人類の夢、ハンバークカレーご飯、マトンコフタビリヤニのレシピ

ビリヤニbiriyaniとは、米料理のひとつで、肉を具とするのが基本です。海老や魚や野菜、卵やパニールでも作れますが、基本は肉です。コフタは、肉団子のようなもので、つまりハンバーグです。だからハンバーグカレーごはんです。すばらしいですね。おいしいことがすでに約束されています。

今回は、おなじみのライタというヨーグルトサラダ、それからベジコルマを作ります。新年一回目の料理教室のレシピです。

コフタビリヤニのざっくりとした流れ

大体の流れはこうです。

①玉ねぎ、トマト、ヨーグルトでグレイビーを作る

②肉を挽いて団子にして、グレイビーで煮る

③米を半茹でにして、肉団子カレーと合わせて炊く

簡単ですね。実に簡単ですが、できれば人に作ってもらいたい、自分の手では作りたくないかんじですね。何故でしょう。でも、その分、ひとに作ってあげたると喜ばれること必至なので、ご活用ください。

材料の一覧は最後にのせます。各工程の解説にはいります。完成品はこんなかんじです。

玉ねぎ、トマト、ヨーグルトでグレイビーを作る

いわゆるカレーっぽいものを作ります。

・サラダ油——1cupくらい

・玉ねぎ——大きめの2個(繊維に沿ってうす切り)

・ニンニク——8かけ(生姜と合わせて挽くか潰す。ジンジャーガーリックペーストでも可)

・生姜——にんにくと同量

・青唐辛子——2本(みじん切り)

・トマト——1個(みじん切り)

・ターメリック——小さじ1/2

・チリパウダー——小さじ1

・コリアンダーパウダー——小さじ1

・塩——小さじ1.5

・ヨーグルト——1/2cup

・水——150ml程度

●ビリヤニマサラの配合

温める程度に乾煎りして粉末にする

・クミン——小さじ1

・ブラックペッパー——小さじ1

・グリーンカルダモン——小さじ1/2

・クローブ——小さじ1/2

・シナモン——小さじ1/4

・ブラウンカルダモン——1個

・スターアニス——2かけ(八角のうちの二角)

①大きめのフライパインにサラダ油を熱して、薄切りにした玉ねぎを炒める。フライドオニオン状になったら半量を取り出す。ニンニクと生姜のペーストを加えて香りが出たら、トマトと青唐辛子、塩、を加えてさらに炒める。②トマトが完全に崩れたら、ヨーグルトを加えて少し煮込む。最後にスパイス類を加えてひと煮立ちさせる。このままでは粘度が高すぎでコフタを煮込めないので、すこし水を足す。シャバシャバにならないよう少しずつ加える。

異様に玉ねぎが黒く写っていますが、実際はきつね色です。多分ジンジャーガーリックとの対比です。

これくらいの粘度だと、ちょっと水が足りなくなるかもしれないです。後で足せばよいのです。このグレイビーで野菜を煮込むと、「野菜なのにおいしいカレー」になります。ベジビリヤニにも向いています。

肉を挽いて団子にする、そして煮る

基本的には、ハンバーグと同じです。そして、肉団子を作る前に、バスマティライスとサフランの準備をしておくと良いと思います。詳しくはのちほど。

・マトンorラム——600g

・玉ねぎ——1/2個(みじん切り)

・ポピーシード——大さじ1(無いなら省略可)

・片栗粉——大さじ2(詳細は後述)

・チリパウダー——小さじ1

・コリアンダーパウダー——小さじ1

・クミン——小さじ1(カルダモンと挽いておく)

・カルダモン——4粒

・ナツメグ——ちょっぴり

・ガラムマサラ——小さじ1

・塩——小さじ1

①玉ねぎ以外の材料を全てフードプロセッサーに入れ、ちょっと粗さが残るくらいに挽く。フードプロセッサーがない場合は包丁で叩いて作る。

②挽いた肉とみじん切りの玉ねぎを大きめのボールにれてよく混ぜ合わせる。

③手にサラダ油を塗って、俵型っぽく成型する。サラダ油は、適宜手に足していくので、皿かなんかに出しておくとやりやすい。

④グレイビーの中に、そっと並べていく。並べたら蓋をし、中火で煮る。全体が煮立ってコフタが固まって来たら、そっとコフタを裏返し、さらに弱火で2分ほど煮る。あまり火を通しすぎるとパサつく。最後に米と炊くので、多少中が生っぽくて大丈夫。ひっくり返せるくらいに固まればそれでOK。

 

※お気づきの方もいらっしゃると思いますが、片栗粉が使われています。邪道ですね。使わない方が、より、ミチっとした肉感の強いコフタになります。おいしいです。十分美味しいです。ただ、今回は。夢感を増すために、片栗粉を加えます。ふわっとなって、より夢の食べ物になります。お気に召さない方は、そのまま片栗粉を抜いて作ってください。

 

ちょっと玉ねぎの切り方が粗いですね。もうちょっと細かい方が良いと思います。

敷き詰めています。

 

ひっくり返しています。火の通し方は、けっこうぎりぎりを攻めます。

これでコフタカレーが出来上がりです。これでもう大丈夫です。

次は、米を茹でます。

米を半茹でにして、コフタカレーと合わせて炊く

まず、バスマティライスを浸水させておきます。一時間くらいです。なので、この段階にきて米の封を切るようだと遅いです。コフタを作り始める前には水に浸けはじめた方が良いと思います。

家にある一番大きい鍋を使います。出来ればそこが平たい鍋の方が良いです。厚手なら尚よいです。それで炊きます。炊き鍋です。

そして、二番目に大きい鍋も持ってきてください、お願いします。これで、米を茹でます。茹で鍋です。

・バスマティライス——4cup(1cup=200ml)

・水——2500ml

・塩——小さじ2ちょっと

・サラダ油——おおさじ1

・カルダモン——小さじ1/2

・クローブ——小さじ1/2

・シナモン——5cmくらい

・ベイリーフ——3枚

・ブラウンカルダモン——1個

・スターアニス——1個

・クミン——小さじ1/2

・ギー——大さじ3

・ケウラウォーター——小さじ1

・サフラン——ひとつまみ(大さじ2程度のお湯に浸しておく)

①茹で鍋にお湯を沸かす。ちゃんと2500mlを量る。沸騰したら、塩、サラダ油、スパイス、を全て加える。

②もう一つの鍋、炊き鍋の底に、茹で汁を100ml弱 移す。そしてギーとケウラウォーターも加える。弱火にかけて温めておく。

③茹で鍋に、ざっと水を切った米を加えて最大強火で再沸騰させる。沸騰したら中火くらいに落とす。食べると、まだ芯がクキっと残るくらいの五分茹での米を、ザルか網杓子で取り出し、炊き鍋に移す。この時、水は切ってから移す。全体の半量を、順次移していく。

④炊き鍋の米を均して平らにし、その上に、コフタカレーを温めなおしてから重ねる。とっておいたフライドオニオンも散らす。その作業をしている間に米はどんどん火が通っていくので、おそらく7分茹で位の米を、カレーの上から重ねていく。同じように水は切ってから重ねる。そうして、最後は、9分茹で位の米が一番上に来る。最後に、サラダ油大さじ3程度とサフランを上からかけて、蓋をする。

⑤炊き工程。強火で底にたまっている水分を沸騰させる。蒸気が上がって来たら弱めの弱火にして、10分程炊く。ふたを開けて様子を見て、米が伸びきっていなければ、蓋をして火を消し、蒸らす。

 

油と塩とスパイスですでにおいしい

炊き鍋のほうに、100ml弱移して、ギーとケウラウォーターです。サフランが写りこんでいます。

茹でます

 

ちなみに、こういう揚げ物用のこれがあると便利です。

 

すくっては移し、すくっては移し、です。最初にすくった米が、炊き鍋の、一番下にきます。火に一番近いです。なので、炊き加減が自動的にちょうど良くなります。美しい仕組みですね。

カレーをかけます。このときにしゃばしゃばだとまずいです。粘度高めの、トロトロ系にしましょう。もしくは、もっと飛ばしてドライ系にするのも楽しいです。ここに、とっておいたフライドオニオンを散らします。

さらに重ねて、サフランとサラダ油を回しかけます。

強火にして蒸気が上がったら火を弱め、10分から15分くらいです。上の米が伸びたらオッケーです。ちょっとこの写真だと、上の米の伸びが足りないので、この後ふたをして10分ほど蒸らします。この辺りは調整してください。

 

ということでビリヤニが出来上がりました。

ライタと、それからコルマを作って一緒に食べます。

コルマのレシピはこちらです。ライタは、このあたりにあります。

これで一応の内容は終わりなのですが、色々と気になることがある御方は、スクロールして下まで行ってください。このレシピの意図や工夫している点などを書き連ねてあります。

それでは、レシピをまとめておきます。

 

このレシピで6人分くらいです!

コフタの材料

・マトンorラム——600g

・玉ねぎ——1/2個(みじん切り)

・ポピーシード——大さじ1(無いなら省略可)

・片栗粉——大さじ2(詳細は後述)

・チリパウダー——小さじ1

・コリアンダーパウダー——小さじ1

・クミン——小さじ1(カルダモンと挽いておく)

・カルダモン——4粒

・ナツメグ——ちょっぴり

・ガラムマサラ——小さじ1

・塩——小さじ1

①玉ねぎ以外の材料を全てフードプロセッサーに入れ、ちょっと粗さが残るくらいに挽く。フードプロセッサーがない場合は包丁で叩いて作る。

②挽いた肉とみじん切りの玉ねぎを大きめのボールにれてよく混ぜ合わせる。

③手にサラダ油を塗って、俵型っぽく成型する。サラダ油は、適宜手に足していくので、皿かなんかに出しておくとやりやすい。

④グレイビーの中に、そっと並べていく。並べたら蓋をし、中火で煮る。全体が煮立ってコフタが固まって来たら、そっとコフタを裏返し、さらに弱火で2分ほど煮る。あまり火を通しすぎるとパサつく。最後に米と炊くので、多少中が生っぽくて大丈夫。ひっくり返せるくらいに固まればそれでOK。

 

グレイビー部分

・サラダ油——100mlくらい

・玉ねぎ——大きめの2個(繊維に沿ってうす切り)

・ニンニク——8かけ(生姜と合わせて挽くか潰す。ジンジャーガーリックペーストでも可)

・生姜——にんにくと同量

・青唐辛子——2本(みじん切り)

・トマト——1個(みじん切り)

・ターメリック——小さじ1/2

・チリパウダー——小さじ1

・コリアンダーパウダー——小さじ1

・塩——小さじ1.5

・ヨーグルト——1/2cup

●ビリヤニマサラの配合

・クミン——小さじ1

・ブラックペッパー——小さじ1

・グリーンカルダモン——小さじ1/2

・クローブ——小さじ1/2

・シナモン——小さじ1/4

・ブラウンカルダモン——1個

・スターアニス——2かけ(八角のうちの二角)

①大きめのフライパインにサラダ油を熱して、薄切りにした玉ねぎを炒める。フライドオニオン状になったら半量を取り出す。ニンニクと生姜のペーストを加えて香りが出たら、トマトと青唐辛子、塩、を加えてさらに炒める。②トマトが完全に崩れたら、ヨーグルトを加えて少し煮込む。最後にスパイス類を加えてひと煮立ちさせる。このままでは粘度が高すぎでコフタを煮込めないので、すこし水を足す。シャバシャバにならないよう少しずつ加える。

 

 

米パート

・バスマティライス——4cup(1cup=200ml)

・水——2500ml

・塩——小さじ2ちょっと

・サラダ油——おおさじ1

・カルダモン——小さじ1/2

・クローブ——小さじ1/2

・シナモン——5cmくらい

・ベイリーフ——3枚

・ブラウンカルダモン——1個

・スターアニス——1個

・クミン——小さじ1/2

 

①茹で鍋にお湯を沸かす。ちゃんと2500mlを量る。沸騰したら、塩、サラダ油、スパイス、を全て加える。

②もう一つの鍋、炊き鍋の底に、茹で汁を100ml弱 移す。そしてギーとケウラウォーターも加える。弱火にかけて温めておく。

③茹で鍋に、ざっと水を切った米を加えて最大強火で再沸騰させる。沸騰したら中火くらいに落とす。食べると、まだ芯がクキっと残るくらいの五分茹での米を、ザルか網杓子で取り出し、炊き鍋に移す。この時、水は切ってから移す。全体の半量を、順次移していく。

④炊き鍋の米を均して平らにし、その上に、コフタカレーを温めなおしてから重ねる。とっておいたフライドオニオンも散らす。その作業をしている間に米はどんどん火が通っていくので、おそらく7分茹で位の米を、カレーの上から重ねていく。同じように水は切ってから重ねる。そうして、最後は、9分茹で位の米が一番上に来る。最後に、サラダ油大さじ3程度とサフランを上からかけて、蓋をする。

⑤炊き工程。強火で底にたまっている水分を沸騰させる。蒸気が上がって来たら弱めの弱火にして、10分程炊く。ふたを開けて様子を見て、米が伸びきっていなければ、蓋をして火を消し、蒸らす。

 

TIPS

コフタに片栗粉が入っているぞ!?なんだこれは??

お怒りはごもっともです。インド料理原理主義者ですね。もしくはつなぎ無しを謳うハンバーグ、さわやかの常連様ですね。どうもこんにちは。片栗粉は、抜いてもかまいません。より肉感のつよいコフタになります。みちっとします。おいしいです。おいしいのですが、夢がありません。今回のビリヤニは、コフタビリヤニ、もといハンバーグカレーご飯です。片栗粉などのつなぎを入れると、コフタは、ふわっとします。やわらかくなります。夢が膨らみます。だから今回は、あえて片栗粉を加えました。なんなら牛乳に浸したパンを加えても良いかもしれません。真面目な話をします。片栗粉が入らないと、みちっとした肉になり、それはそれでおいしいのですが、米との馴染み方、という点を考えると、ちょっと浮いてしまうかな、と思います。ビリヤニはそもそも、勢いをもって食べるものだと私は考えておりますので、すこし柔らかめのコフタの方が勢いが出る、とも思います。

 

なぜこのような炊き方をするのか

肉に火を通しすぎず、かつ、米をふわっとさせ、染まった米を少なくしたいからです。米の処理として、茹でないで炊いても良いです。こちらの海老ビリヤニがそのような作り方です。これのエビカレー部分をコフタカレーにすれば、おいしいビリヤニになると思います。それでも良いです。ただ、今回は、米をもう少し軽くしたかったのです。炊いた米にマトンコフタだと、ちょっと重いです。沢山食べられません。茹でると、デンプンが抜けて軽くなります。がつがつ食べられます。ということで、今回は、米を茹でるタイプのビリヤニにしました。

そして、なべ底に水とギーとケウラウォーターを敷いて、その上に茹で加減の違う米を重ねる、というのは、どちらかというと、カッチビリヤニ的な発想です。本来、その場合は、生肉を鍋底に敷き詰めてその上に米を重ねていくのですが、それをコフタでやった場合、失敗することが目に見えています。やはり最初にカレーを作りたいです。そして、最初にカレーを作って炊く場合は、レイヤーにすることが多いです。日本ではなぜかそのやり方が人気な気がするのは僕だけでしょうか。単純なレイヤーの場合は、フライパンでカレーを作って、その上に半茹での米を重ねて炊く、というやり方です。もう少し手をかけると、肉だけを取り出して鍋底にグレイビーを残し、米を重ね、取り出した肉、米、肉、というかんじです。このやり方の問題点は、肉に火が通りすぎることと、焦げる可能性があることです。鍋底にグレイビーや肉があると、焦げることがあります。それは避けたいのです。また、骨付きの肉と違いコフタは火が通りやすいので、鍋底に置くと、硬くなってぱさぱさになります。なので、鍋底に茹で汁とギーで焦げ防止&炊くための水分、という今回の方法を採用しました。

また、米の茹で加減をずらしているのは、それが製法上自然なことだからです。だいたい、米を全て半茹でにしてザルに揚げ、それを順次重ねていくのですが、これだと、どうしてもムラが出来やすくなります。鍋底のほうが崩れやすくなります。SNS上で見かけるビリヤニで良く見受けられる、いまいちな点は、米が崩れてべちゃっとしていることです。このコラムでも長々書きましたが、米は綺麗に伸びて形を保っていてほしいです。原因として挙げられるのは、多層構造にする意識が強く、グレイビーの水分が多くなりすぎること。それから、米の茹で加減を均一にすることで、仕上げるときの鍋の中で、火の通り方にムラが出来てしまうことです。だから、鍋底には半茹で、上の方は、8分茹でくらい、としています。作ってみればわかりますが、茹でながら、ほいほい、と米を移していけば、自然と茹で方に勾配が出来て、それをひっくり返す形で炊くので、丁度良くなります。長くなりましたが、だいたいそんな感じです。

 

コフタの形は、これはなんですか?丸じゃないの?

はい、肉団子にすると、あまりにミートボールになるため、少し格好つけました。コフタというと、丸いものを指すような気もするのですが、まあ、気にしないでください。気になる方は丸くしてください。

 

サフランって必要ですか?

無くても良いです。あったほうがエキゾチックなかんじになります。見た目も綺麗です。着色料で代用できます。

 

ケウラウォーターって何ですか?

ケウラウォーターは、これです。一本の物のリンクが貼れなかったので、三本入りのリンクです。

何かの植物のエキス的なものらしいのですが、僕には、森永のアロエヨーグルトの香りに思えます。ほんとうに植物由来なのか怪しい気もします。sunvalleyhotelの方が言っているケミカルって、これのことなのでしょうか。ちょっとわかりません。詳しい方がいらっしゃいましたら教えてください。

 

バスマティライスはどこのブランド?

これです。アンビカです。ラルキラのマジェスティックです。長いです。

https://www.ambikajapan.com/JP/product.aspx?id=2009