ラッサムには、色々な種類があります。南インド屋の考える、11種類のラッサムを紹介します。
ラッサムとは
wikipediaによると、rasamという言葉はタミル語で、「taste」「juice」を指しますが、一般的にrasamと言うと、ブラックペッパーやタマリンドを基調にした、辛酸っぱいスープを指します。それらに、トマト、ニンニク、ダルなどを加えてつくるのが一般的かと思います。このラッサムは、そのままスープとして飲むこともありますし、米と一緒に食べることもあります。
ラッサムには様々な種類があり、中には、レモンやパイナップルで酸味をつけたものや、肉や魚などを具として入れた、ノンベジのラッサムも存在します。これらは、変わり種と捉えて良いかと思います。個人的には、これらのラッサムがあまり好きではないので、おいしいレシピをつくる自信がなく、本稿では登場しません。香取薫さんの本にパイナップルラッサムは載っていた気がします。
ということで、ここでは、ブラックペッパーとタマリンドを基調としつつ、トマトやニンニク、ダルなどの基本的な材料をつかってレシピを作っています。11類型とまでは言いませんが、同じような材料で、色々なおいしさが作れることを示していきます。
使う材料について
一番大切なのは、タマリンドです。こちらのコラムをご覧になって、できれば自作のタマリンドペーストをつくってください。市販のタマリンドペーストには塩や砂糖が入っているのでおすすめしません。塩は、赤穂の塩を使っています。トマトは、普通にスーパーで売っている味の薄いトマトで、トマト缶は、イオンのPBを使っています。酸味が少ないので重宝しています。
ラッサムの名前について
ラッサムの名前について述べておきます。
ここで紹介しているラッサムは、すべて、「これはrasamです」と言うことができます。そして、ラッサムは、つかっている材料の中でも、とくに強調しているものを冠して、○○ラッサムという名前をつけることもできます。 ブラックペッパーを強調していれば、ペッパーラッサム、トマトを強調していれば、トマトラッサムという調子です。
ただ、ペッパーラッサムにトマトが入らないか、というと、そうとは限りませんし、同じように、トマトラッサムにペッパーが入らないわけではありません。入らない場合もありますが、入る場合もあります。ややこしい話ですね。
では、ペッパーラッサムとトマトラッサムの境界線はどこに引かれるかと言うと、それは明確なものではなく、レシピとして明らかにトマトが多ければ、それはトマトラッサムだと言えますが、一見そう多くないように見えても、作った人が、「これはトマトラッサムだ!!」と言えば、それはトマトラッサムになってしまうのだと思います。インド料理にありがちですが、一般的な大体の尺度はありながら、最終的には地域や宗教、民族、そして何より個人の主観によって、名称が決まるのだと思います。(思います、と濁すことをお許しください)
ひとつ目に紹介するのは、まさに、そういう微妙な線のラッサムです。ブラックペッパーとダル、どちらを強調しているかと言うと、どちらとも言えない微妙なところなので、ペッパーダルラッサム、タミル語でmilagu paruppu rasamと名前をつけて誤魔化しました。そして、この、milagu paruppu rasamという名称が一般的なものかと言うと、ちょっとわかりません。「うん、まあ、言いたいことはわかるよ。でも、あんまりそういう言い方はしないかな」というくらいだと予想します。詳しい方がいらっしゃいましたらご教授くださいませ。
各ラッサムの紹介の際に、その名称がどれくらい一般的かを示しておきますので、参考までにご覧ください。また、「こういうラッサムは、milagu parppu rasamと言うのだ!異論をはさむな! 」というような態度はあまり賢明でない、とご理解ください。milagu paruppu rasamにもいろいろあるのです。
また、各ラッサムの名称の横についている★は、総合評価と言うことで、何を作るか迷ったら、この星の多いものを選ぶと良いかもしれません。
それでは、マニアックなラッサムの世界に分け入っていきます。
①スパイシーで作りやすいmilagu paruppu rasam★★★★★
スパイスレベル★★★★★スパイシ~~♪♪
酸味 ★★★★☆梅干しほどではない
食べやすさ★★☆☆☆エスニック料理好きならたぶん大丈夫
難易度 ★★★★☆わりと簡単です
名称の一般性 ★★☆☆☆わかるけど、珍しい言い方
材料と手順
①トゥールダル大さじ2をざっと洗い水を切って、圧力鍋に入れる。600mlの水を加え、蓋をしないで煮る。灰汁を一度とって、捨てずにとっておく。サラダ油小さじ1を加え蓋をして強火にし、圧力がかかったら弱火にして15分間煮る。ブラックペッパー小さじ1/2 とクミンシード小さじ1/2を粗めの粉末にしておく。
②ふたを開けたら完全に煮崩れるようにかき混ぜてから、タマリンドペースト大さじ2、カレーリーフ10枚くらい、塩小さじ1.5、挽いておいたスパイス、とっておいた灰汁を加えて3分間ほど煮込む。
③テンパリングをする。別の鍋にサラダ油小さじ2を熱して、マスタードシード小さじ1/4を入れて半分くらい弾けたらホールチリ2本を入れ、10秒くらいかき混ぜてから、ラッサムの入った鍋に、じゃっと入れる。
味の特徴・目指すイメージ
ダルのうまみに合わせて、スパイスもタマリンドをしっかり効かせます。塩味は強くしすぎずに、酸味の方が前に出るイメージです。ニンニクもトマトも入らないため、素っ気ない味です。カレーリーフを一緒に煮込んでも良いのですが、素っ気ない味にするために、あえて削りました。
南インド屋で出していたラッサムを、より簡単にしたものです。サンバルを同時に作らず、ラッサム単体で作りたい方はこのレシピをお試しください。このレシピでは、スパイスやダルを漉していませんが、底にたまったざらざらの部分を捨ててしまえば、南インド屋のラッサムの味に近くなります。
どのように食べるか・提供するか
かなりスパイスと酸味が強いので、しっかりとスパイスの効いたミールスに合わせると良いと思います。もしくは、簡単なミールスの時にも、スパイシー担当として使えます。ただ、旨みはダルだけなのであっさりしており、スパイスを強く感じる味なので、優しい味のミールスにはあまり合いません。どちらかと言うと、しっかりと味のついた、日本のレストランで出てきそうなミールスの、清涼剤的立ち位置が一番しっくりきます。なので、合わせる主食は、タイ米やソナマスリだけでなく、日本米やバスマティライスでも合います。さらに言うと、インド料理に限らず、清涼剤的立ち位置のものが欲しい食事、たとえば中華に合わせるとぴったりです。僕は木須肉と合わせました。味噌汁替わりに、和食に取り入れることすらできそうです。
手軽に作れるよう、トゥールダルは浸水させないレシピにしましたので、思い立ったらすぐに作ることができます。
同好の士の集まりで提供するのには向いていますが、はじめてミールスを食べる方にこれを出した場合、大抵は、「え?なにこれ、おいしくない」という感想を抱かれると思います。なので、インド料理愛好家以外なら、エスニック料理好き、珍しい物好き、素っ気ない味に慣れているベジタリアン、などであれば大丈夫だと思います。間違っても、大事な彼に作ってあげる彼ラッサムではありません。
②がちがちの原理主義者に贈る、ストイックラッサム★★☆☆☆
スパイスレベル★★☆☆☆ちょっと物足りないくらい
酸味 ★★★☆☆わりに酸っぱい
食べやすさ★☆☆☆☆インド人でも躊躇うレベル
難易度 ★★★★★味のバランスが難しい
名称の一般性★☆☆☆☆適当につけた名前です
材料と手順
①水400ml、タマリンドペースト大さじ1、塩小さじ1、細かめに挽いたブラックペッパー小さじ1/2をすべて鍋に入れて強火にかけ、沸騰したら弱火にして1分間煮こむ。火を止めて、2分ほど待ち、ブラックペッパーが沈殿したら、その上澄みをとる。もしくは布巾で濾す。
味の特徴・目指すイメージ
どこまで削ってもラッサムとして認識できるかのぎりぎりを攻めています。ただの酸っぱくて辛い汁、というイメージです。原理主義的には、あとから入ってきたチリを認めず、ヒングも認めません。テンパリングなんてもっての外です。(適当なことを言っています)
現実的なところを言えば、ヒングを一振りしても良いと思います。そうすると、かなり酸味の感じ方が変わるので面白いです。
どのように食べるか・提供するか
簡素な作りですが、このラッサムは、ちゃんとおいしいです。ミールスの中に置いても良いですし、アペリティフにも良いと思います。ミールスは、きちっと作ったミールスと言うよりも、道端のミールス屋で、ガタガタするテーブルに最初から置いてあるラッサム、といった趣です。気温は35度以上は欲しい気がします。ただ、インドに行ったこともないので、すべて想像です。
胃腸の調子が良くないときに、ぱっと作って飲むのにも良いです。その場合、効能としては、ヒングも振り入れたほうが良いかもしれません。本当に簡単に作れるので、3分クッキングの題材にも向いています。アシスタント無し、仕込みなしでも、頑張れば3分で作れそうです。
いわゆる引き算の料理を志向する方には、これ以上のラッサムはないと思います。そういう意味で、持ち寄りの食事会で輝くかもしれません。インド料理好き、と一口に言っても色々で、いわゆるカレー好きと重なるような好みの方にはあまり喜ばれなさそうなラッサムなので、食べさせる相手は、よく選んだほうがよいかと思います。
個人的には、タマリンドペーストを水で溶いて、それに塩を振ったものでも良い気がするのですが、そこまでいくとそれはラッサムでなく、ただの味のついたお湯になるのでやめました。
③ご飯にかけて食べたい人へ レストランラッサム★★★★☆
スパイスレベル★★★★☆かなりスパイシー
酸味 ★★★★☆かなり酸っぱい
食べやすさ★★★★☆味はきついけど食べやすい
難易度 ★☆☆☆☆失敗しようがない
名称の一般性★☆☆☆☆適当につけた名前です
材料と手順
①トゥールダル大さじ1、クミンシード小さじ1、ブラックペッパー小さじ1、フェネグリーク小さじ1/4、をフライパンで軽く乾煎りして粉末にする。
②ミキサーに、トマト缶のトマト2個、水200ml、ニンニク3かけ、生姜うす切り2枚、青唐辛子1本を入れて、ペーストにする。
③トマトペースト、水300ml、塩小さじ2、タマリンドペースト大さじ3、キビ糖小さじ2をすべて鍋に入れて強火にかけ、沸騰したら、ラッサムパウダー、ターメリック小さじ1/6、コリアンダーパウダー小さじ1/4、ヒング小さじ1/6、カレーリーフ10枚ほどを入れて、かき混ぜながら弱火で3分間煮る。
④テンパリングをする。サラダ油大さじ1を熱し、マスタードシード小さじ1/2を入れ、半分くらい弾けたら、ホールチリ3本を加え、10秒ほどかき混ぜたら、ラッサムの鍋に、ジャッと入れる。あれば刻んだコリアンダーリーフを入れる。
味の特徴・目指すイメージ
つよい旨みに、さらに甘みまで足してあるので、しっかり入れた酸味やスパイスが、きりっと立ちます。タマリンドもスパイスも、入れ過ぎても大丈夫です。かえって、スパイス使いが巧み、キレの良い味、などと褒められそうです。がっちり辛くしたり、強烈に酸っぱくしてオリジナリティを出せます。その辺りは適当に調整してください。よっぽど極端にしない限り大丈夫です。旨みをもつ材料を、全部入れたようなラッサムで、東京のインド料理店で出てきそうです。わかりやすく言うと、ダバインディアやアーンドラ系列で出てきそうな味です。ちがったらごめんなさい。
粘度は高めで、ご飯にかけた時に、完全には沈まない程度です。色は、黒味の強い赤茶色になります。辛味は、このレシピだと、そこまで辛くはなりません。塩は、すこし強めです。
キビ糖を使っていますが、本来はジャグリーが良いかと思います。ほかの精製度の低い砂糖や、それもなければ普通の白砂糖でも良いです。使うトマトは、ぜひトマト缶にしてください。生やジュースでは味が足りません。
どのように食べるか・提供するか
これはもう、味の濃いミールスに合わせるしかありません。ご飯ありきです。バスマティライスか日本米が良いと思います。そういうミールスであれば、サンバルには玉ねぎやトマトを多めに入れて、しっかりした味にします。具は大根が良いです。もし南インド屋のレシピの中から探すなら、ふつうのサンバルでは味が負けてしまうので、せめて、ほうれん草のサンバルの方が良いと思います。
かなり味が濃いので、アペリティフ的な使い方には向きません。逆に言うと、酒を出すような店であれば、これくらいの濃度はむしろ丁度よいと思います。もうすこしトマトを強くしたものに、バゲットか何かを薄く切って添えると良いかもしれません。
材料が多いので面倒そうに見えますが、豆を煮る必要はないですし、トマト缶をつかうので、気軽に作れるラッサムです。タマリンドは多めに使いますが、原価も高くなく、味が安定しやすいので、飲食店としては扱いやすいラッサムです。
インド人がこのラッサムを喜ぶかどうかは、ちょっとわかりません。「ああ、あそこのラッサムは甘いからね……」と、ちょっと嫌そうに言うのを、二回聞いたことがあるので、日本でいうなら、「ああ、八丁味噌ね」みたいな扱いかもしれません。いや、八丁味噌もおいしいし好きですが。おそらくこのラッサムは、原型からはかなり遠い位置にあるラッサムなので、国籍に関わらず、そういうのを嫌がる方には、あまり喜ばれない味だと思います。個人的には、おいしいけれど好きではない、という味です。
S&Bのカレーやバーモンドカレー、チキンカレー、ナンと食べる本場のインドカレー、というような流れから、南インド料理やミールスに滑らかに接続する場合、このようなラッサムは、適していると思います。そういう意味でもやはり、レストラン的なインド料理店に向いているラッサムです。
④典型的なラッサム ★★★★★
スパイスレベル★★☆☆☆あまりスパイシーではない
酸味 ★★★☆☆ほどほどに酸っぱい
食べやすさ★★★★★食べやすい
難易度 ★★☆☆☆レシピ通りにつくれば問題なし
名称の一般性★★★★★oh!this is rasam
材料と手順
①ニンニク4かけ、青唐辛子1本、クミンシード小さじ1/2、ブラックペッパー小さじ1/2を、石臼か何かですりつぶす。無い場合は、包丁でニンニクをつぶしてから刻み、青唐辛子は包丁で刻む。クミンシードとブラックペッパーは、粗めに挽いておく。
②鍋にサラダ油大さじ1を熱し、マスタードシード小さじ1/2を入れ、半分くらい弾けたら、ホールチリ3本、カレーリーフ10枚程度を加え、ざっと混ぜる。作っておいたペーストを加えて香りが立つまで炒めたら、さらに、ターメリック小さじ1/6、チリパウダー小さじ1/4、ヒング小さじ1/6を加えて、ざっと混ぜる。
③水500ml、タマリンドペースト大さじ2、塩小さじ1を加え、生のトマト半分を手でつぶして入れる。沸騰したら蓋をして弱火で3分間ほど煮込む。最後に刻んだパクチーを入れる。
味の特徴・目指すイメージ
ラッサムらしい味のするラッサムです。トムヤムクン的なおいしさです。粘度は高くならずシャバシャバですが、はじめにニンニクを炒めて、トマトも入っているので、うまみはかなり強く、塩味もきっちりつけます。酸味は、トマトとタマリンドの酸味が重なって強くはなりますが、旨みもあるので、食べにくくはなりません。具材としても味としても、パクチーがあった方が良いです。粘度が低くシャバシャバなので、辛み成分が表面に浮き、喉に滑りこむと、むせるくらいに辛いですが、全体としては、そこまで辛くありません。
トマトは、包丁で切っても良いですが、手でちぎった方が、なんとなくおいしそうに見えるのと、口当たりが良くなる気がします。また、このレシピでは、トマト缶で代用することはできません。高価なトマトである必要はありませんが、かならず生のトマトをつかってください。
世の中にラッサムのレシピはいくらでもありますが、どうやら、このレシピにのように、ニンニク、クミン、ブラックペッパー、トマト、タマリンド、という組み合わせが、一番多いような気がします。実際、食べやすい味なので、人気があるのだと思います。その平均値を狙ったレシピです。
石臼で挽く、とありますが、僕が使っているのはこの石臼です。チョべックと言うようで、重みがあって力がいらず、かつ滑りにくいので使いやすいです。これでニンニクをつぶすと、香りがとても良いです。アジアハンターで買えるインドのマサラ潰しでも大丈夫です。
どのように食べるか・提供するか
ミールスの一品としてもおいしいですし、アペリティフにも使えます。味がしっかりしているので、メイン的な扱いにして、これにポリヤルをつければ、簡単なミールスにもなります。ただ、こういうシャバシャバしたものをご飯にかけるのは、個人的にはあまり好きでないので、そのまま口直し的に食べるのが好きです。
ラッサムパウダーを作る必要もなく、豆を煮なくても良いので、材料さえあれば、簡単に出来上がります。20分もかからないと思います。作るのが簡単で、味も安定しやすく、そして誰にでも喜ばれる味なので、悩んだらこのラッサムを作るのが良いと思います。
渡辺玲さんの紹介しているラッサムの味に近いですし、インド料理好きには、受け入れられやすい味だと思いますし、エスニック料理好きにも喜ばれる味だと思います。
⑤クミンラッサム jeera rasam★☆☆☆☆
スパイスレベル★☆☆☆☆スパイスは感じるけどスパイシーではない
酸味 ★☆☆☆☆酸味控えめ
食べやすさ★☆☆☆☆玄人向け
難易度 ★★☆☆☆難しくはありません
名称の一般性★★★★★一般的な名前です
材料と手順
①トゥールダル小さじ1とクミンシード小さじ2を、温める程度に乾煎りして、クミンの色が変わる前に火を止め、冷めたら粉末にする。
②水500ml、タマリンドペースト大さじ1、塩小さじ1、粉末にしたスパイス、をすべて鍋に入れ、沸騰したら火を弱め蓋をして2分間煮こむ。
③別の鍋にサラダ油小さじ2を熱し、マスタードシード小さじ1/4を入れて半分くらい弾けたら、クミンシード小さじ1/4を加えて、鍋をゆすって5秒くらい混ぜたら、ラッサムにジャッとかける。
味の特徴・目指すイメージ
おいしい胃腸薬、といった趣です。酸味も塩味もあまり強くせず、クミンスープとして楽しむ味です。クミンの色が変わるくらいに乾煎りしてしまうと、香ばしい味になってしまい、せっかくの胃腸薬感が薄れてしまいます。先にダルを乾煎りし、それからクミンを加えて余熱で温める程度で良いです。
色は、冴えない黒っぽい色になります。クミンもチリもパクチーも入れず、地味な見た目にした方が雰囲気が出ます。一応断っておくと、このラッサムもおいしいです。大好きです。
クミンはヒンディーでjeeraというので、格好つけてjeera rasamとしました。cumin rasam 、jeera rasamという呼称は一般的なものなので安心してください。
どのように食べるか・提供するか
これはもう、胃腸薬として飲むしかありません。もしくは、「あ、クミンが食べたい!」という気持ちに時々なる、変わった趣味の方にもおすすめです。ご飯にかけて食べるにしても、そのまま飲むにしても、もっとおいしいレシピは他にあります。ただ、飲むと胃がすっきりして、視界が広がるような気もするので、かけがえのないラッサムでもあります。
敢えて言うなら、白身魚のフライなんかを食べるときにあると、良いかもしれません。ブラックペッパーの効いたものだと、白身魚には強すぎる気がします。
大事な彼につくてあげたい彼ラッサムじゃないのはもちろんのこと、変わった料理が好きな方でも、ちょっと怯むかもしれません。気心の知れた人に作ってあげる以外は、自分のためにつくって、ひとりひっそりと飲むもののような気がします。
飲食店への展開は、ちょっと考えられません。
⑥現実的なクミンラッサム★★★☆☆
スパイスレベル★★☆☆☆ちょっとスパイシー
酸味 ★☆☆☆☆酸味控えめ
食べやすさ★★★☆☆わりと食べやすい
難易度 ★★★★☆簡単です
名称の一般性★★★★★一般的な名前です
材料と手順
①ニンニクひとかけ、青唐辛子1本、クミンシード大さじ1を、石臼ですりつぶす。もしくはミキサーで粗く挽く。
②鍋にサラダ油大さじ1を熱し、マスタードシード小さじ1/2を入れ、半分くらい弾けたらホールチリ2本を入れて10秒ほどかき混ぜる。すりつぶしたペーストを加えて香りが出るまで炒めたら、ターメリック小さじ1/8、チリパウダー小さじ1/4、ヒング小さじ1/6、を加えてざっと混ぜる。さらに、水500ml、生トマト1/2個を手で細かくしたもの、タマリンドペースト大さじ1、塩小さじ1をすべて入れて、沸騰したら弱火にし、蓋をして3分間ほど煮込む。最後に刻んだパクチーをかける。
味の特徴・目指すイメージ
④の典型的なラッサムの、クミンを強めたバージョンです。ブラックペッパーを抜いてクミンを増量し、トマト、タマリンド、塩がそれぞれ減っています。旨みと酸味を減らして、その分クミンを立たせるイメージです。典型的なラッサムと同じく、ニンニクを炒めて、トマトとタマリンドを両方入れることで、食べやすい味になっています。
どのように食べるか・提供するか
④のラッサムと同じように扱えます。ご飯にかけてもよいし、そのまま飲んでもおいしいです。クミン強めが食べたいな、という気分の時にどうぞ。
このように、④の典型的なラッサムの材料をひとつだけ突出させれば、また新しいラッサムになります。天才!抜群のセンス!と褒められたい方、もしくはそのような店にしたい方は、色々と調整をできるようになると良いかもしれませn。「いやあ、今日はメインとの兼ね合いで、ラッサムのクミンを気持ち強めにして、クミンラッサムにしたよ。ははは、まあ、自己満足の世界なんですけどね、やっぱ、とことんこだわりたいんすよ」というかんじです。
⑦ブラックペッパーを楽しみたい人にmilagu kuzhambu★★☆☆☆
スパイスレベル★★★★★スパイシ~~♪♪
酸味 ★★☆☆☆すこし酸っぱい
食べやすさ★☆☆☆☆砂よりは食べやすい
難易度 ★★★★☆簡単です
名称の一般性★★★★★一般的な名前です
材料と手順
①ウラドダル小さじ1、チャナダル小さじ1、生米小さじ1、ブラックペッパー小さじ2、コリアンダーシード小さじ1/2、クミンシード小さじ1/2、ホールチリ1本を乾煎りして粉末にする。
②水300ml、タマリンドペースト小さじ2、塩小さじ1/2、ヒング小さじ1/8、粉末にしたスパイス、をすべて鍋に入れて強火にし、沸騰したら火を弱めて、3分間ほど煮込む
③別の鍋に、サラダ油小さじ2を熱し、マスタードシード小さじ1/4を入れ、半分くらい弾けたら、ホールチリ2本を入れて火から離し、10秒くらい鍋をゆすってから、クランブにジャッとかける。
味の特徴・目指すイメージ
基本的には、ブラックペッパーそのものを楽しむ食べ物です。酸味も塩味も強くありません。粘度は普通のラッサムより高く、とろっとしています。ただただ、ブラックペッパーです。
kuzhambuというのは、汁気のあるカレーのようなもの全般を指すタミル語です。なので、本来はこの稿にふさわしくないのですが、ペッパーラッサムの代わりに採用しました。ペッパーラッサムと言うと、ブラックペッパーを強調したラッサムのことなのですが、南インド屋のレシピは、大体がブラックペッパーが強いため、ちょっとやそっとでは差別化が出来ません。そこでいっそ、もっとペッパーを強調した料理である、milagu kuzhambuを紹介することとしたのです。milagu、とは、ブラックペッパーを指します。
では、ペッパーラッサムとmilagu kuzhambuの境界は何処かと言うと、難しいところです。一般に、milagu kuzhambuの方がスパイスの種類と量が多く、粘度も高いことが多いです。ただ、日本のレストランのラッサムだと、粘度の高いものあるので、難しいところではあります。ひとまず、このレシピくらいにがっちりペッパーを効かせて、挽いたダルを入れることで粘度を高めておけば、まずmilagu kuzhambuと言えると思います。
ちなみに、ここではチャナダルとウラドダルと生米を使っていますが、トゥールダルを使っても良いですし、ダルはどれか一種類だけでも良いです。生米だけ、というレシピは珍しいと思います。また、ニンニク生姜、玉ねぎを入れてつくることもできます。
どのように食べるか・提供するか
ミールスの一品として、ご飯にかけて食べるものです。ココナッツたっぷりの優しい味のミールスと言うよりは、もうちょっと乾いたような、ざっくりいうとタミルっぽいミールスに良く合います。milagu kuzhambuはタミルの料理ですし、当たり前かもしれませんね。そのまま食べるには、スパイシーすぎると思います。スパイスカレー、と呼ばれるジャンルへの応用も良さそうです。大阪の皆さま、いかがでしょうか。
胃もたれしたときや、肉を食べすぎた時に摂取すると良いかもしれません。粘度を高めて、ソースのようにつかっても面白いと思います。
インド料理には、強烈な味のものがたくさんありますが、これはその一翼を担うものだと思います。ふつうの趣味の人に食べさせるのには向きませんが、インド料理愛好家の集いでつくったり、変わった味のものが好きな人に作ってあげると、喜ばれると思います。いずれにせよ、用途が限定的なラッサムです。
⑧トマト缶たっぷりラッサムtomato rasam
スパイスレベル★★★★★スパイシ~~♪♪
酸味 ★★★☆☆トマトの酸味
食べやすさ★★★★☆辛さを乗り越えれば食べやすい
難易度 ★★★★★失敗はありません
名称の一般性★★★★★一般的な名前です
材料と手順
①トゥールダル小さじ1、クミンシード小さじ1/2、ブラックペッパー小さじ1/2、フェネグリーク小さじ1/4、ホールチリ4本を軽く乾煎りし、粉末にする。
②ホールトマト缶のトマト4個、水200ml、ニンニク1かけ、青唐辛子2本をミキサーにかけてペーストにする。
③鍋に、トマトのペースト、水200ml、タマリンド大さじ1、塩小さじ1.5、キビ糖小さじ2を入れて、強火で沸騰させる。沸騰したら火を弱め、粉末にしたスパイス、チリパウダー小さじ1、ヒング小さじ1/6を加えて3分間ほど煮込む。
④別の鍋にサラダ油大さじ1を熱し、マスタードシード小さじ1/2を入れ半分くらい弾けたら、ホールチリ3本を入れ、ざっとかき混ぜたらラッサムの鍋にジャッとかける。最後に、細かく刻んたパクチーを散らす。
味の特徴・目指すイメージ
トマトの味がしっかりして、辛くて、赤いラッサムです。とろっとしています。
タマリンドよりもトマトの酸味が立っています。トマト缶を使うとイタリアン風味になりがちなのですが、クミン、ブラックペッパー、フェネグリークを合わせて使うことで、カレー風味にしています。砂糖を足すことで、チリパウダーをたくさん入れても味がまとまりやすくなり、より辛くすることができます。好みによって、チリパウダーを小さじ2に増やし、さらにパプリカパウダーを小さじ1/2から小さじ2くらい入れることで、より辛く、赤くすることができます。しっかり赤くして、インスタ映えを良くできます。とても大切です。まあ、赤色2号を使うのと、あまり変わりませんが。
また、塩を小さじ1に減らすことで、味のポイントがずれ、なんとなくインド人が作ったような、本場の味になります。
トマトラッサム、ということでトマトを強調しているのですが、全てのトマトラッサムがこんなにもトマトだらけで、しかもトマト缶をつかう訳ではありませんのでご注意ください。
どのように食べるか・提供するか
お気づきかもしれませんが、イメージするのは、ホテルで働いていたインド人シェフの作る、欧米人向けミールスで出てきそうなミールスです。そのまま日本人向けと言うこともできます。(例によって、ただの想像です)。なので、そういうミールスを作りたいときに、ぜひこのレシピをご活用ください。単体で食べるのでなく、ご飯、とくにバスマティライスにかけて食べる濃度です。または、プーリやバトゥーラなどの、小麦ものに合わせて食べるのもおいしいです。
正直に申し上げますと、こういうラッサムはあまり好きではないのですが、日本における、本場の味信仰、本格的な味信仰に、うまく応えるラッサムなのだと思います。色も鮮やかですしね。たとえ食べにくくても、さすが本格的、と喜ばれることすらあると思います。果たしてこれが本格的なのかは、インドに行ったことのない私にはわかりませんので、それぞれご判断ください。
⑨生ラッサム Pachi pulusu★★★★☆
スパイスレベル★★★★☆かなり辛いです
酸味 ★★★★☆きりっと酸っぱい
食べやすさ★★★★☆初めてでも馴染めそう
難易度 ★★★☆☆味を決めるのが少し難しい
名称の一般性★★★★★一般的な名前です
①水400ml、タマリンドペースト大さじ2、塩小さじ1/2、玉ねぎのみじん切り1/2cup、スリットを入れた青唐辛子3本、をすべて鍋に入れ、良くかき混ぜる。
②別の鍋にサラダ油小さじ2を熱し、マスタードシード小さじ1、クミンシード小さじ1ホールチリ4本、カレーリーフ10枚を順に加え、ラッサムにジャッとかける。最後に大きめに刻んだパクチーを散らす
味の特徴・目指すイメージ
ガスパチョのようなイメージです。酸っぱくて、けっこう辛いです。玉葱も辛いです。本来は、ジャグリーという砂糖を入れるので、キビ糖小さじ1を加えて、塩も小さじ1に増やした方が、一般的な味に近いと思います。個人的には、きりっと酸っぱいのが好きなのと、日本の玉ねぎは甘いので、砂糖をレシピでは砂糖を使っていません。赤玉ねぎを使うと、さらに見た目が良くなります。
トマトを入れても良いのですが、個人的な好みで入れていません。トマト1個か半分を手で小さくして加えても良いです。もちろん、包丁で切っても良いです。
青唐辛子の風味が大切なので、ぜひ入れてください。
どのように食べるか・提供するか
そのまま食べたり、ご飯にかけて食べてたりします。ご飯にはあまり合わないような気がするので、アペリティフ的に使うのが良いと思います。ミールスの一品としてつかうことは、あまりないと思います。見た目からもわかるように、涼やかな味ですので、夏の暑い日につくって飲むのに、ぴったりです。火は通していないなので、衛生管理には気をつけてください。
インド料理に馴染みのない人でも、おいしく食べられる料理だと思います。なので、格式ばっていないレストランで、アペリティフや前菜としてつかうのも面白そうです。フランス人もこういうのが好きな気がします。原価が低い割には、見た目が良くて、珍しい感じがするので、変わったものを出したい創作系の店に特に向いています。
なんとなく、そうめんを入れたくなるのは、ガラスの器と、色のせいでしょうか。
思い立ってすぐ作れます。10分で作れます。
⑩酸っぱいラッサム Puli rasam★★☆☆☆
スパイスレベル★★☆☆☆辛くはありません
酸味 ★★★★★あ~、というくらい酸っぱい
食べやすさ★☆☆☆☆ストレート米酢よりは飲みやすい
難易度 ★★★☆☆簡単ですが、味を決めるのが少し難しい
名称の一般性★★★★☆一般的な名前だけど……
材料と手順
①トゥールダル大さじ1、クミンシード小さじ1/2、ブラックペッパー小さじ1/2、フェネグリーク小さじ1/8をかるく乾煎りして粉末にする。トマト1/4個と水200mlをミキサーでペーストにする。
②粉末にしたスパイス、トマトペースト、水300ml、塩小さじ2、タマリンドペースト大さじ4をすべて鍋に入れ強火にかけて、沸騰したら弱火で3分間煮こむ。
③別の鍋にサラダ油小さじ2を熱し、マスタードシード小さじ1/4を入れる。半分くらい弾けたらホールチリを入れて火か5秒ほどかき混ぜる。カレーリーフ10枚ほどを加えて、ざっとかき混ぜたら、ラッサムにじゃっとかける。
味の特徴・目指すイメージ
puli というのはタマリンドを指すので、とにかくタマリンドを強調したラッサムです。とにかく酸っぱいです。トマトやトゥールダルを少なめに入れて、酸味とのバランスを辛うじてとります。トマトは、トマト缶でなく、生のトマトを使ってください。
辛味は強くせず、スパイスも、どれかひとつを立たせないようにして、酸味を立たせます。
名前ですが、puli rasamという名前は、オリジナルではないですが、どこまで一般的かはちょっとわかりません。ラッサムで、タマリンドを効かせることは、あまりに一般的なのではないかと想像します。
どのように食べるか・提供するか
ミールスの一品として食べるのが良いと思います。アペリティフ的には使いにくいです。酸味以外の華やかさはないので、ミールスとしてのバランスも崩しにくいです。ただ、ケララの風のようなミールスだと、酸味が強すぎるので合いません。また、日本のインド料理店で出すと、酸味の強さで、半分以上のお客様が残すと思われます。35度以上はあるところで食べると良さそうです。
このラッサムも、豆を煮ないで良いので、15分もあれば作れて楽です。
⑪マイソールラッサム Mysore rasam★★★★★
スパイスレベル★★★★☆辛くはないけどスパイシー
酸味 ★★★☆☆まあまあ酸っぱい
食べやすさ★★★★☆食べやすいです
難易度 ★★★★☆面倒ですが簡単です
名称の一般性★★★★★一般的な名前です
材料と手順
①トゥールダル大さじ2をざっと洗ってから圧力鍋に入れ、水300ml、ターメリック小さじ1/8、サラダ油ひとたらしを入れて火にかける。圧力がかかったら3分間煮て、火を止める。
②別の鍋に、サラダ油小さじ2を熱し、チャナダル小さじ1、コリアンダーシード小さじ1を入れ、かるく色づいたら、クミンシード小さじ1/2、ブラックペッパー小さじ1/4、ホールチリ2本、ココナッツシュレッド小さじ1を入れ、ココナッツの色が変わらないうちに取り出して冷ます。水30mlと一緒に粗いペーストにする。
③タマリンドペースト大さじ2、水200ml、塩小さじ1弱、ヒング小さじ1/8、カレーリーフ10枚くらいを、すべて鍋に入れ沸騰させる。トゥールダルを煮汁ごと加え、再び沸いたら弱火で3分間煮こむ。作っておいたペーストを加え、煮立たせないように3分間弱火で煮る。
④別の鍋にサラダ油小さじ2を熱し、マスタードシード小さじ1/4を入れて8割がた弾けたら、ラッサムの鍋に、じゃっとかける。あれば刻んだコリアンダーリーフを入れる。
味の特徴・目指すイメージ
雑多な味がして、スパイシーになっていれば成功です。とくにコリアンダーシードの風味が効いています。塩味は、そのままでも食べられるように、きりっとするほどはつけないほうが良いです。ラッサムの中では、味のバランスがとりやすいレシピです。粘度は、完全なしゃばしゃばではなく、少しだけとろみがつきます。
マイソールというのは地名です。札幌ラーメンみたいなものです。地元の人間は、札幌ラーメンはあまり食べないので、マイソールの人もマイソールラッサムを食べないのでしょうか。
どのように食べるか・提供するか
アペリティフとしても良いですし、ご飯にかけても良いです。フルミールスのラッサムの位置に、このラッサムを置くことはあるのか、ちょっとわかりませんが、あまりないと思います。
なぜなら、ラッサムとしては、かなり雑多な味の、旨みの強いラッサムだからです。目指すミールスによっては、味のバランスがとれないこともあります。南インド屋のミールスには合いませんでした。逆に言うと、一般受けするラッサムとも言えるので、これを出しておけば、スパイス好きカレー好きには喜ばれやすいと思います。また、創作系の店でも、これをスターターとして出すのは面白いと思います。
ご飯にマイソールラッサムに、ちょっとした炒めものがあれば、十分食事になります。サンバルの代わりとも言えそうです。
原価としてはかなり低いですが、すこし手間がかかります。その点からも、やはり創作系のスターターや、酒を飲ませるインド料理店にはぴったりな気がします。実際、なんどりでも出していますね。ガラスのコップに入れることが、良くあるようです。見ためが面白いからだと思います。
以上、11個のレシピを紹介してきました。あとは、南インド屋で出していたラッサムもあります。
これらのレシピが世の中にあるラッサムを網羅しているわけではありません。冒頭にも述べましたように、レモンやパイナップルを使ったもの、ノンベジをつかったもの、野菜を入れたもの、などなど、まだまだ色々なラッサムがあります。有名どころでは、ニンニクを強調したガーリックラッサムが出てきていません。とにかくガーリックを強めにしておけばガーリックラッサムなのですが、ガーリックの強いラッサムがあまり好きではなく、自信をもって紹介するレシピが作れなかったので、ここでは紹介しませんでした。④の典型的なラッサムで、ニンニクを増量し、さらに最後に刻んだニンニクをテンパリングすれば、それでもうガーリックラッサムと呼べます。興味のあるかたは試してみてください。
また、これらのレシピは総じて、塩がある程度入っています。薄くはありません。もっと薄くて、しゃばっとした、味気の無いラッサムも存在するのですが、個人的にあまり好きでないので、そういうラッサムは載せていません。適当に、塩やタマリンドを減らして作れば良いと思います。