雑記2019/04/09「白いゴーヤ」「やる気をそぐミルク」

●春の月曜日

札幌は全く春ではない。すこし温まった冬。春コートを着ようものなら芯まで冷える。今日はとくに天気が良くて、放射冷却が進むことだろう。

●白いゴーヤ

自分の技術をあんまり信じていないので、できればいつでも同じ条件で調理をしたい。だから冷凍野菜が好き。初めてのインド、はじめてのキッチン、はじめての食材、と並べてみると目まいがする。誰だよこんな企画考えたやつは。俺だよ。完全に自分が悪い。でも成功させる。そうやって意気込むから買い物がまだ楽しめなくて、かすむ目震える手で、白いゴーヤとチキン、卵にパンに牛乳、と当座の食材を買った。参加者は23時くらいに家に着く。僕は、疲れると、塩味のスープが飲みたくなる。だから、台湾っぽいスープでも作ろうと思った。いつでも基準は自分。自分しか見えてない。骨付きのチキンを煮て、生姜をすこしと、白いゴーヤを柔らかく煮た。イメージは、台北で魯肉飯と一緒に食べたスープ。うすい味がおいしい。ゴーヤも、苦くなくて、すっと通り抜けていく。苦いゴーヤは好きだけど、このスープには白ゴーヤが合う、と思ったら、めちゃくちゃ苦かった。ん?俺の舌が変なのか?というくらい苦くて、うがいしてもう一回飲んでも苦い。薬湯。インドの洗礼。インドのゴーヤは苦い。白なのに苦い。完全にやられた。道理でレシピで、苦みを抜く工程が必ずあるはずだ。白でこれなら、緑はとてつもなく苦いだろう。

●やる気をそぐミルク

朝はチャイ。もう、全然違う。牛乳が全然違う。脂肪分が多いのかもしれないけれど、しつこくはなくて、とにかく、味がする。なんだこれ。そこに強めの砂糖と茶葉をつっこむと、完全にきまる。これだ、これがチャイだったんだ、わかったよ、やっとわかったよママ、というかんじ。ダワットカフェのインド人カーンさんも、日本に来た時には牛乳の味の違いにびっくりして、これは水か?と思ってチャイを作りたくなくなった、と言っていたけど、それが理解できた。たしかにこれはやる気をそぐ。日本であれこれ工夫して、レシピをせこせこ作っていたのが馬鹿らしくなった。排気量の全然違う車に追い抜かれた気分。スパイスを足すよりも、砂糖だけでバランスをとったほうがおいしい。