今日のBGMは、酒と泪と男と女です。吉幾三の「酒よ」でもOKです。
酒と言えば、夜、雑踏、男女、ネオン、重たい扉を開けると小洒落たバー、紫煙、口紅、終電、男と女、です。ざっくりいうと、酒と言えば、男と女です。
そこで、下戸の、男と女事情を書いていこうと思います。
初めに、僕の飲酒量を書いておきます。
ビールなら、二口目くらいでもう酔いが回り、動悸、息切れ、めまい、頭痛、がはじまります。中ジョッキ二杯を飲めばもう限界で、その日は、朝方まで水を飲んで塩をなめて吐きはしないけど、トイレとベッドを往復するはめになります。不思議と、吐いたことも二日酔いになったこともありません。なので、普段の生活では、全く飲みません。
そういうかんじです。本題に入ります。
酒を飲まないと男と女がないと気がついたのは、大学に入ってからのことです。
いえ、違いますね。厳密に言うと、中高生のころもありました。
中学生くらいの時は、不良っぽい男子がもてますよね。二軸で表現した時に、不良っぽさの点から、X軸もY軸も飛び越した反対側の、いけてない優等生グループにも所属できずに、ひとりZ軸に浮いていたような僕は、当然、もてるわけもなければ、放課後に酒を飲むこともなく、男と女もありませんでした。夏期講習にも行かなければ部活もやらない、もちろん友達もほとんどいませんでした。サッカーは好きだったので、しょっちゅう遊びでやっていましたが。
あのときに、僕が詰襟の制服を着崩して、中に着ている赤いTシャツをむき出しにすれば良かったのです。靴はもちろんかかとを踏んで、若干がに股になる必要があります。
そうして、放課後になればどこかの公園でたむろして、煙草を吸ったり、酒を飲んだりしていれば、車座になった向かいにいる、うんこ座りの女子と良い仲になっていたのかもしれません。残念!残念至極!
ああいう、不良っぽい男女グループって、まるでフォークダンスのように男女交際をします。オクラホマミキサーに乗せて、数人の男子と数人の女子だけで、くるくる相手を替えて、くっついたり離れたりするのです。あれって、お互い気まずくならないのでしょうか。ふと我に返って、男女交際ってなんだっけ?とならないのでしょうか。ちょっとかわいい顔の佐藤さん(仮名)は、金曜日に末松君(仮名)と付き合い始めて、つぎの月曜日には別れたのですが、どういうことだったのかわかりません。中二日です。ハードスケジュールです。
中学校は、そういうかんじでした。
男女交際は、あまり浸透しておらず、普通の生徒で付き合っているのはほとんどいませんでした。ものすごく冴えない男女が、え?おまえたち付き合ってたの?ということはありましたが、おおむね、一部の飲酒エリートたちだけが、オクラホマミキサーをしていた、という印象です。
高校は、地元の進学校に通っていました。
一部の生徒は、お酒を飲んでの男と女もあったようですが、なんてったって進学校だったので、たかがしれています。フォークダンスがあったかは不明です。ディスコに行くような生徒もほとんどいなかったはずです。
ただ、学校祭だったりなんだりの、イベントのあとの打ち上げでは、酒を飲む機会はあったようで、先生たちも「せめて制服は脱いで行けよ」と現実的なアドバイスをしていました。そこでどのような男と女があったか、僕は知りません。だって誘われないからです。
思い出しました。行ったこともあります。
なにかの打ち上げで、川辺で花火をしました。男女がいて、酒が入っていて、線香花火をだれが長く残していられるか勝負をしました。札幌の夏なので、夜になれば肌寒かった気がします。
思い出してみると、まばゆい青春だったかと言うとそんなことはなく、あまりのくだらなさと虚しさに、あの時間を彼らと共有したことが、いまだに心の傷になっているくらいです。何かを期待して、いそいそと出かけた自分を殴ってやりたい。おい、家でカラマーゾフでも読んでろ。
こういう高校時代でした。
もし僕が酒飲みだったとして、どうなったかというと、多分何もありませんでしたね。ディスコに出かけるような行動力があれば別ですが、手近なところで男と女をした可能性は、無かったと思います。他の生徒は、みなさん結構、男女交際をしていたようですが、多分それに酒は関係なく、狭いところに押し込んでおけば、勝手にいくつかはくっつくような現象だったと思います。あ、つがいになった!面白い!
と言うことで、高校時代は終わります。大学に入って、本格的に飲酒必修化が進むのですが、それはまた稿を改めます。期待せずお待ちください。