イルニードデルパストIL NIDO DEL PASTO の口コミ

食べログに投降したけど、他のレビューもたくさん書かないと反映されないらしい。やってられんよそんなこと!ということでブログに転載します。

イルニードデルパストというバスセンター前駅近くのイタリアンです。

読む人が読めば一発でわかるし、特定を全く恐れていない書き方だね!

 

 

『良くも悪くもプロの味』

〇概要

週末ランチコースひとり2750円を注文しました。2人での利用です。
前菜、パスタorリゾット、デザート、をそれぞれいくつかある選択肢から選べます。
小さいスープとフォカッチャもつきます。
プラス料金のメニューが多く、ドリンクは別注となります。
会計は二人合わせて8000円ほどでした。

〇注文したもの

・ニシンのマリネ
・ガランティーナ +550円 (鶏肉で巻いたハムのようなもの)
・アサリのスパゲティ+880円(二人分なのでひとりあたり+440円ということ)
・ピスタチオのセミフレッド+550円
・トルタチョコラータ
・ウーロン茶300円
・エスプレッソ150円

これで合計7930円のはずです。

思い出せる範囲で、他の選択肢も列挙します。

*前菜
コットハム
鶏レバーのテリーヌ
ガランティーナ +550円
サバのマリネとシャインマスカット+880円(二人分)
カプレーゼ風サラダ+550円

*パスタ
ペコリーノチーズのラビオリ
トマトとチーズのパスタ(二人分)
ミラノ風サフランのリゾット+1100円(二人分)
アサリのパスタ+880円(二人分)
ウニのリゾット1500円(二人分)

*デザート
プリン
パンナコッタ?
ラム酒とキャラメルのジェラート
タルトチョコラータ
ピスタチオのセミフレッド+550円
桃のコンポートと何か+880円

〇感想

訓練を受けたプロが作ったのだな、という味です。おいしいと表現する人が多いのもわかります。しっかり食べさせると言うよりも、ワインを飲みながら食べるような方向性だと思います(ワインを注文している人はいなかったように思いますが)。お腹を空かせて行くと、すこし物足りなく感じるかもしれません。個人的には、腹6分目くらいでした。ちょっとどういう風に使えば良いかわからないレストランでしたが、プロが作った味がするので、その部分に価値を認める方にはお勧めします。

 

以下、細かい情報と個人的な感想です

〇料理ごとの感想

・ニシンのマリネ
しっかり酢で締められており、塩も強めです。ニシンの上にカットされたオレンジ(違う柑橘かも)が載せられています。

・ガランティーナ +550円 (鶏肉で巻いたハムのようなもの)
2cmほどの厚さに切られたガランティーナが1枚に、ホワイトアスパラガスのピクルス(レジの横で瓶詰めで売られている)が乗っています。細かく砕いたピスタチオも飾られています(セミフレッドにも使われているね。たくさん仕入れたのかな)。詰め物はレバー感が強いわけではなく、ハムだね…という味です。

お皿を持ってオットットと傾けてしまったかのように料理が右側に寄っているので何かと思ったら、別の皿に二人分の葉っぱのサラダが運ばれてきて、空いている空白部分に自分で野菜を盛り付けてくれとのことでした。別テーブルのひとり客の皿には初めから盛り付けられています。イタリアンには詳しくないのですが、二人分での注文を要請するパスタのことも考えると「取り分ける」という行為がイタリアンレストランでは一般的なのか?と思いました。葉物野菜は、薄い食感のリーフレタスが何種類かと少しイタリアンパセリも混ざっていました。酢と塩はしっかりめについていたと思います。個人的に一番おいしかったのはこのサラダでした。

・アサリのスパゲティ+880円
ごわっとした食感の硬いパスタ(1.6mmかな?)に、多めのアサリが使われています。パスタが少ないからアサリが多く見えたのかもしれません。刻んだイタリアンパセリがたっぷり使われています。アサリのうまみ全開!!かと思いきやそうでもなく、塩気が強いなと感じました。芯がしっかり残っているのでよく噛まないとおなかが痛くなりそうでした。

・トルタチョコラータ
どれを注文するか考えるときに「これくらいプラス料金が多いということは、オーナーの性格は大雑把ではなく原価をきっちり切り詰めるタイプだな」と思ったので、デザートは原価が低めでもおいしく作れるチョコレートタルト(ハーシーズでもチョコは美味しい)にしました。イタリアンでタルトは焼き物を指すのですね。温められてふわっとした、甘みの強いチョコレートケーキにイチゴジャム味のジェラートが添えられていました。

・ピスタチオのセミフレッド+550円
セミフレッドは美味しいですよね。思ったよりも冷たくないタイプでした。卵黄とクリームの味がしました。たしか、ピスタチオ以外のナッツ(アーモンド?)も入っていました。

・烏龍茶300円
一番安いペットボトルの烏龍茶と違い、茶葉から抽出したような味がしましたが、最近のペットボトルのレベルが上がっている可能性もあるので何とも言えません。

・エスプレッソ
ネスプレッソかな?という味でした。苦くておいしいです。

 

〇気になったこと

あくまで個人的な感想ですが、プラス料金の扱いについて、なんだかもやっとした気持ちになりました。はじめに提示されていた金額は2750円です。個人的な考えとしては、これが店から客に提示された基本線です。この金額でとりあえずは満足させるから来てくれ、というオファーです。メニューにプラス料金を設定すること自体には賛成します。原価が明らかに高いものをメニューに組み込む時の、手段の一つだと思います。個人的な解釈では、プラス料金は、燃料サーチャージ、もしくはもしくは、ウニを食べたいなら別料金払ってね、です。最近行った別の店では、ハラミのステーキとムールフリットはプラス料金となっていて「ムール貝と牛肉高いもんね…」と納得しました。このお店においては、プラス料金はそのような扱いではありません。単純に、ディナーメニューとの兼ね合いでしょうか。リストの中で一番安いメニューを選んでコースを組み2750円と値段をつけて、それ以外のメニューを頼むと、一番安いメニューとの差額分がそのまま乗る、という仕組みに思えます。

想像してみて欲しいのですが、「ニシンのマリネ」と「サバのマリネとシャインマスカット+880円」となっていたら、シャインマスカットが何粒載ってくると期待しますか?ニシンとサバの価格差はたかが知れています(むしろニシンの方が処理大変そう)。ブログを見ると、シャインマスカットは一人当たり一粒です。
「ニシンのマリネ」と「ガランティーナ+550円」となっていたら、さぞや立派なガランティーナが出てくると思いませんか? 「桃のコンポートと何か+880円」は、もしかしてパフェサイズのものが来るかも、と期待しませんか? イタリアンに不慣れだからなのか世間知らずだからなのか、私はすこしだけ期待しました。

もちろん原価も場所代も人件費もかかる飲食店の大変さは、少しは想像できるつもりです。それでも、コースの初めから終わりまでずっと「原価苦しいんすよ、これしか出せなくても仕方ないんすよ」というメッセージしか伝わってきませんでした。制限がある中でなんとか満足して帰ってもらおう、という情熱は感じられませんでした。それなら値上げしたら良いのでは?と思いますが、2750円と低めに提示したい理由があるのでしょう。
割高感の強い食事だったな、というのが正直な感想です。2750円は最低価格であり、その金額では最低限のものしか出せません、という意味合いだと思うので、それを承知で食べに行くなら、嫌な気持ちにはならないのかもしれません。

 

 

※2022/08/01 追記

パスタが硬いのは、本場のパスタは硬いからだ、というようなツィートがありました。なるほど、そうなんですね。wikipediaによるとローマではパスタが特に硬いらしく、鉄のアルデンテと呼ばれるとか。そして、店員Aに指摘を受けて思い至りましたが、僕はこのお店に食べに行ったの初めてではなく、数年前に一度(二度だったかも)ランチを食べに行っていました。パスタが硬かったという記憶はありません。今回くらい硬かったら覚えているような気がします。メニューによる違いかもしれないし、僕の記憶違いかもしれません。その時も「はあプロの味やな」と思った記憶があります。一応の追記でした。