みんな気になるグシュタバ、などのカシミール料理レシピ集

カシミール料理です。グシュタバです。食べてみたいけど出すお店が無いので作るしかありません。さあ作りましょう、習得しましょう。場所を調べてみて頂ければわかるのですが、まあいかにも紛争が起こりそうな場所で、料理としても、これはインド料理なのか?という気がしてくる料理が多いです。さあ、玉ねぎとトマトを炒めなければインド料理ははじまらないと思っているボーイ&ガール、一緒にカシミール料理を作って穏やかな気持ちになりましょう。12月23日の料理教室で使うレシピです。

グシュタバ gushtaba

結婚式などのお祝い事で食べるらしい、wazawanというフルコースみたいなものがあります。その中のひとつです。要は肉団子のヨーグルトグレイビー煮です。つかうのは羊肉です。これって中華の肉丸?という気もしますが、まあ、肉団子はどの文化でも大体あるので深く考えないでおきます。本来は、槌で肉を延々と叩いて作ります。そうすることで、非常に滑らかなペーストが出来上がります。今回は、フードプロセッサーで作ります。写真だと表面が荒れて見えますが、実際に見るともう少し滑らかです。現地のプロ集団が作るグシュタバは、もっとつるっとしています。本格派のあなたは、なんらかの槌を準備してやってみてください。

肉団子部分

マトンorラム——400g

塩——小さじ1ちょっと

片栗粉——大さじ2.5

クミン——小さじ1.5

カルダモン——小さじ1(クミンと合わせて挽いておく)

水or氷——250mlくらい

グレイビー部分

・ヨーグルト——1.5cup

・塩——小さじ1

・ドライジンジャー——小さじ2

・フェンネルパウダー——小さじ2

・ターメリック——小さじ1/4

・ギー——大さじ5

・たまねぎ——みじん切り大さじ2

・にんにく——2かけ(潰してみじん切り)

・クローブ——小さじ1/2

・カルダモン——小さじ1/2

①肉団子を作る。フードプロセッサーに肉を入れてミンチにする。水以外の残りの材料を全て加えて、水を少しずつ加えながら挽いていく。挽く、というより、練る、になるくらいに思い切って水分を加える。手でやる場合は槌をつかう。完全にすり身状になったらOK。水の量は肉質により加減する。

②鍋に800mlくらいのお湯を沸かしておく。肉団子の成型をする。直径5cmくらいにする。大きさはお好みで。大きい方がおいしい。ボールに氷水をはって手を冷やせるようにしておく。別の皿にサラダ油をとっておく。手を冷やしたら肉を手に取り丸める。ここで手にくっついて円く出来ないのなら、それはおそらく練り方が足りない。丸っぽくなったら、片手にサラダ油をとり表面に塗りつける。表面が滑らかになったら静かに沸いているお湯に入れていく。その調子で全部やる。大きさにもよるが5分くらい煮たら引き上げる。

③グレイビーを作る。鍋にヨーグルトと塩、スパイスを入れてよくかき混ぜて滑らかにする。これ大事。肉団子を茹でた煮汁を、お玉四杯分くらい(150ml程)、少しずつ足してのばしていく。残りの材料をすべて入れたら、かき混ぜながら、必ずかき混ぜながら沸騰させる。ヨーグルトがもろもろにならないよう、滑らかなグレイビーにする。肉団子を加えて5分ほど煮込んだら出来上がり。最後にドライミントを散らす。ドライパセリやドライバジルでも良いと思う。飾り。

調理のポイント

・肉をとにかく滑らかにすること。え?こんなに?というくらい水や氷を入れます。というより、一定以上入れないと、滑らかにはなりません。

・肉団子の表面が滑らかでつやっとすると、それらしいです。これは慣れです。滑らかな肉を準備するのが一番で、あとは成型の問題です。

・肉の筋は、すべて取り除くとより口当たりがよくなります。がんばってください。僕はあきらめました。

・北海道にはラムスライスの冷凍が売っていますので、それを使ってください。しゃぶしゃぶ用の薄いのでなく、焼き肉用の厚い方です。肉質が柔らかく、向いています。

・グレイビーは滑らかにします。面倒くさがらずにしっかりかき混ぜます。滑らかになることでコクが出て、それでバランスを取っています。あと、ギーは大量に入れます。

・おそらくこの料理は、全体の滑らかさが大事で、玉ねぎやニンニクもペースト状にしたほうが、より滑らか感が増すと思います。お好みでどうぞ。

・片栗粉は、コーンスターチやベイスン(ひよこ豆の粉末)などでも良いです。なんらかの繋ぎは必要です。

・肉はとにかく滑らかに!はい!肉はとにかく滑らかに!

・グレイビーも滑らかに!はい!グレイビーも滑らかに!

・ヨーグルトは、もしかすると、牛乳を混ぜたほうが良いかもしれません。あまり酸味の強い料理ではないと思います。この方法は、宮嶋さんという方のtweetが元ネタです。

 

レンコンのヤクニ nadru yakhni

ヤクニyakhniは、ストックという意味もあるけど、たぶんここでいうyakhniは、もう少し料理名寄りに思えます。詳しくないので信じないでください。ヨーグルトをつかったグレイビーで肉や野菜を煮込んだもので、玉ねぎニンニクトマトは、入ることもあるけど使わないか、つかってもちょっぴり、の方がyakhniらしいと思います。マトンのストックをつかったほうが正統のような気がします。だから、yakhniというのかもしれないけれど、ストックを使う料理はほかにもあるから、何とも言えないところです。そういう意味では、グシュタバもyakhniと言えそうです。わかりません。誰か教えてください。

・レンコン——200g

・ヨーグルト——1.5cup(ひとパック)

・フェンネルシード——小さじ2

・クミン——小さじ1

・クローブ——小さじ1/2

・シナモン——ひとかけら

・チリパウダー——小さじ1/2

・パプリカパウダー——小さじ2

・塩——小さじ1/2

・ギー——大さじ1

①圧力鍋で切ったレンコンを煮る。柔らかくなるまで、15分ほど加圧する。

②鍋にヨーグルトを入れて弱火にかけ、かき混ぜながら煮立てる。クリーミーなグレイビーにしたい。途中で塩やスパイスも足す。トロットしたグレイビーになったら煮ておいたレンコンを加えて5分ほど煮る。

調理のポイントなど

・ヨーグルトがもろもろにならないようにしっかりかき混ぜること。

・レンコンは軟らかく煮たほうがおいしいです。

・チリパウダーとパプリカパウダーは加えない方が多分正統です。味としても余計ですが、色味の関係で淹れたくなります。

・クリーミーにせず、しゃばしゃばタイプでも良いと思います。

 

ほうれん草を柔らかくしたもの palak

ほうれん草を煮たものです。それ以上の説明が難しいです。

 

・ほうれんそう——ひと束

・にんにく——5かけ(皮をむいて縦半分にする)

・ホールチリ——3本

・塩——小さじ1/4

・マスタードオイル——大さじ2

・水——50mlくらい

①鍋にマスタードオイルを熱して、皮をむいたニンニクを炒める。色づいたらホールチリを加える。ほうれん草を

加えてさっと炒め、水を加えて煮る。圧力をかけても良い。ほうれん草が柔らかくなれば出来上がり。

調理上のポイントなど

・圧力鍋を使うほうが楽です。加圧したら、30秒くらいで火を消します。

・個人的には、ほうれん草のあくが苦手なので、水を150mlくらい入れて煮て、煮汁を捨てたほうがすっきりして良いです。

・塩はあまり強くしません。というより、うすめうすめにしないと、すぐにしょっぱくなります。

 

カシミーリプラオ kashmiri pulao

カシミール地方のプラオだからkashmiri pulaoです。現地の方々がそう呼ぶかは不明です。肉が入ることもあります。ナッツやフルーツなんかで飾るのが特徴だと思います。炊くときには牛乳をつかいます。使わないパターンもあります。

・バスマティライス——2cup(洗って水に浸けておく)

・水——3cup

・牛乳——1cup

・サフラン——ちょっと(お湯につけておく)

・玉ねぎ——1個(繊維に沿ってうす切り)

・ギー——大さじ2

・カシューナッツ——大さじ2

・アーモンド——大さじ2

・レーズン——大さじ2

・シナモン——ひとかけら

・クローブ——ひとつまみ

・ベイリーフ——2枚

・飾りたいものがあれば

・塩——小さじ1ちょっと

①フライドオニオンを作る。サラダ油1/2cup程度(分量外)を熱して玉ねぎを揚げ焼きにする。

②違う鍋、もしくは先ほどの鍋を一度洗ってからつかう。ギーを溶かして、ナッツを炒める。色づいたら取り出す。次にレーズンを炒める。膨らんだら取り出す。焦げやすいので気をつける。残ったギーにホールスパイスを加えて熱する。香りが出たら、水と牛乳を加えて沸かす。塩とサフランも入れる。沸いたところに、浸水させた米を加える。米はザルに揚げて水を切っておく。

③時々ゆすりながら強火で煮る。水が減って米の面より下がったら蓋をして弱火で6分ほど炊く。

④炊けたご飯に、フライドオニオン、ナッツ、ドライフルーツ、生のフルーツ、などを飾る。

調理上のポイントなど

・牛乳を使うので、米の炊き方が難しくなります。今回は水:牛乳=3:1ですが、もっと牛乳を増やしても良いです。牛乳が多くなればなるほど、リゾットのようになって、米が伸びにくく、芯が残りやすいです。なので、牛乳を水と同じと考えて米との比率をきめると、生煮えっぽくなります。きもち水分多めにします。今回は料理教室用ということで、米をある程度伸ばしたいので、この比率です。

・ナッツは刻んだ方が食感のバランスとしては良いと思いますが、お好みでどうぞ。アーモンドは縦割りっぽくした方が私は好きです。

・レーズンやザクロを散らすことで酸味が加わり食べやすくなります。リンゴを刻んだもの、ブドウ、なども良いと思います。コリアンダーリーフというよりは、ミントを散らしたいです。

・米を油で炒めるやり方もありますが、そうすると米の表面が荒れやすいので、このレシピでは炒めません。お好みでどうぞ。

・フライドオニオンを一緒に炊き込んだり、ターメリックで色づけたりしても良いです。砂糖を加えるのも良いと思います。

 

当日、レンコンのヤクニはグシュタバと被るな、と思い、レンコンのカシミールっぽいパコラにしました。

レンコンを細く縦に切ります。結構細くです。

チリパウダー、パプリカパウダー、クミン、塩、をまぶします。赤くなるくらいパプリカパウダーを入れます。

そこに、何らかの粉、小麦粉、米粉、豆粉、コーンフラワー、などを加えてよく混ぜます。

油で揚げます。おいしいです。