六花亭の商品をひとつひとつ食べて紹介「大平原」

しょうもない企画をスタートさせます。六花亭と利害関係はまったく無いので好きに書きます。

北海道の食べ物はおいしい、という言説があります。実際、僕も何度か言われています。こう続くこともあります。北海道は何を食べてもおいしい、と。

これがいまひとつ腑に落ちなかったのですが、最近やっとわかってきました。「観光地としての北海道は、食べ物がおいしい都道府県だ」という意味なのですね。言われる僕としては、「たしかにおいしいけど北海道の物は全国で流通してるし、君たちのところにもおいしいものは沢山あるでしょう。特別北海道のものがおいしい訳ではないんじゃねえの。うまい店も不味い店もあるし、祖母のつくる煮ものは最近はおいしくないよ」と思っていましたが、そういうことではないのですね。僕の理解力が足りていなかったのですね。

たしかに3日間の旅行で北海道らしいものを食べたら、「北海道は食べ物がおいしい」という印象になると思います。ラーメン、ジンギスカン、海老かにホタテ、うに、すし、じゃがいも(にバターをつけたもの)、メロン、など、たしかに攻撃力は高いです。仙台の名物と言えば、笹かま、牛タン、ずんだもち、辺りだと思います。両方に旅行に行ったとして、「食べ物がおいしい」という印象になるのは、北海道なのだと思います。仙台のみなさまごめんなさい。

さて、なんの話かというと、北海道のお菓子はおいしいと思います。とくに六花亭が好きです。六花亭の話がしたいのです。

東京バナナとか表参道サブレとかシュガーバターの木とか、そういう、無難なお土産であることに存在のすべてがかかっているお菓子に比べると、白い恋人、ロイズ、そして六花亭は、おいしいと思います。なんとなくロイズは、ここ5年くらいで、無難なお土産路線に強く舵を切った気もしますが、まあ良しとします。とくに六花亭は、地元の人間にも愛されている、気がします。すべて推定です。根拠はありません。

浅草の例を出すまでもなく、お土産は儲かります。言ってしまえば、なんでも売れるのです。まずくても高くても売れるのです。買う人と食べる人が違うのだと思います。その点、六花亭は、自分で買って自分で食べる層、または、現地人から現地人の御遣い物にする層が、それぞれちゃんといるのだと思います。

けれど、一般的には六花亭と言えば、マルセイバターサンド、ちょっと年代が上であればホワイトチョコレートもご存知かもしれませんが、まあとにかく認知されているのはその程度だと思います。たしかにマルセイバターサンドはおいしいですが、うん、たしかにすごくおいしいですが、あれは六花亭の実力を示す、ごく一部でしかないのです。だから、紹介したいのです。これは使命感です。南インド料理のレシピを公開することには、そんなのものついぞ感じませんでしたが、こっちは使命感です。やってやる、やってやるぞ。

ということで、六花亭の全商品を、ぽつぽつ紹介していこうと思います。ここまでが序文でした。ひとつめは、「大平原」です。商品名はカッコづけにします。

この企画は、母のブログと同時進行で同じ商品を紹介しています。暇な方はぜひ読んでください。

ジャンル:洋菓子

手土産にしたら喜ばれる度★★★★★みんな好き

北海道土産としてのわかりやすさ★★★☆☆ほら、バターたっぷりで北海道だよ?

六花亭らしさ★★★★★さすが六花亭!

マドレーヌとフィナンシェってどう違うんだっけ度★★★★★……かたち?

 

やっと本題です。手っ取り早く、公式を見てください。

https://www.rokkatei-eshop.com/store/ProductDetail.aspx?sku=10070

4個入りで500円です。ばら売りだと、125円だった気がします。

この味をこの値段で出すのは、六花亭の凄さだと思います。おいしいです。そしてすこしあか抜けないです。おいしいけどあか抜けない、それが六花亭です。だから、ぜひ北海道以外の人にも食べて欲しいのですが、いかんせん、目新しさや、わかりやすい北海道らしさがありません。

『バター香るマドレーヌ』です。食べてみると、まあ、そういう感じです。マドレーヌというよりは、ほっくりした硬めのパウンドケーキ、と言った方が正確な気がします。お菓子づくりはあまりやらないのでwikipediaに頼りますが、マドレーヌというのは、アーモンドパウダーが入ることもあるそうです。たしかにマドレーヌって、ものによってはアーモンドっぽいような気がします。ところで、とくに仲が良いわけでもない、お互いの嗜好を知らない相手に渡すための洋菓子、というジャンルが存在します。いま私が作りました。モロゾフなんかも入りますね。おいしいかおいしくないかで言えば、まあおいしいけど、べつにそんなにおいしい訳でもなく、安くもなくちょっと高くて、包装はまあまあ綺麗で、僕はもらってもまったくときめかないお菓子たちです。札幌で言うと、どるちぇ ど さんちょ DOLCE DE SANCIOという豚のマークの店と、Porte Rouge辺りだと思います。 いや、おいしくないわけではないんですけど、何を食べても同じ味がするというか、食べた後に、同じように、ちょっと嫌な甘みが舌に残って、ああお菓子食べちゃった、という後ろめたい気持ちになるのです。そういうお菓子をたまたまもらうか、もらったものをさらにお裾分けでもらうか、そういうときは、一応はどんなものがあるか、裏もひっくり返して成分表示を見て、それから、まあ食べなくてもいいかと、手を付けないことがほとんどです。そんなお菓子でも、マドレーヌとフィナンシェは、食べます。だいたいおいしいのです。よほど失敗しなければおいしいのだろうなと思います。そうです、僕はマドレーヌとフィナンシェが好きなのです。あの、ぺったりとバターの多いかんじが好きなのです。

そう、大平原の話です。10年くらい前(?)は包装が違って、大平原をくるむようにして、四辺を下で貼り合わせていました。大福とかの包装の仕方です。今では普通の袋菓子の個包装です。裏の原材料を見ると、バター、卵、砂糖、小麦粉、生クリーム、と続きます。ふむふむ。お菓子はつかわないのでわかりませんが、驚きはありません。そして、みりん、が来ます。みりんです。みりん風調味料のみりんです。はあ、どことなく和風というか、懐かしい味というか、簡単に言うと田舎くさい風味があるな、とは思うのですが、みりんに由来しているのでしょうか。なんでみりんを入れたのでしょう。商品開発の段階で、「やはりマドレーヌなんてハイカラなものはねえ、わたしは好かんのだよ。ちょっとねえ、紅茶じゃなくてほうじ茶をくれよきみ」と言われたから、悔し紛れにみりんを入れたら一発OKが出たとか、そういう経緯でしょうか。

手のひらに余裕をもっておさまるくらいの大きさです。上の焦げ目がついた部分がぺたぺたします。公式にもありますが、固くなりやすいので、20℃から25℃の室温で保管しろとあります。北海道の室温が20度を上まわらない時期って結構長い気もしますが、まあ良いです。たしかに、冷たい状態で食べると、食感はかたく、風味が口の中で広がらず、バターが口に残るようないやなかんじがします。素直に、ぬるくして食べたほうがおいしいです。また、袋の裏には、電子レンジで温めるときは10秒くらい、とあります。そう、あたためても良いのです。温めてみます。うん、僕はあまり好きではありません。なんとなく温かくて幸せな気分になりそうなものですが、温めると、甘みが強くでて、飽きの来る味になる気がします。食感も、せっかくバターを使って、しっとりさせたのに、熱でふわっとしてしまって、勿体ない気がします。やはり常温、20℃から25℃で食べるのがベストだと思います。

やはり、落ち着いて味わってみると、これはマドレーヌではありません。マドレーヌにしてはしっとり感が足りない気がします。なんとなく、10年くらい前の大平原は、もっとじっとりと油が染みそうなかんじだった気もするのですが、記憶は不確かです。でもおいしいです。大好きです。

そのままぱくぱく食べてもおいしいです。紅茶、コーヒー、ほうじ茶、緑茶、なんでもいけると思います。紅茶なら、どっしりとしたアッサムよりは、日東紅茶か、アールグレイもよいかもしれません。コーヒーも、深煎りのマンデリン、というよりは、それにお湯をざっと差して、薄くしたものと合いそうです。ほうじ茶は、六花亭で扱っている加賀棒茶を一応はおすすめしておきますが、ここは私めの作った、ほうじ茶チャイもおすすめです。緑茶は、適当に安いもらいものを淹れたら良いと思います。

ということで、大平原の紹介でした。