ミールスの実践vol.5「夏の終わりの夏野菜ミールス」

こんなものを作りました。札幌はもう、朝晩は肌寒いです。

夏野菜があるうちに

お盆を過ぎると風が冷たくなります。ふっと先を見ると、10月末には降ることもある雪が、ちらちらとしています。見るまい見るまい、と夏野菜を買ってミールスにします。札幌は季節がずれているのか、平べったいさやいんげんも、夏の食べ物と僕は認識しています。それに、茄子とゴーヤをつかいます。今回は、アーンドラの料理にします。南インド屋と名乗るからには、いろいろ作れるふりをしなければいけません。料理教室もやっています。

解説のようなもの、

Karakaya pulusu

ゴーヤのカレーです。プリクランブpuli kuzhambuに近いと思います。レシピはまだありません。

マスタードシードとヒングをテンパリングして、玉ねぎのみじん切りとゴーヤを炒めます。塩、ターメリック、チリパウダー、コリアンダーパウダーを加えて、タマリンドで煮込みます。クミンパウダーとジャグリー(キビ糖)を入れてさらに煮込めば出来上がりです。にが甘酸っぱい味です。かなり変な味ですがおいしいです。暑いところの食べ物、というかんじがします。

Chikkudukai kura

インゲンの炒め物です。kuraで、水分少な目のカレーを指すのだと思います。違ったらごめんなさい。レシピはまだありません。

そして、インゲンが夏野菜かというと微妙なところですが、札幌では平べったいインゲンは夏に出回るので、私の認識としては夏野菜です。それと、インゲンの名前って、難しい気がします。平べったくて莢ごとだべられるインゲンを、日本語でなんというかですが、モロッコインゲンとか、平さやインゲンとか、この辺のスーパーでは「ささぎ」と書いて売られていました。方言でしょうか。英語では、たぶんflat beansになります。tamilでavarakkai、telguでchikkudukai、malayalamでavaraだと思います。インゲンは色々な種類があって名前が曖昧です。

以前紹介した、ポテト・ポディ・カリに見た目が似ています。大体同じです。チャナダル、クミン、ホールチリ、ニンニクをテンパリングして、細かくしたココナッツシュレッドを加えてざっと混ぜ、ミキサーにかけます。それを、炒めたインゲンに加えると、こういう見た目になります。必ずココナッツが入るわけではないみたです。

ココナッツやチャナダルで、濃いめの味になります。塩も、ある程度しっかり付けたほうがおいしいです。

Venkaya vepudu

茄子の炒めものです。茄子のペプドゥという名前でレシピにしています。

レシピ通りに作りましたが、間違って塩を入れすぎてしょっぱくなりました。以後気をつけます。

油を吸った茄子を、辛くてちょっとしょっぱめに仕上げるので、ごはんに合う感じです。

Majiga charu

ヨーグルトにスパイスなどをテンパリングして、うっすらと塩味をつけたものです。レシピはまだありません。

モールラッサムmor rasamに似ていますが、どちらかというと、ふつうのモールに味がついたものに近いと思います。料理、というほどのものではありません。Majiga pulusuにすると、具が入るイメージですが、ちょっと自信はありません。

無脂肪ヨーグルトを水で溶いてうっすらと塩味をつけておきます。マスタードシードと生姜のみじん切り、青唐辛子のみじん切り、そしてターメリックをテンパリングして、じゃっとかけます。よく混ぜてできあがりです。

これがなんともおいしいのです。モールラッサムより火が通っていなくて、粘度も高めで、ごはんにかけて食べるのに適しています。これとご飯だけで良いのでは、という気にもなります。これも暑いところの食べ物ですね。ぜひコリアンダーリーフを使いたいです。

Khatti dal

酸っぱいダル、カッティダルです。レシピがあります。

レシピではトマトを入れているのですが、それすらも抜いています。トゥールダルをつかいました。最後にホールチリをテンパリングしました。これでも十分おいしいです。他のカレーが強めの味なので、塩と酸味はある程度強くします。とくに酸味を強くしました。さわやかな味です。

盛り付けた写真です。

 

効率よく作るために

・圧力鍋はトゥールダルにしか使わないので楽です。今回はココナッツペーストもなく、下茹でするものも無いので、工程が少ないです。トゥールダルを煮ながら他の野菜を切ってセッティングして、あとはひとつずつ仕上げていけば良いと思います。敢えて言うなら、インゲンの炒めものの、マサラ部分が少し面倒です。

・ゴーヤはくたくたに火が通っても大丈夫なので、先に作ってしまって良いと思います。カッティダルも味が落ちにくいです。majiga charuは火を通さないものなので、作ってすぐ食べたほうが良いです。大体下記の順番で仕上げると良いと思います。

先に作って良いもの

カッティダル

ゴーヤ

インゲン

茄子

出来立てが良いもの

Majiga charu

作った感想

・おいしいのですが、全体的に味が濃いです。南インドと一口に言っても色々ですね。そして、夏野菜を掲げておきながら、野菜の味を楽しむような料理ではない気がしました。元も子もありません。しっかりと味のするミールスなので、日本的なおいしさや、普通のカレーのおいしさと近い気がします。いわゆるミールスに慣れ親しんでいる人向けか、というと、そうではないかなあと思います。

・ご飯は、茹でないで炊きました。その方が味が残るので、このミールスには合っていると思います。炊いたものを、さっとお湯で流すくらいが良いかもしれません。

・ココナッツペーストを作らず豆もあまり使わないので、作るのがほんとうに楽でした。


 

同シリーズの記事はこちらです

vol.1「チェンナイにある、すこし現代的できれいな店で出てくるミールスをイメージしたもの」

vol.2「ケララの定番っぽいもの」

vol.3「豆をたくさん食べたい」

vol.4「青バナナが届いた。食べよう」