雑記2019/02/07「いかに下に潜り込むか」「いわきFCブラジル代表」

2019/02/07

●いかに下に潜り込むか

人間関係は、バランスが大切だと思っている。してもらうばっかりでなく、してあげるばっかりでなく、ちょうどよく。僕の大叔母は、ちょっと自分が損してるかな、くらいに、相手にしてあげなさい、と言う。わかったよ、しずえさん。料理が得意だから、人に作ってあげるのは好き。でも、作ってもらうのも好き。デンスケ、という、素晴らしいを通り越して理解不能なレベルの定食屋さんがあった。去年閉店した。すごく手がかかっている定食だった。漬物も大根おろしも、ちゃんとしていた。そこで、補給ができた。作ってもらう欲がある程度満たされた。話がそれたけど、僕はあんまり相手にご馳走してもらったり何かしてもらうのが得意じゃないところがある。してもらうのは好きだけど、ちゃんと返したい。バランスをとりたい。そう思っている。さて、僕の兄弟の話。「人間関係は、いかにして下にもぐりこむかだ」と言っていた。びっくりした。いかにして甘えるか、いかにしてかわいがられるか、いかにして末っ子ポジションをとるか、そういう話だと思う。商人の姿勢の話をしているのではない。絶対ちがう。デンスケの親父は、絶対僕のことを好きじゃなかったろうし、たいして性格の良い人間でもないのだろうけど、できることなら、うちに招いてご飯を作ってあげたいと思った。僕のそのバランス感覚は変なのだと思うけど、下に潜り込むくらいなら、上滑りしても良いから、ひとに何かをしてあげられる人でありたい。そして受け取るものは受け取りたい。

●いわきFCブラジル代表

ブラジル人の動きが好き。アフリカ系も良い。僕にとってスポーツを見る面白さの8割は、体への興味。日本人にはあまりいない、柔らかいけど速い動きって、見ているとうっとりする。でも、今日、最近のブラジル代表を見て、あれ?と思った。

動きが、硬くはありませんか。いわきFCかこれは?見ていて全然面白くない。最近はネイマールとかデンベレの動きばかり見ていたからなおさらそう思うのか。上体は、背中が固まっているのはまだしも、前腕まで力が入っていて、それがガシガシ動いているかんじ。色気も何もない。もっと、上体と下半身が別々に動いて相手を欺いたり、駆け引きしたり、そういうのが見たい。2012年のメンバーは、ブラジルの香りがする。Wildeもいるしね。

やっぱり、この時の人たちは、僕の思うブラジルっぽさがある。具体的に言うと、上体の向きと違う方向へのパスが滑らか。体をきれいにひねることができている。ひねりだけでなく、動きの初動が、胸の下あたりからはじまっている。だから、脚が長く、すらっと見える。ネイマールはわかりやすい。2019年の人たちは短足に見える。テクニシャン系じゃないARIとかNETOだって、動きが滑らか。これだよね、ブラジルっぽさは。別に見た目の美しさだけでなく、柔らかく動けると、プレイをぎりぎりまで変更できる。だから駆け引きができる。動きの硬い人は、右に行くときは、体全体が右に行く、左に行くときは、重心も全部左に行く。だから、ドリブルのフェイントが、意味をなさない。見ていて面白くない。

全然詳しくないけど適当に予想すると、フットサル界の潮流があるのだと思う。2010年にルール改正があってスライディングがOKになって、敵のプレッシャーがより強くなった。それで、フィジカルコンタクトを前提とした体づくりをしているのかもしれない。2012年と2019年だと、明らかに最近のほうが筋量が多い。サッカーも、アスリート化が叫ばれて久しい気がする。テクニシャンの居場所がないと。フットサルはコートが狭い分、もともとそういう性格があったのが、加速したのだと思う。駆け引きより、ごりごり。半端なテクニシャンがフィジカルエリートに負けているのね。まあ、どの世界でもあることか。

ふと思って、NBAの試合のハイライトを見た。なんだ!大男がひしめき合ってるけど、動き柔らかじゃないか!っていうか、体の動かし方のレベルめちゃくちゃ高いぞNBA。

僕意外みんな知ってたのかな。いかにも大男!って人もいるけど、それ以外はみんな、強くてやわらかくて速い。これは超ハイレベル。競技特性の違いはあるだろうけど、やっぱり、フットサルだって、体格の良さと動きの柔らかさは両立できるはず。今はまだ、フィジカルとテクニックを兼備した人がいないか少ないだけで、そういう人が出てきたら、テクニシャンの価値がまた上がってくるはず。それはもしかしたら、柔らかさを捨てたように見えるブラジルじゃなくて、イランとかそのあたりから出てきたりして。悔しいだろうなブラジル人。