおいしさかもしれません。なので、インド料理店の中でも、本格志向の店で出すと喜ばれるのであって、まちがってもカフェメニューには入れられません。
・ヨーグルトが安くないので、原価は高くなりがちです。脱脂粉乳から自分でヨーグルトを作ると、安く上がります。それと、日持ちはしないので、できれば作って数時間のうちに食べてしまったほうが良いです。暑い厨房に置いておくと、簡単に腐りそうです。
kuzhambuって、どんなものだかイメージがつきにくい料理です。さらに、表記も発音もわかりにくいのですね。ローマ字読みだとコザンブ、クザンブ、となりますが(kozhambuという表記もあるのです)、実際は、コランブ、クランブ、あたりが近そうです。クリャンブでもよいかもしれません。ということで、日本語表記をそのまま言っても、現地の兄ちゃんたちに通じなさそうな料理を紹介します。
たぶん、サンバールですね。サ・ン・バ・ルと言っても通じなさそうです。
茄子、オクラ、冬瓜、の入ったレシピです。玉ねぎニンニクトマト抜きのレシピです。
サンバールのほうれん草バージョンです。「スビナッチサンバル!」と言っても、通じなさそうです。
こちらのサンバールには、差別化の意味合いもあって、玉ねぎニンニクが入っています。入れなくてもおいしいですけどね。
これはもう、昔ながらの和製英語の問題なのですが、「オ・ム・レ・ツ」と言っても十中八九通じないですね。
ちゃんと、omeletteもしくはomeletと発音しましょう。
ほかにもありそうなのですが、ぱっと思いつきません。不勉強です、すみません。