インドの薄焼きパン「チャパティ」のコツと、それに合う料理のレシピ集

チャパティを焼きたい!!おいしく焼きたい!というあなたへ。

はじめに

チャパティは、全粒粉で作った薄焼きの無発酵パンのことです。インドだけで食べられているわけではなく、アフリカでもアジアの其処ここでも食べられるようです。wikipediaでは、インド亜大陸発祥とありますが、どうなのでしょう、全粒粉をこねて伸ばして焼いたものは、小麦を育てる文化があれば、どこの町でも、誰かが一度は試しそうな気もします。チャパティという呼称の話かもしれませんね。

ロティとチャパティの違いは何かというと難しいところですが、僕の認識ではロティの方が、より広い意味の言葉だとは思います。チャパティは、基本的に全粒粉で作りますので、精製した粉で作ったものをチャパティと呼べるかは、微妙なところです。

チャパティは、粉と水とフライパンさえあれば焼けるので、非常に簡単です。簡単ではありますが、おいしく作ることのできる日本人は、そう多くないだろうと予想します。そこで、今回は、誰でもおいしいチャパティが焼けるように、ねちねちと書いていこうと思います。誰でも焼けるようになるけど、だれでも読める記事ではないと思います。

また、この記事は、8月19日の『家庭的な料理でチャパティを気が済むまで食べる会』でつかうレシピ集でもあります。最後に、その他の料理のレシピも載せておきますのでご覧ください。

チャパティ以外に作るものは、下記の6品です。

・ダルフライdal fry

dal tadkaとも言います。たぶん、豆以外に添加するものが多いと、ダルフライになるのだと思いますが、厳密なところはわかりません。今回は、せっかくなので色々な豆を混ぜたタイプにします。

 

・サグパニール saag paneer

日本のインド料理店で良く見かけるあれです。パニールというのはカッテージチーズのようなもので、市販品もあるのですが、手作りします。サグ、というのは青菜を指すようで、今回は菜の花で作ります。ほうれん草にして、パラクパニール、にする手もあるのですが、ほうれん草は口の中がしばしばするのであまり好きではありません。

 

・ゴーヤ入りラムキーマ kheema karela

karelaというのがヒンディーでゴーヤをさすので、ゴーヤ入りキーマです。キーマと言うと、おそらくは羊肉を使うのが一番一般的だとは思います。世の中のキーマカレーは大人の事情でグレイビーの多いタイプをよく見かけますが、今回は肉密度の高いキーマにします。見て!肉だらけ!

 

・オクラのサブジ okra sabzi

オクラを揚げ焼きにしたものです。地味です。おいしいです。

・カチュンバル kachumber

生野菜のサラダです。キウリ、トマト、玉ねぎ、です。刻んで和えるだけです。スパイスも適当につかいます。

・青唐辛子のアチャール

青唐辛子にスパイスと油をまぶして、レモンをかけたものです。敢えてアチャールにせずとも、生のままターリの上に転がしておけば、それで良い気もしますが、料理教室なのでひと手間かけます。

 

チャパティのつくりかた

それでは、チャパティに取り掛かります。チャパティにはおおよそ、以下のような工程があります。

粉と水を合わせてこねる

寝かせる

円く伸ばす

焼く

それぞれについて注意点を書いていきます。

チャパティの失敗で一番多いのは、もそもそで硬くなったり、せんべいになったりすることだと思います。伸ばせる程度であれば、柔らか過ぎて失敗、ということはあまりないと思います。なぜなら、普通そういう時は、粉を足すからです。伸ばし方が円かろうが四角かろうが破れようが、火が通ってさえいればおいしく食べられます。おいしく食べられないのは、水分がすくない時です。

チャパティがどんなものかイメージがつかない方は、とりあえずyoutubeで「chapati」と検索してください。それが一番早いです。

①粉と水を合わせてこねる

材料の選び方

粉は、全粒粉をつかうのが基本です。

国産の全粒粉って、挽きの粗いものが多い気がしますが、気のせいでしょうか。粉はけっこう商品によって味が違うので、折角だからインド産のものにします。国産のもので焼けないわけではありませんが、たしか、伸ばしにくく、べたつきやすかった記憶があります。

今回は、これを使います。

いつものアンビカで買えます。全粒粉!ふすま!という風味は控えめで、食べやすいチャパティになる気がします。

次に、水ですが、硬度の問題があるので、気になる方は、硬めの水をつかうと良いかもしれません。ふつうの水道水でもとくに問題はありません。ちょっとべたつくかもしれないですが。

粉と水のバランス

粉100に対して、水は75~85くらいだと思います。使う粉とか湿度とかでも変わってくるので、様子を見ながら調整してください。それこそ水によっても違います。なので、レシピ通りに作ればぜったいにうまくいく、という訳でもないのが、粉ものの難しさです。個人的には、成型出来るのなら、水は多めにした方が、おいしく出来ると思います。また、もしべたべたになりすぎた場合は、伸ばすときに打ち粉を多くすれば調整できます。

粉と水以外に何を加えるか

粉、水、以上!というのが一番硬派なチャパティで、それはそれでおいしいのですが、かなり野暮ったい味になります。水と粉以外に、油と塩を入れるのは、ごく一般的です。

そして今回は、邪道と言えば邪道ですが、サラダ油、塩、砂糖、そして牛乳も加えます。……ハイハイ、落ち着いて落ち着いて、原理主義のみなさん落ち着いて。砂糖と牛乳を足すことで、食べた時の、むちっと感が増します。それと、不思議なのですが、粉と水だけで作るよりも、なぜだか「粉の味がする!全粒粉っておいしいね!」という味になります。本当です。それと、牛乳を足すことで、生地が伸ばしやすくなります。

それで今回の分量

○全粒粉——250g

○水——100g

○牛乳——100g

○塩——小さじ1/2

○砂糖——小さじ1/2

○サラダ油——大さじ1

 

どうやってこねるか

フードプロセッサーでやるとスーパー楽なので、僕は文明の利器に頼ります。手でこねる場合は、牛乳と水を合わせておいたものを、少しずつ足していってください。大きめのボールをつかうと楽です。三分くらいこねれば良いと思います。まあ、こねすぎたから失敗した、ということはないと思うので、気が済むまでこねてください。長時間こねているとグルテンでべたついてきますが、別に失敗ではありません。大丈夫です。

水分の具合としては、丸めることは出来るけど、ちょっと手にべとべとつきそう、くらいにすると良いと思います。粉をきっちり冷やして、硬水をつかってこねると、あまりべとつかないのですが、そこまで気合を入れるのも変なので、まあ、楽に作ってください。

 

寝かせる

乾燥を防ぐ

生地をこねたら、丸くして、ボールか何かに入れます。表面にすこしだけ水を塗って、蓋をしておきます。乾燥させてしまうと、せんべいまっしぐらです。

寝かせる時間

10分程度で良い、という人もいれば、30分くらい、と言う人もいます。色々ですが、ここでは、一時間以上、と長めの時間を提唱してみます。なぜなら、その方が生地が滑らかで伸ばしやすくなりやすいからです。お腹が空いている場合は、10分でも30分でも良いと思います。全く寝かせなくてもできるみたいです。ただこれは、完全に同じ条件で実験したわけではないので、一時間寝かせても変わらないかもしれません。

 

伸ばす

台所を片付ける

作業スペースが狭いと、しょうもないミスが多くなります。はい、気をつけます。すみません。実際、料理は、きちんと片づけて、きちんと下準備をして、きちんとレシピを読めば、大抵は失敗しないと思います。はい、気をつけます。

使う道具

麺棒は、何でも良いですが、僕は、百均で売っていた、キッチンペーパー立ての芯を使っています。小さくて使いやすいです。道具好きのあなたは、大理石のやつなんか良いと思います。基本的には、歪んだり曲がったりしていなければ、なんでも良いです。ただ、表面に、くっつき防止のボツボツがついているタイプのはおすすめしません。インド製の物はアジアハンターで売っています。ワインの瓶で代用できるよ!という考えもありますが、あれはたいてい傾斜がついているのでだめです。

作業台は、僕はまな板でやっています。ある程度の大きさあれば何でもよいです。

打ち粉はしっかりする

やりすぎると硬くなるので気をつけてください。逆に、生地が柔らかすぎて伸ばしにくければ、ここで打ち粉を多めにして調整できます。

伸ばし方

コツは、三つです。

①焦らない

②無理に円くしない

③無理に薄くしない

・直径10cmから12cmくらいにしていますが、大きさはお好みでどうぞ。

・厚みは1mmくらい?もっと薄くても厚くても大丈夫です。好みの問題です。

・生地の塊から、小さいピンポン玉くらい(30gから40gくらい)の生地を手に取り、両の掌で丸めます。それから、打ち粉の置き場所にダイブさせて、満遍なくつけ、その場で指で押し、お焼きのように円く伸ばしておきます。プレ成型です。

・ゆっくり麺棒を往復させ、一往復ごとに生地を手にとって、少しずつずらして円くしていくと、時間はかかりますが、まず失敗はしません。失敗するなら、たぶん生地のせいです。

円くすることよりも、均一な厚みにすることの方が大切だと思います。よくある失敗としては、無理な伸ばし方をして破れた部分に打ち粉が付着して、焼いたら粉っぽくて固いおせんべいになる、というパターンです。

麺棒を当てた時に、ゴムのように硬い弾力のある生地は、もうどう頑張っても綺麗なチャパティにはなりません。水を足しましょう。うまく出来た生地は、するすると簡単に伸びて、かつ、破れません。綺麗に伸ばすためには、第一に、綺麗な生地を作ることだと思います。

・麺棒を転がすときに、押すときは右手を強く、引くときは左手を強くすると、勝手に生地が回転して、良い具合に円くなってくれます。打ち粉はきっちりしないと回りにくいです。

・伸ばした生地を重ねて置いておくと、くっついて破けたり、乾いておせんべいになったりと、ミスの元です。伸ばしたら、さっさと焼きましょう。

・説明する気があるような無いような文章ですね。youtubeで「chapati」と検索しよう!!

焼く

コツは三つです。

①鍋を温めておく

②火は強めで短時間

③最後に直火で炙る

弱火で時間をかけすぎると、かぴかぴのチャパティになります。とくに全粒粉だけでつくると、硬くなりがちです。なので、テフロンじゃない方が焼きやすいとは思いますが、テフロンでも焼けます。僕はスキレットで焼いています。ニトリで安いです。

・使う鍋にもよりますが、鉄の鍋なら、片面10秒ずつくらいで十分です。

・最後に、ガスコンロの上に直接チャパティを置いて強火で炙ると、ぶわっと膨らんで、かつ焦げ目がつき、おいしくなります。あれうまく焼けなかったな?と思っても、炙れば大丈夫です。

・火さえ通ればそれでオッケーです。焼き過ぎは禁物です。せんべいになります。

・焼きたてがおいしい、と思いきや、時間がたってもおいしいです。先ほど、昨晩焼いたものを食べましたが、おいしかったです。やはり牛乳を入れると、おいしさが長持ちします。

以上です。動画が欲しい方は、youtubeで「chapati」と検索すればいくらでも出てきます。

 

 

レシピまとめ

ここからは、チャパティと一緒に食べる料理のレシピを載せておきます。興味のある方は御目通しください。

ダルフライdal fry

・ムングダル——1/2cup

・トゥールダル——大さじ2

・皮付きウラドダル——大さじ2

・マスルダル——大さじ2

・チャナダル——大さじ2

(ダルはすべてざっと洗って一晩水に浸けておく)

・水——600ml

・トマト——中くらいの半分(みじん切り)

・ターメリック——小さじ1/4

——ここまでを全部圧力鍋に入れて煮る——

・水——300ml

・ギー——大さじ1

●テンパリング用

・サラダ油—–大さじ4

・クミン——小さじ1/2

・玉ねぎ——1/4個(みじん切り)

・ニンニク——3かけ(生姜と一緒につぶしておく)

・生姜——にんにくと同量くらい

・青唐辛子——1/2本(みじん切り)

・チリパウダー——小さじ1/4

・ガラムマサラ——小さじ1/2

・塩——小さじ1.5

①圧力鍋にダル、トマト、水を入れて強火にかけ、一度灰汁をとったらターメリックとサラダ油ひとたらし(分量外)を入れて蓋をして煮る。圧力がかかったら弱火にし、10分ほど煮る。圧力が下がったらふたを開け、水とギーを足しておく。

②別の鍋にサラダ油を熱して、クミンをしゅわしゅわさせる。色づいて来たら玉ねぎを加える。強火で炒めて、茶色っぽくなってきたら潰したニンニクと生姜、青唐辛子、を加えて香りが出るまで炒める。さらにスパイスと塩を加えてかき混ぜ、なじんだら、鍋の中身を全てダルにじゃっとかける。

●テンパリング用のものは、ギーで炒めるのが本式だと思います。

●粘度は、とろっとするくらい。さらっとさせても良いけれど、ダルフライは、ちょっと粘度高めの方がおいしい。

●ダルたっぷり、ニンニク生姜玉ねぎ、が入っているので、塩を強くしようと思えば強く出来ます。ただ、ちょっと塩が薄くて豆の甘みが強く出ているくらいのほうが、ダルフライらしいと思います。他の料理との兼ね合いもあります。

●同じく、辛みを強くすることもできますが、今回は、もっこり系の味にしています。チリパウダーと青唐辛子を増やせば、いくらでも辛くなります。当たり前ですね。

●スパイスは、もっと色々使っても良いです。カスリメティを加えると、いかにもな味になります。ガラムマサラは、家にあるもので構いませんが、無ければ、適当にあるものを合わせて挽いてください。

●ダルは、一種類でも良いですが、今回はごちゃっとし味にするため、色々と使いました。トゥールダルやマスルダルが一般的なのかな、とも思います。

 

 

サグパニール saag paneer

●パニール用材料

・牛乳——1L

・生クリーム——200ml(ひとパック)

・レモン汁——大さじ4

●サグの材料

・菜の花——300g

・青唐辛子——2本

・水——150ml

・サラダ油——大さじ3

・玉ねぎ——3/4個(ごく細かいみじん切り)

・ニンニクと生姜をすりおろしたもの——小さじ1

・トマト——1個(同じくみじん切り)

・ターメリック——小さじ1/4

・チリパウダー——小さじ1/2弱

・コリアンダーパウダー——小さじ1/2

・ガラムマサラ——小さじ1/2

・クミンパウダー——小さじ1.5

・塩——小さじ1.5

・水——150ml

・レモン汁——小さじ1強

①パニールを作る。鍋に牛乳と生クリームを入れて沸騰しそうになったらレモン汁を入れてざっとかき混ぜ、火を止める。ザルに布をセッティングして、そこに鍋の中身をじゃーっとあけ、凝固した部分をとり出す。丸めてちょっと水を切ってから、平らにして重しをし、30分ほど水を切る。パニール出来上がり。角切りにして、油を敷いたテフロン鍋で焼き色を付けておく。テフロン鍋(ノンスティック鍋)が無ければ、無理に焼かなくても良い。

②サグ部分を作る。鍋に菜の花と水ちょっとを入れ、水で炒めるようにして火を通す。青唐辛子を加えてミキサーに入れ、水150ml程度を入れてペーストにする。

③鍋にサラダ油を熱し、クミンを入れる。軽く色づいたら玉ねぎを加えて炒める。うっすら茶色になるくらいまで炒めたら、ニンニクと生姜のペーストを加えて香りが出るまで炒めたら、トマトを加える。トマトが崩れたらスパイスと塩を加えてなじませる。そこに、菜の花のペーストを流し込み、水も加える。煮立ったら、焼いておいたパニールを加えてひと煮立ちさせる。最後にレモン汁を加えてざっとまぜれば出来上がり。

●パニールは、カッテージチーズのようなものです。市販品もあります。生クリームを加えて作るので、けっこう濃厚な味になります。そのまま食べると、ウッとなるくらい濃いです。

●サグパニール、ではなくパラクパニール、つまりほうれん草で作る手もあります。個人的にはほうれん草より菜の花の方がおいしいと思います。また、フェネグリークリーフなど、他の青菜を使っても良いです。入手性の観点から、冷凍の菜の花をお勧めはしますが、おこのみでどうぞ。

●パニールに焼き色を付けると、なんとなく風味が良くなる気もしますが、やらなくても良いです。というより、やらないほうが良い気もします。テフロン鍋などのノンスティック鍋以外でやろうとすると、パニールが鍋にくっつき悲惨なことになるので(実際なった)ノンスティックパンが無い場合は、あきらめてそのまま使ってください。

●今回はサグをペーストにしていますが、ザクザク切ったものを使っても良いです。

●スパイスの使い方はいろいろですが、ものすごくスパイシーにする類の料理ではないと思います。ただ、サグもパニールも結構濃厚なので、ある程度辛みを効かせないと、食べていてちょっと気持ち悪いです。同様の理由で、レモンを最後に加えます。味が締まります。

●手順が面倒くさいように見えますが、実際に作ってみると、やっぱりけっこう面倒です。誰だよこんなの料理教室で作るって言ったやつは。

 

ゴーヤ入りキーマ kheema karela

・ラムひき肉——500g(自分で挽きました)

・玉ねぎ——1個(ごく細かいみじん切り)

・青唐辛子——1本(みじん切り)

・トマト——中くらいの1個(ミキサーでペーストにする)

・ニンニク——4かけ

・生姜——ニンニクと同量(ニンニクと一緒に潰しておく)

・ターメリック——小さじ1/4

・チリパウダー——小さじ1/2

・クミンパウダー——小さじ1

・ガラムマサラ——小さじ2

・水——200ml

・塩——小さじ1・5

・ゴーヤ——1本(大きめに切る)

・サラダ油——大さじ5

①鍋にサラダ油を熱して、ゴーヤを炒める。焼き上げのような状態になるはず。表面がうっすら焦げ付くくらいまで炒めたら、ゴーヤを取り出す。

②そのままの鍋で、玉ねぎを炒める。もし油が足りなければ足す。玉ねぎが軽く色づいたら、ニンニクと生姜、青唐辛子を加える。香りが出たらトマトを加えて、トマトに火が通るまで炒めたら、ターメリックとチリパウダーを加える。ざっとなじませたら、ラム肉を投入する。すぐに水も入れて、ひき肉がだまにならないよう、よくかき混ぜる。蓋をして、10程煮込む。完全に煮立ったらゴーヤも加える。

③ひき肉が食べやすい硬さになったら、ガラムマサラとクミンパウダー、塩、を加えて煮立たせる。良い具合まで水分を飛ばしたら出来上がり。

●ゴーヤの味はあまり残りません。苦いのが苦手でも大丈夫です。苦みを残したい方は、最初の揚げ焼きの工程をなくせば、かなり苦みが増します。ただ、この料理は、そんなに苦みを強く出さない料理のような気もします。個人的には苦いのは大好きですが、ここは我慢してしっかり揚げてから煮込みます。

●塩分は、もっと強くしても大丈夫ですが、今回は、あまり尖った味を狙っていないので、この程度です。そのままでも食べられるくらいの塩分濃度です。

●グレイビー多めのタイプもありますが、今回は、しっとりして油の多いそぼろにします。炒めものになるほどの水分を飛ばすと違う料理になります。

●トマトは、ミキサーにかけてください。トマトの皮がぴょんぴょんと残っていると、途端に素人くさい見た目になります。トマト缶で代用もできます。むしろそっちの方が良いかもしれません。

●スパイスの使い方も色々です。玉ねぎを炒めるときに、最初にカルダモン、クローブ、シナモン、などのホールスパイスを加えても良いです。ただ、あんまり辛くする料理ではないと思います。意外と優しい味、みたいな。

●ラムは、マトンでも良いです。むしろ好ましいです。北海道なので、スーパーで普通にラムが売られているので、焼き肉用のものを買ってきてフードプロセッサーで挽きました。挽き具合は、すこし粗さが残るけど、ちゃんとひき肉になるくらいです。昨今、粗びきが持て囃されている気がしますが、ある程度以上に細かくして初めて生まれるおいしさが挽き肉にはあると思っていて、いて、この料理は、あまり粗びきにすると、肉の食感が邪魔になる気がします。

●飾りつけは、ナワブというお店を意識しています。というより、全体的に真似しています。キーマを食べたことはありませんが。とても良い店なので、ぜひ行ってください。え!?というくらいにレベルの高いものが出てきます。詳しくはcurry fieldさんなどのブログをご覧ください。

 

オクラのサブジ

・オクラ——300g(好きな大きさに切る)

・サラダ油——大さじ3

・クミン——小さじ1/2

・チリパウダー——小さじ1/2弱

・ターメリック——小さじ1/8

・塩——小さじ1/4

①鍋にサラダ油を熱して、クミンを入れる。うっすら色づいたらオクラを加え、ざっと混ぜてから、スパイスと塩を加えて、強火で、乾いたかんじなるまで炒め続ける。

●かなり簡素な作り方です。玉ねぎやトマト、もっとスパイスいろいろを加えて作ることもできます。

●油を多めにして、揚げ焼きっぽくするとおいしいです。とくに今回は、ちょっと焦げ風味がでるまで炒めています。うまいです。

●中華鍋で作ると水分が飛びやすく、良い具合に仕上がります。おすすめです。

●塩はあまり強くしていません。他の料理との兼ね合いもあり、これは抑えの一品、というイメージです。

●他の野菜でも作ることができます。油でクミンをシュワシュワ、切った野菜入れる、スパイスと塩入れる、炒める、で、大体の野菜がインド料理になります。

 

カチュンバルkachumber

・玉ねぎ——半分くらい(粗めのみじん切り)

・トマト——一個(みじんぎり)

・キウリ——半分(みじん切り)

・辛くない青唐辛子——1本(みじん切り)

・レモン——小さじ2

●ミックススパイス用材料

・クミン——小さじ1/4(色づくまで乾煎りする)

・ブラックペッパー—–小さじ1/6

・チリパウダー——小さじ1/6

・塩——小さじ1/6

①切った野菜に、挽いたスパイスと塩を加えて混ぜ、最後にレモンを振る。以上。

●塩は、薄めの方が良いと思います。

●スパイスは、まったく使わなくても、カチュンバルになるとは思います。ガラムマサラやチャートマサラを使っても良いです。

●玉ねぎが辛いです。新玉ねぎをつかったりサラダ玉ねぎをつかったりしても良いと思いますが、インド人には笑われそうな気もします。ちなにみ、店員Aは生玉ねぎを食べると夜に寝られなくなるそうです。

●野菜の切り方は色々です。今回は、乱切り風味の角切りにしました。完全な立方体にすると、下手すると野暮ったくなります。なので、すこし包丁を斜めに入れるようにして、ひし形っぽくしていきます。大きさは色々で、細かーくすると、トルコ料理っぽくなってくる気がします。ざっくり大きく切っても、それはそれで良いと思います。

●最後に、コリアンダーリーフを刻んで混ぜていますが、ミントを入れてもおいしいと思います。

 

青唐辛子のアチャール hari mirch ka achar

・青唐辛子——50g(洗って切れ目を入れておく)

・ブラウンマスタード——大さじ1(粗めに挽く)

・塩——小さじ1/2

・ターメリック——小さじ1/4

・マスタードオイル——大さじ1

・レモン汁——大さじ1

①材料を全て混ぜ合わせる。以上。

●ビンに詰めて何日か置いてから食べるのが本式ですが、レモンをつかっているので、そこまでの長期保存には向かないと思いますし、すぐにでも食べられます。

●青唐辛子の辛さによって、味が全然違ってきます。当たり前ですが。お好みの辛さのものをつかってください。

●青唐辛子は、刻んでも良いし、斜めに切っても良いです。今回は、切れ目を入れるだけですが、あまり硬い青唐辛子場合は、もうすこし切った方が食べやすいと思います。

●マスタードオイルが苦手な方は、違う油で代用してください。僕もちょっと苦手です。

●ある程度塩をきりっとさせた方がおいしいと思います。