おいしいサラダの三要素「 たっぷりの葉っぱ・たまご・だばだばオイル」 


サラダは家で作るとおいしい。外のサラダはおいしくない。よく考えたら論じるほど外で食べてはいないから無責任に言うけれど、キャベツにマヨネーズで、はいサラダ、とか、キャベツにドレッシングとか、キャベツにマヨネーズとか、とにかくキャベツは好きだよね。あとレタス。くし形のトマト、味のないきゅうり、乾いた人参の千切り、と続く。そういう干ばつ地帯で育ったら、サラダが好きになるわけはないと思う。僕も、全然好きではなかった。当たり前だよね。でもサラダはおいしい。自分で作るとおいしい。とにかくたっぷり作って、オイルをだばだばかけて、ねちっとカリッとしたバゲットもあったら嬉しい。しかもヘルシー。野菜だから無条件にヘルシー。

札幌も、遅ればせながら暖かくなってきていて、ようやくモノクロの世界に緑が射してきた。 最近よく作るサラダをつくる。 フランスはルーアンに住んでいるせいこちゃんの作るサラダがおいしくて、なぜおいしいのか考えたのだけど、気前が良いんだよね。サラダは気前よく作るとおいしい、これが基本。だから、気前よく、おいしいサラダを作ろう。まずは朝、葉っぱを買う。 八百屋でサニーレタスかリーフレタスを買う。ところであの、ふつうのレタスって、日本のふつう野菜10選に入っているけど、けっこう癖が強い変な食べ物だと思う。水っぽくて苦い。食感も変で、くしゃっとしている。あれは火を通して食べるもの。台湾いきたい。

パーティー用じゃなく三人分

ということで、葉っぱは、レタスとキャベツ以外が良い。しがみついてくるキャベツとレタスを頭から追い出すのが大事。できれば新鮮なほうが良いけど、朝どれにはこだわらない。こだわるのはよくない。拘りだから。ほんとうは、クレソンとかルッコラとかロケットとか、そういう香りのある野菜が混ざると頭の中が幸せになる。あったら買う。高かったらあっても買わない。そして、目についた野菜を買う。今の札幌なら、アスパラ、インゲン系、カリフラワーが出ている。
大体の野菜は、生か茹でるか焼くかして、サラダに出来る。蕪なら、生で薄切りか、焦げ目がつくくらいに焼いて、焼き野菜にして添える。おしゃれ。 胡瓜とトマトもある。イオンで売っていた「天然水トマト」というのがすっぱくておいしかったのだけど、あっと言う間に売らなくなってしまった。悲しい。最近はマッシュルームが売っていて、それも買う。生で食べるのはあんまり健康上よろしくないみたいだけど、おいしいからオーケー。コーラが体に良いのと同じ理論。コーラは強烈においしい。今回は、マッシュルームとアスパラにした。冷蔵庫にトマトもあったから使う。

そう、おいしいサラダの三要素として、「葉っぱ」がある。キャベツじゃなくてレタスじゃなくて、葉っぱっぽものをメインにしよう、ということ。もちろん多めに買う。たっぷりが基本。

卵も欲しい。茹で卵はおいしい。安さが身上のイオン卵より、100円くらい値の張るものを選んでおくと、卵の味がするので、良いと思う。ひとり二個は載せたい。サラダは、どうあってもヘルシーなのだけど、動物性の味を入れると、ヘルシーおいしいになる。だから、卵が欲しい。チーズも欲しい。パルミジャーノをたくさん削ってかけるのが最近の流行り。これがおいしいサラダの、2つ目の要素。動物性たんぱく質が大事、ということ。コンフィを山ほど乗せる、というのも当然おいしい。フォアグラも好き。日本ではちょっと難しいけれど。

買い物が終わってさあ作ろう、ということで、最初に葉っぱを処理する。洗って、しっかり水を切る。スピナーか、ダイレクトに布巾でも良いと思う。とにかくしっかり切る。いいか、おじさんとの約束だ。葉っぱの水はしっかり切ってくれ。たのんだぞ。そして袋に詰めて冷蔵庫にイン。これで一番大事な仕事は終わり。

次に火を使う。卵を茹でる。好みの硬さで茹でておく。ちょっと黄身が柔らかいくらいのほうがおいしいかな。みちみちの固ゆでが好きな人はそれでも良い。アスパラは、生で食べられないこともないけど、さっとゆでておく。これで火は終わり。よしよし、もうすこし。

ナイフを片手に、ささっと皿の上で調理すると、間違いなく激モテすると思う。でもまな板で切ったほうが早い。夢をとるか実を取るか。大皿の上に葉っぱを敷いて、たくさん敷いて、それから、ほかの野菜を重ねていく。ひとり大皿一枚。これは大事。小皿じゃなく大皿。トマトもマッシュルームもアスパラも茹で卵も。あ、茹で卵は、手でちぎったほうがおいしいと思う。白身のぶりっと感が減る気がする。おすすめ。

見た目の美しさを求めるなら、いくらでも工夫が出来そう。僕は実用性の中に美を求めるほうだから、簡潔に、ふつうに、まともに、そして適当に重ねていく。もしも、冷蔵庫にあるならば、オリーブとかケイパーとかピクルスとか、そういうものが入ると、幸せが増す。特にオリーブは強い。おいしいサラダの三要素、3つ目は、オイルだばだば、つまり植物性の油分で、オリーブは、油分がたっぷり。オリーブオイルとしてもかけるし、実も、そのままでも食べる。オリーブは強い。葉っぱの形も可愛いし。かける油はなんでもよくて、僕は、香り薄めのオリーブオイルをだばだばかけるのが好き。太白ごま油とかグレープシードでも良いと思う。好きな油を、とにかくたっぷり。え?こんなに?と思うくらいのさらにその先に、おいしいサラダがある。そう、塩だけれど、強くしすぎないように。ゼロでもよいくらい。かけるにしても、ドレッシングほどの塩分量をもとめると、サラダが台無しになる。ここはちょっと舌を切り替えて、ビネガーもちょっとかけて、たっぷりのサラダを食べる。

もしおいしいバゲットが手に入るなら、添えると、食べらさる(北海道方言。食べこむ、くらいの意。受動態の表現で、意志と関係なく食べらさる、という含意)。札幌なら、コロンのバゲットが好き。

たっぷりの葉っぱ(レタスキャベツを除く)に、おそれず動物性たんぱくを加えて、そしてオイルだばだば、これがおいしいサラダの3要素だと思う。

一応レシピを。ふたり分です。

サニーレタスorリーフレタス——1袋

マッシュルーム——6個くらい(キッチンペパーなどで拭いてから薄切り)

たまご——4個

グリーンアスパラ——8本くらい(さっとゆでる)

トマト——1個(一口大に切る)

塩——ひとつまみ

黒胡椒——ちょっと

オリーブオイル——ひとり大さじ5くらい(もっとかけても良い)

オリーブ・ケーパー・チーズなどなど好きなものを加える

①葉っぱは、洗って食べやすい大きさにちぎる。すこし水にさらしてから、念入りに水を切る。袋などに入れて冷蔵庫に入れておく

②ゆで卵を作る。大きさにもよるけれど、水から茹でて、沸騰してから7、8分で良いかんじになるはず。殻をむいて、一個を手で三つに割っておく。

③大皿に葉っぱを敷き、そのうえにその他の具材をのせていく

④塩ひとつまみと、ひいた黒コショウをぱらっとかける。オイルをたっぷり、ひとり大さじ5くらいかけて食べる。ビネガーもかけるとおいしい。