六花亭との一方通行コラボvol.3「ポテトパイ」

はやくも三度目を数える六花亭との勝手なコラボ企画です。六花亭の商品を紹介しつつ、南インド屋の商品『スパイスティー』を啜って感想を述べる、提灯記事です。提灯は六花亭ではなく、南インド屋です。つまり、セルフ提灯です。ちなみに、一年で363日くらいは六花亭のお菓子を食べています。

これまで生菓子が続いたので、こんどは生じゃない菓子、包装されている菓子からひとつ、季節のものを取り上げます。

手がクモのように大きいので、商品は見た目より大きいです

商品名:ポテトパイ

価格:160円(税込)

販売時期:10月いっぱい

販売店舗:おそらく全店舗

味の評価:とてもおいしい

構成

柔らかめのスイートポテトが、パイに包まれています。額縁の要領です。パイの額縁に、スイートポテトをはめ込んだつくりです。スイートポテト部分には、角切りのさつまいもも入っています。全体的にしっとりしていて、油脂の力を感じます。

喉が詰まるおいしさ

喉が詰まる、というのはマイナスの評価として使われる言葉と思います。「ああこのパン喉が詰まるー!!みずみずー!」「この餅喉が詰まるー!!納豆納豆ー!!」というように、喉が詰まるのは、忌避されることだと思います。けれど、喉が詰まるものは、つまり密度が高くてぎっしりしているということではないでしょうか。ライ麦パンしかり、ウォーカーズのショートブレッドしかり、喉が詰まる要素があるからこそおいしいものもあるのです。ある種の食べ物においては、むしろ喉に詰まらないものはおいしくない、と言ってしまってよいと思います。甘く、ふわっとして、とろとろで、もちもちの食べ物があふれる表参道界隈に嫌気がさしているひとは、潜在的にはけっこういると思います。そう、いまこそ、声を上げるときです。甘くなく、味気なく、ぽそぽそして、ガシガシしているもの。そういうものが好きな人もいるのだと。そういうものにこそ幸せがあるのだと。ソフトフランスでなく、フランスパンでもなく、バゲットが食べたいのだと。そう声を上げるときなのです。ということで、このポテトパイは、すこし喉が詰まります。

強めの甘味

何度も繰り返していますが、砂糖が噴き出るくらいに甘いあんこが好まれる(という話を聞いたことがある)北海道のお菓子です。甘みは、強めです。これからの寒い季節、甘いものでも摂らないとやってられないのです。外からは灯油を燃やして温め、中からは糖質で温めるのです。そこにビッグマンをながしこむのが北海道です。ちょっと甘めのポテトパイですが、パイ生地がふちについているのと、厚みがうすいので、食べた印象として、甘ったるくはなりません。

焼いてもおいしい

魚を焼くグリル(魚を一度も焼いたことは無い)で焼きました。ちょっと焦げました。パイがさくっとします。スイートポテト部分がふわっとします。おいしいです。おいしいのですが、個人的な好みとしては、焼かないほうが好きです。料理の完成度として焼いたもののほうが優れているとは思います。たしかにおいしいです。サクッとしてふわっとして、食感に動きが出ます。けれど、個人的には、湿気ったパイに、ぺろっとしたスイートポテトのほうが好ましいのです。かつとじのおいしさに通じるものがある気がします。しょうもなさがおいしさになる、と言いますか。通じるでしょうか。きっと東海林さだおさんならわかってくれると思います。そういえば、知り合いのおじさんは、焼いて、さらにエシレのバターを載せて食べていました。そらうまかろう。

焼くと問答無用においしい

スパイスティーと合わせると

ああ~これは良いですね。よく合います。いまふと思ったのですが、もしかして六花亭のお菓子は、濃いコーヒーでなく、湯呑の緑茶に合うように設計されているのではないでしょうか。だから、スパイスティーにも合うのかもしれません。スパイスティーでなくとも、かるめの紅茶に良く合うと思います。紅茶と言っても、フレイバーのものでなく、日東紅茶とかリプトンとかの、安めの紅茶が良い気がします。あんまり薫り高くても似合いません。いやまあ、なんと言っても南インド屋のスパイスティーが抜群なので、みなさまたくさん買ってください。商品はこちらです。セルフ提灯!!