南インド料理を始めるときに欲しい3つの道具

南インド料理を作るうえで、あった方が良い3つの道具について、解説をしていきます。

3つというのは、ミキサー、スパイスミル、圧力鍋、です。包丁や鍋についてはこちらのコラムでも書いてありますので、ぜひ読んでください。

①ミキサーについて

料理好きであればミキサーは持ってると良いかと思います。南インド料理でもよく使います。初めに用途を示して、そのあと、おすすめの製品を紹介します。

ミキサーの用途

パワーの必要性を昇順に並べています。一番上が一番柔らかいものです。一応Levelで分けましたが、これは目安と考えてください。一番安いミキサーでもワダは作れますし、逆に、バイタミックスでもワダは作れない、とも言えます。

Level 1 小型ミキサーでもなんとかなる 

・トマトや玉ねぎを炒めたもののペースト(チキンカレーなど)

・ニンニクと生姜のペースト

・ゆでた野菜のペースト

・チャイ用の生姜とスパイスのペースト

Level 2 高性能ミキサーが必要になってくる

・かためのチャトニ類(ココナッツチャトニ、茄子のチャトニ、など)

・ココナッツペースト(南インド料理では、ココナッツペーストを多用します)

Level 3 バイタミックス登場

・ワダやドーサなどのティファン

・なめらかなココナッツペースト

・大量のガラムマサラづくり

Level 4 ウェットグラインダーの独擅場

・インド人がうなるくらいのワダ、ドーサ

・完璧になめらかなペースト、チャトニ

・ココナッツ削り

どんなミキサーがあるか

一番良いのは、バイタミックスです。ただ、平気で8万円くらいはするので、もうすこし安いものも紹介します。

①小型ミキサー(2000円~8000円程度)

小さめのミキサーです。スムージーブームに乗って、色々な商品が出されていますが、安いミキサーはパワーが足りず、安全装置がすぐに作動して、いらいらすること請け合いです。そして壊れやすいです。できれば、7000円程度のものを買うと、料理が捗ります。

また、ミル付きミキサーであれば、次に紹介するスパイスミルは必要なくなるので、おすすめです。ということで、ここでは、タイガーのものをおすすめします。

品名—ミル付きミキサー SKS-G700(タイガー魔法瓶)

実勢価格—7000円程度

このミキサーに過度な期待はしないでください。安全装置がついているのと「硬いものをつかっちゃだめよ」という、腰の引けた但し書きがありますので、粘度の高いココナッツペーストを作ったり、豆を挽いたりするのは、メーカーの想定外ですので、ご了承ください。

【画像引用元:tiger.jp/front/productdetail/confirm?productId=SKS-G)】

②高性能ミキサー(1万5000円以上)

ある程度の出費が許せるのであれば、安いものでなく、このランクのミキサーを買うことを強くお勧めします。panasonicやRusselhobbsのものは、容量が大きく使いやすいのですが、パワーは安いものとそれほど変わりません。なので、ここではツインバードのものをお勧めします。

品名 —パワフルミキサー(ツインバード工業)

実勢価格— 1万6000円程度

このミキサーは、この価格帯では2017年現在もっともパワーがあります。ただ、やはり、日本製の限界か、安全装置つきで、硬いものを挽くのはメーカーの想定外です。プロでなければ、性能的にこれで十分です。あ、スムージーも作れるらしいです。

【画像引用元:twinbird.jp/products/kc4859.html】

バイタミックス

品名—バイタミックスTNC5200

実勢価格—9万円程度

ちょっと高すぎるので、おすすめしにくいのですが、やはりこれが一番です。半端じゃなく高価ですが。

S30という、少しだけ安いモデルもあるのですが、ぜひ大きい方を買いましょう。バイタミックスを買おうなんていう酔狂な方は、置くスペースがとか、一万円の差が、なんて野暮なことを言ってはいけません。

バイタミックスなら、かなり負担はかかりますがワダも作れますし、なにより、耐久性が高いです。もし、プロか、セミプロくらいにがんがんミキサーを使うのであれば、買っても良いとは思います。ただ、繰り返しますが、基本的にはツインバードので十分です。あ、バイタミックスも、おいしいスムージーが作れるみたいです。

④ウェットグラインダー(番外編)

ワダやドーサを作りたい方は、買っても良いかと思います。ゴウンゴウン、と重みのある石臼が回転します。

アジアハンターで取り扱っています。電話をすれば、早急に仕入れてくれるはずです。

型式やレートによっても違いますが、3万5000円程度で買えます。また、ワダやさんをはじめたい方用に、大型のものもあるそうです。

動画は、南インド屋所有のものです。

 

ミキサーまとめ

まずは7000円のミキサーで十分だとは思います。本格志向の方は、ツインバードの1万5千円のものをつかってください。

そして、バイタミックスを買う際は、よくよく考えて買ってください。僕はまったく後悔していませんが、趣味程度でインド料理を作る方が、気軽に買う類のものではないと思います。いや、ほんとに、すごく良いミキサーなんですけどね。車はやっぱりベンツだよね、という考えの人は、買っても良いかもしれません。

フワさくのワダを作りたい方には、ウェットグラインダーがお勧めです。

②スパイスミルについて

スパイスミルは、スパイスを粉末にするときにつかいます。まず、ミキサーをミル兼用のものを買った方は、別にスパイスミルを買う必要はありません。

ここでは、ミルサーと呼ばれるものをおすすめします。画像は貼りませんが、山善TESCOMの、安いもので十分です。3000円くらいです。どちらも、ミキサー機能がついていて、先に消化した7000円のミキサーの廉価版です。

また、これは強くお勧めするわけではないのですが、こういうものもあります。

 

これが、とても使いやすいです。石でできていて重みがあり、良い具合につぶれます。胡椒であれば、完全な粉末状にすることもできますが、カルダモンなんかだと、粉末状にはできません。類似のもので、アジアハンターのこのようなものもあります。

いいですねえ。実にいいですね。

すこし紙面を割いて、こういうマサラつぶしについて語らせてください。

おそらく、いちばん味と香りが良いのは、こういう手動のものです。ミキサーは、熱を持つからなのか、空気に触れるからなのか、香りが飛んでしまいます。料理をするうえで、電動のミキサーは非常に便利ですし、均一に仕上げることもできるので、本稿では電動のミルをおすすめしていますが、心の中では、こういうレトロなものが大好きです。

とくに、重みのあるものが良いです。包丁は大きい方が楽に切れるのと同じで、石臼も、重いものに限ります。置き場所とか取り回しとか、そういう野暮なことは言ってはいけません。スチール製のものも良いのですが、やはり重みがない分、手の力がけっこう要ります。

実際、にんにくとと生姜をこれでつぶして使うと、とても良い香りがします。ニンニクには包丁は入れない方が良いとも言いますし、繊維を断ち切りすぎないのが良いのかもしれません。

ということで、電動のミルは持ちつつ、台所の片隅に、こういうマサラ潰しがあると、幸せな気分になります。余談でした。

スパイスミルまとめ

難しいことは考えずに、TESCOMや山善の安いミルサーを買うと良いかと思います。

こだわり派のあなたには、石製のものをひとつ持つことをおすすめします。

③圧力鍋について

圧力鍋についても、とくに難しいことは言いません。安いもので十分なのですが、2点、述べておきます。お店やamazonで、安いものを買えば十分です。みんな大好きパール金属で問題ありません。

圧力鍋の用途

豆を煮る!

たまに肉も煮ます!

以上!

サイズについて

家庭用であれば、3.5Lで十分です。2.5Lだとすこし小さいです。

トゥールダルを煮ると、吹きこぼれやすいので、10人分くらいを作りたい方は、5L以上のものを買うことをお勧めします。

底の厚みについて

安い圧力なべの中には、ぺらっぺらの底のものもあります。豆は少ない水分で煮ると焦げ付きやすいので、ある程度の厚みのあるものが良いです。単層構造でなく、重層構造のものがお勧めです。

 

以上、ミキサー、スパイスミル、圧力鍋、の3つがあると、南インド料理を作るうえで便利です。できれば3つとも揃えてください。


わりと関連のある記事を紹介します

料理についての、もっと基本的なこと

どうやっておいしい料理を作るか、ということを、

包丁やまな板などの道具と、考え方について述べています。

インドの豆について

トゥールダル

圧力鍋は、豆のためにあります。

どんな豆があるか、このコラムを読んでみてください。

美味しい目玉焼きの焼き方

目玉焼きに胡椒をかけるときは、上の石臼で挽いています。

良い香りがします。