白くてもにょっとした味のもの

ココナッツシュレッド

ベジクルマ、というカレーがあります。

いろいろなタイプのベジクルマがあるのですが、その中でも、ココナッツ、カシューナッツ、ポピーシード、フェンネル、青唐辛子、なんかをペーストにして作る、白っぽいタイプのベジクルマがあります。人参、インゲン、じゃが芋なんかが入っています。

お店ではじめてそういうタイプのベジクルマを食べて、こりゃあおいしいなあ、ココナッツやカシューナッツの甘みがたまらないや(ミスター味っ子風)と思って、自分で作って食べてみると、もったりした味で、あれ?こんなおいしくなかったっけ?となりました。

記憶をたどったりレシピを探したりして検討してみると、出来は良いはずです。ただ、自分で食べると、おいしくないのです。

店員Aは喜ぶし、お客様にお出ししても、とても喜ばれます。人気メニューと言って差し支えないくらいです。

釈然としない気分で、作って、食べて、首をかしげて、と繰り返しているうちに、ココナッツミルクで南瓜と豆を煮たオーランというカレーも、自分ではおいしく食べられないことに気がつきました。

いえ、はじめてケララの風Ⅱで食べた時は、こんな素敵なカレーがあるのか!と思ったのです。ただ、自分で作ってみると、「???」というかんじです。ベジクルマと同じですね。

さらに記憶をたどってみると、僕が今まで食べた中で一番まずかった料理に思い当たりました。

それは、大学生のころのことです。

北海道大学の学校祭では、留学生たちが自分たちの国の料理をつくって出す露店が、たくさん出ます。メインストリートに、ずらっと並ぶのです。

僕が学生の頃はまだインド人は少なく、バングラディシュ人がカレーを出していたような気がします。チキンがごろごろ入っていた気がします。

ベルギーは、ロティサリー(でしたっけ?)とベルギーワッフルを出します。チキンがぐるぐると回っている大型の機械は、誰がお金を出したのでしょうか。日本人学生が、しょぼいコンロで揚げアイスを作っているのとは雲泥の差です。

スペインは、他の店の準備が終わり、とっくに開店して、お客さんのピークを迎えた少しあとくらいの13時に、やっとパエリアが炊きあがります。さすがスペインです。

ジャマイカでは、やけにガタイの良い兄ちゃんが、リズミカルに体を揺らしながら、ジャークチキンを焼いています。そばを通った人に、ひばさみで掴んだ肉の切れ端を、ほいっと渡してサービスするのですが、二秒前まで鉄板にあったものを人の手のひらに載せると熱くて仕方がないということを、彼は知らないようです。

中国は、留学生の多さもあってか、大所帯です。蒸し物焼き物揚げ物、色々あって、呼び込みも盛んです。ほかの適当な外国人とはちがい、勤勉な感じがします。味はいまいちです。

オマーンかどこかの、白人のひげのお兄ちゃんが、鼻歌をうたいながら生地をころころと伸ばし、オーブントースターで焼いて、そこにフンムスとトマトと玉ねぎをいれた、ピタパンのようなものを売っています。最高においしいです。フンムスは、至高の食べ物です。

その中で、モンゴル料理、だったと思うのですが、骨付きのラムの入った、白濁したスープは、衝撃的でした。ヤギだったかもしれません。発泡スチロールの器に入ったそれは、白く濁り、強烈に獣くさく、そして、塩味がほとんどついていません。

断っておきますが、インド料理界隈の御多分に漏れず、僕も、マトンカレーは大好きです。臭みがあったって平気です。むしろ歓迎です。インドではそんなに臭みがないとも聞きましたが。

それでも、あのスープだけは、二口と食べられませんでした。

これ、ヤギが入った風呂の水なのか?という味です。

これが、僕の人生で一番まずかったものです。めまいがするほどますかったです。

その経験から帰納すると、僕は、旨みが強く、塩味の少ないものが苦手なようです。

考えてみれば、そんな気もします。ホワイトソースはちょっと苦手ですし、バターたっぷりの料理も苦手です。卵かけご飯も、醤油を多めに入れないと食べられませんでした。納豆も、匂いはさておき、あのもにょっとして、まろっとした味が嫌いです。バイキングのサラダコーナーにあるような、もにょっとした大豆も苦手です。豆乳も、できたてのおいしいやつじゃないと飲みたくありません。豆くさいのには、スパイスを入れたくなります。

その流れでいくと、ココナッツも、じつはちょっと、気持ち悪いのです。

てめえブログの題名みてみろや!てめえ何屋なんだ!と殴られても仕方がありません。すみません、ココナッツがちょっと苦手です。ココナッツミルクはもっと苦手です。すみません。

もうお分かりかと思いますが、ベジクルマもオーランも、旨みや油分やもにょっと感のわりに、塩味は薄いです。スパイスも、あまり効かせません。だから、苦手なのです。それで、人に作ってもらった高揚感でもって食べないと、ベジクルマはおいしく感じないのです。お客さんとして食べたら、とてもおいしかったです。お替りしたいくらいでした。

どうやら僕は、白くて、もにょっとしたものが苦手なんだなあ、と思いますが、ブラマンジェは大好きですし、プリンだっておいしいです。生クリームの入ったケーキは好物だし、ココナッツサブレも大好きです。

なるほど、ココナッツは甘くして食べたほうがおいしいのですね。

こういう味覚の人間が作った、南インド屋のレシピですが、これからもよろしくお願いします。


わりと関連する記事を紹介します

オーランのレシピ

南瓜と赤インゲン豆のココナッツミルク煮です。掛け値なしに、もにょっとした味です。

辛みはゼロです。とても人気のあったカレーです。

ラッサムのレシピ

南インドのラッサムレシピ

白くてもにょっとの反対側にある味です。黒くて、きりっとしています。大好きです。

六花亭マイラブ

あの北海道土産で有名な六花亭です。実は、六花亭カフェというものが存在します。

そこで食べられる、プディングケーキは、とてもおいしいです。白くてもにょっとしているのですが、甘みがあるので大丈夫です。ただ、わりと甘みは薄めなので、

食べるときの体調によってはもにょもにょするかもしれません。

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