8日間ほどの旅程でインドに行っていました。インド料理を仕事にする以上、たまにはインドに行って色々と食べてくる必要があると思うのです。インド料理屋が一番多い国はインドだから、当然レベルも高いです。インドで食べるインド料理はおいしかったです。コルカタに3泊してからハイデラバードに移り、4泊ほどして戻ってきました。旅先で食べたものは、普段はメールマガジンで配信しているのですが、メルマガは画像の数に制限があるので、ブログにします。
・スワンナムーブ空港
機内食が配られる段になり、添乗員が「chicken teriyaki with japanese rice …or TRIMP with kechup sauce…」みたいなことを言い、僕と僕の隣の白人男性は、え?みたいな顔をした。今トリンプって言った?え?みたいな。僕が、trimp?と聞き返すと、OK、と僕にエビチャーハンが配られた。シュリンプか。隣の男性は一拍置いてからチキンを選んでいた。タイで乗り換えだった。制限区域内にもかなりの数の飲食店があり賑わっているものの、日本人の姿は見かけず、そうか円安かと思った。飲食店の前で店員が呼び込みをしていて、なぜ空港で呼び込み?と嫌な予感がしてメニューを見ると納得、すごく高い。ビッグマックセットで2000円くらいかな、円安であることを考えても、かなり高い。メニュー構成も特殊で、ポテトと飲み物をつけようとすると、自動的にLLセットになるテーマパーク仕様。店内の人間が全員ビックサイズのドリンクを飲み、全員が残していた。サステナブルだね。足元見られてるな〜と思いながら食べるビッグマックは本当においしくなくて、ポテトは完全に無塩だった。厨房の中の店員さんたちは、ハハハと笑いながら働いていて、よかったね〜と思った。トランジット以外では制限区域に入る前に食事を済ませることをお勧めします。

プリッツみたいな甘い香りのするポテト。今まで食べた中で一番まずいマクドナルドだった。2番目はケララのショッピングモール内。日本のマックはいいよね
・BEYZAA HOTEL AND SUITESというコルカタのホテル
インドとしてはかなり高く、一泊12000円くらいかな。僕はインド料理界隈の人間としては異端で、バックパッカー気質が完全にゼロ。だから平気でこれくらいの価格の部屋にする。僕の滞在は、体調を崩さないことを最大の目標としているから、安宿に泊まるなんてもってのほか。部屋は、インドとしては最高級に綺麗で、これ以上を望むなら、もうマリオットとかにするしかない。コルカタはあんまりホテル事情がよくないようで、他の地域ならもう少し安くても綺麗なところに泊まれる。朝食はイドゥリをたべた。イドゥリはもこねちっとして、トマトチャトニがイドゥリに合わせるには濃すぎて、なんとなくおいしくなかった。南インドのホテルで出てきたイドゥリは、本場でレベルが高かったのだと実感した。サンバルは、東京のインド料理店の味がした。ホテル自体は割とお勧め。フロントの人たちは感じが良かった。

イドゥリには細かく切った人参が練り込まれていた
・アーサラン ARSALAN https://maps.app.goo.gl/mPiznZAg5bPNUdF38
おいしさ★★★★★ これを批判するのは難しいレベルに美味しい 肉質は今ひとつだけどね
清潔さ★★★★☆ インドにしては綺麗
感じの良さ★★★☆☆ 人気店にしては良い方かな
おすすめ度★★★★★ 一度は行くべきだと思う
コルカタの超有名店。かなりゴミゴミしたマーケットの中にあり、車を横付けするのも大変なくらい。僕は本店?みたいなところに行った。レビューを見ると、あそこの店舗はおいしくないとか、やはり本店がうまいとか色々書いてあるけど、その場で炊いている雰囲気でもなかったから、どこの店に行ってもビリヤニは同じものが出てくる気がする。持ち帰りの人がどんどん押し寄せて、店内で食べている人は少なかった。ビリヤニ自体はおいしかった。米はやや硬く、油まみれになっている。そのままではちょっと硬く感じるところを油で無理やり食べさせる感じ。スパイスはそこまで立っておらず、香料がかなり強い。スパイスよりも香料が主役かなという感じで、ビリヤニよりプラオに近い料理に感じる。米にまぶされているのはおそらく普通の植物油だけど、ギーもかなり使われていそう。一口目に感じる作り物っぽいミルク感はおそらくコヤkhoyaで、牛乳を煮詰めたものだと思う。まあミルクパウダーみたいなもので、僕が作るなら省略したいかな。ギーで十分。米の中には芋と骨付きのマトンすね肉が埋まっている。芋はオレンジの着色料で色付けされているのかな。一緒に頼んだ、店員のおじさんお勧めmuton kassaは、フライドオニオンベースの、いかにもリッチなカレー!コルマ!という味。ビリヤニが350ルピーで600円ちょっとくらい。カレーも同じくらい。やや高めだけど、出てくるもののランクを考えると高くはない。


・sabir’s hotel https://maps.app.goo.gl/W6mV78iTj9iziSpV6
おいしさ★★★★☆ 昔ながらの味なのがなんとなくわかる。好ましさを加点すれば文句なしに五つ星
清潔さ★★☆☆☆ 整えられてはいるけど気合を入れてから行くべき 人気店だから多分大丈夫 生野菜をつまむのはさすがに危険なレベル
感じの良さ★★★★★ ホールのベテランおじさんたちが親切
おすすめ度★★★★☆ 誰にでもおすすめではないけどお勧めできる
ここも有名店。僕はほぼ有名店しか行かないんだけどね。路地裏の小汚い店にこそ本当にうまい店がある、みたいなことを言う人もいるけど、縄のれんが好きなの?と聞いてみたくなる。本当においしいものは家庭にこそあると僕は確信している。コルカタに入ってから日本人は一人も見かけず、観光客もほとんど見ない。だから、昔ながらの店に来ると、すごく浮く。でも気にしない。レザラは甘酸っぱく、ロティは重曹?の味がした。おいしい。レザラは冷めてくると、かなりすりおろし玉ねぎの風味が強く立ってくるから、熱いうちにさっさと食べるべき。ビリヤニはどこか家庭的で、アーサランの商品力の高さが浮き彫りになった。でも、もう一回行くならshabir ‘s hotelだと思う。アーサランは滞在中に一回行けば十分だと思う。朝ごはんを食べに来たいなと思った。ニヤッと笑う店員のおじさんたちが楽しい

レザラの皿の平たさがいいよね

アーサランに比べ油脂の量が5分の1くらい

コルカタでは印象に残るチャイに出会わなかった
・ホテルの朝食
初日は良くなかったのが、二日目は明らかにおいしかった。担当者が違ったのか

・hotel sidehshwari ashram https://maps.app.goo.gl/qUwwHqK54Y9jDdDR9
おいしさ★★★★★ 最高でした
清潔さ★★☆☆☆ 店にたどり着くまでの道のり含め日本人にはちょっと厳しいかも いわゆるインドの食堂 気を抜いてはいけない
感じの良さ★★★☆☆ 感じが良いわけではないけどテキパキとしている 食堂だからね
おすすめ度★★★★★ 滞在中に複数回行くことをお勧めするレベル
今回のインド滞在で一番おいしかったのは間違いなくここ。コルカタ滞在中はもうずっとここでいいんじゃないの?と思った。俺は2回行った。お前は何回行くんだ?乱暴な言い方になるけど、ムスリムディッシュは、割と日本でも再現できると言うか、味の想像がつく。ああこんな感じね…という範囲に収まる。インド料理にしてしまうと、国による肉質の違いはそこまで出ないと思うんだよね。それに比べると、魚や野菜はかなりダイレクトに土地の味がする。右手前の野菜のごった煮はシュクト(商品名はvegetable)というのだけど、これなんてちょっと驚いてしまった。なんだこれ!と思った。超うまい。食べたことのない謎野菜も使われていた。左のshorshe rui maash(商品名は rui steam)も、すごかった。マスタードの苦味を少し残すようにして(綺麗に作ると苦味を出さないことも可能)あり、それが勢いになっている。そうだよね、これだよね、という納得感。ダル(商品名はplain dal) は、チャナダルにしては軽いのだけどムングダルではないらしく、マスルダルなのかな。削ったココナッツとレーズンも入っている(その組み合わせからするとチャナっぽいな)。全体的に食べやすく、調和があった。すごい。めちゃ上手。おかずが多そうに見えるけど、このご飯の量で、ちょっと足りないかなくらいで済む程度の塩分濃度だから、外食としてはかなり控えめ。すぐに強烈な塩を叩き込んでくるインドにしては非常に優しい味で好ましい。この店を日本に持ってきて欲しい。ベンガルに赴いた日本人はもれなくミシュティドイに脳を焼かれる。僕も焼かれた。だって、甘いヨーグルトに、脂肪の層が張っているんだよ?世界で一番おいしいデザートの可能性すらある。


あまりにも旨くて探して周りそうになったけど、これはいけないと封印した。時間があれば食べ歩きたかった
夜にも行った。夜の方が帰って道は歩きやすかった。夜は割と早い時間で売り切れになるようで、きた人は、あるものを食べる感じになる。エビのマライカレーとアルゴビ(spl vegetable)、ルイコルマを注文した。これまたうまかった。文句のつけようがない。ルイコルマは、シャバっとしてしょっぱくて、もしかして鍋底に残っていたのに塩と水足して持ってきたのか?という味だった。僕は単にriceと注文したのだけど、昼はfine riceで、夜は普通のriceだったみたい。fine riceつまりバスマティライスの方が良いかもしれない。お好みでどうぞ。


長くなったので前後編に分けます。次はハイデラバード編。こう見るとコルカタで食べた量少ないね。暴食して体調崩すのがお約束だから、控えめにしていたのですね。おかげで、体調は全く崩さず、元気な状態で日本に戻ってこられた。