●ルルモール野菜売り場
ルルモールはわりとアッパークラスらしい。たぶん売っている野菜も比較的良いのだと思うけれど、日本のようにはいかない。さっさとかごに入れると、ひどいことになる。日本では考えられないくらい、ばらつきが大きい。腐っているものもたまにあるし、大きめの虫が歩いていることもある。そこまでいかなくても、熟し方に差があったり、傷がついていたり、鮮度が違ったり、皮の艶がちがったり、色々ある。観察していると、みんな必ず、吟味してから買っている。ひとつひとつ手に取って、これと思うものを袋に入れている。袋に詰めて、量って値札をつけてもらう仕組み。日本でも、ちょっとは選んで買うけれど、当たりはずれの大きさは日本の比ではないから、これはたぶん、インド必須科目だと思う。インド人の野菜見分け能力は、日本の平均値を上回るはず。僕は、よくわからなかったから、買う人を観察して、どういう基準で選んでいるかを考えた。何人か見ていると、だいたいわかる。そうしたら、店員Aがひょこひょこ歩いてきて、レモンをふたつ掴み、ちかくにいるインド人に「which !! better!!」と迫っていた。システムエンジニアかな?というかんじの、その男の人は、聞き取りやすい英語で説明をはじめる。店員Aは僕を指さし、僕が彼と問答をする。傷がなくて、皮の表面がスムースなものが良い。緑っぽいものは熟していないから、黄色っぽいものを選ぶ。黄色と緑がまだらっぽくなるけれど、その模様が、極端に偏っているようなものは避けたほうが良い。というようなことを丁寧に教えてくれた。彼に倣って、黙々と選ぶ。けっこう時間がかかる。そこで売っていたレモンは、キンカンくらいの大きさのものだったから、大変だった。そういう調子で、どんどん野菜を買っていく。
●おしゃれな立ち入り禁止
借りた家の床には、黄色と黒のしましまの線が走っていた。くの字を重ねたような線。矢印の連続のようにも見える。居間をぐるっと回る線路のように、引いてある。作業用に引いたものがそのままになっているのかと思っていた。ルルモールの服屋を見ていて、気が付いた。ちがう、おしゃれなんだ。そこの店の床には、借りている家のと同じ模様の線が、ぐるっと引いてあった。色は違ったけれど、売っている服に、黄色と黒を交互に配するパターンのものがあった。ありなんだ、その組み合わせ。僕には、立ち入り禁止にしか見えないけど、インド的にはありなんだ。
●読まない人
twitterで、はじめて、絡まれた。ほんとにいるんだこういう人。誤読、もしくは読解力不足なのだけど、おそらく、彼は僕のこれまでの文章を読んでいないし、当該文章もよく読んでいない。ちゃんと読んでいたら、見当はずれのことは言わないはず。不思議なのは、よく読まないということは、興味がないということで、それなのにわざわざしつこく絡んでくるという、この矛盾。興味あるの?無いの?ときいてみたい。文章を公開している以上、批判は大歓迎だけど、雑な批判は、困ってしまう。なんて返せばよいのかわからない。